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五代目の日記

創業江戸慶応年間の神田一政鮨。五代目店主のお魚の話、お酒の話、釣りの話。もちろんお得情報も。

血合い骨を抜く。

2009-10-05 18:34:55 | お料理
今日は、下準備のお話です。

あじやさば、白身魚でもまごちやほうぼうなど、血合い骨を抜くという作業をします。

私は、三枚におろして腹骨をすいた魚の頭側を右おいて、左手の人差し指と中指の腹で血合い骨の両側を抑えて、右手の毛抜きで右前に引っ張るようにして骨を抜きます。

骨を抜く時、上に引っ張る感じよりも、右斜め上に引っ張るイメージの方が、骨がきれいに抜けると思います。
魚をおさえるので、手はなるべく冷やしておいて、素早い作業が肝心です。

血合い骨を抜かないで切り落とし使う魚もありますが、あじやさばをお刺身やにぎりにする時は、血合い骨を抜きます。

白身魚などでは、血合い骨を切り落とし、斜めに切ってにぎりにしたりする事がありますが、中あじは片身でにぎりにするのが、形が良いですし、さばは背側の身と腹側の身では、脂の乗りが違います。
例えば、東京湾内でよく釣れるサイズのさばは、1本600g位です。

このさばの体高は、7~8cm位です。

血合い骨を切り落としてしまうと、3cm位の小さい幅になってしまいます。

もちろんにぎりには、使い勝手が悪いですし、無駄もいっぱい出てしまいます。

昔から、7~8cm位の幅が食べやすい大きさと言われています。
今では、にぎり全体が少し小ぶりになっているかもしれませんが、寿司の歴史の中で、言われ継がれた事は、日本人の口の大きさやその口の中のほお張り加減などを熟知した大きさだと思っています。
さばのお刺身にしても、〆さばにしても、あまり小さく切ったら、本来の味は楽しめないと思いますし、背の身と腹の身を両方一緒に食べるのがさばの味だと思います。

写真で写すと魚の大きさはちょっとわかりずらいです。

せっかくの極上さばなら、最後まで手間をかけて、血合い骨を抜いて、かっこいいお刺身を作るのがよいかと思います。

血合い骨を抜くのも、慣れてしまえば簡単な作業です。

ご自宅でお料理される時は、ちょっとひと手間で味がかわるものです。

今の時期は、三陸方面、もう少しすると玄海灘などから美味しいさばが入ってきます。

松輪や淡路島のさばもよいでしょう。

美味しいさばを見かけたら、〆さば作ってみてください。

その時に、血合い骨は抜いてくださいね。

酢じめした後に血合い骨を抜くのが、よいと思いますよ。

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