五代目の日記

創業江戸慶応年間の神田一政鮨。五代目店主のお魚の話、お酒の話、釣りの話。もちろんお得情報も。

地だこ

2011-04-30 13:11:44 | 旬の魚
今日は、たこのお話です。

東京湾内のたこは、地だことして、評判よいたこです。

うちの店では、主に活きて築地市場に入荷して来る物を店で茹でています。

今回のたこは、千葉県勝山産。
3kg近くある大きなたこです。

内臓等を取り除き、よく塩もみして、ヌメリを取って、大きな鍋で茹で上げます。

水の中で、余熱を取って、写真のようにザルの上に上げておきます。

たこが、きれいに丸まってくれます。

うちの店では、たこの中身にサッと火が通るか通らないかぐらいで茹で上がりにしています。

江戸前のたこは、噛めば噛むほど味がでるようなしっかりしたたこです。

たこも、これから美味しい時期ですよ。

塩で召し上がって頂いてもよいでしょう。

活けたこは、千葉県、神奈川県産が主に入荷しています。

関西の活けたこは、築地市場には、たまにしか入荷しません。

浜茹でのたこは、いろいろな産地から入荷していますが、一番多いのはアフリカ産のたこでしょうか。

アフリカ産のたこは、柔らかいのですが、味が少しありません。
もちろん、香りもありません。

江戸前のたこは、美味しいですね。

風評被害の影響は、まだまだ続いています。

アフリカ産のたこという選択もありですが、味を追求していくと、やはり江戸前のたこになります。

何度もお話していますが、市場で仕入れをしている物は、各方面が検査をしていて安全な物です。
安心して召し上がって頂きたいと思っています。
江戸前のお魚も、ぜひ美味しく召し上がって頂きたいと思います。

本日も、営業しております。

夜の営業は、少し早めに終了する場合があります。

ご来店頂けるお客様は、ご連絡頂けると助かります。

月曜日は、平常通り営業いたしますので、よろしくお願いいたします。

大人の海苔巻き

2011-04-28 13:31:07 | お料理
今日は、海苔巻きのお話です。

昔は、江戸前のすし屋では、海苔巻きとご注文頂くと、かんぴょうの海苔巻きが出てきました。

お新香巻とかかっぱ巻、鉄火巻とかは、ご注文の時におっしゃって頂かないと、だめでしたね。
海苔巻き一人前と言ったら、かんぴょうの海苔巻きだけお出ししていました。

まあ、今はご注文の時に、こちらが確認いたしますので、そんなこともありませんが。

このかんぴょう。
ゆうがおの実の皮を取り除き、長い棒状に切った物を乾燥させています。
産地は、栃木県。

店では、このかんぴょうを戻してから茹でます。
そして、水気を切って、醤油、砂糖、日本酒、みりんで、甘じょっぱく煮ます。

この煮たかんぴょうを芯にして巻くのが、海苔巻き(かんぴょう巻き)となります。

むかしのお客様は、鉄砲巻きと言っていた方もいらっしゃいました。

黒い細みの巻物で、かんぴょうの色が火縄に見立てて語源になったと聞いています。

近頃、この海苔巻きにわさびを入れて巻き、それを仕上げに召し上がって頂くお客様が増えています。

すし屋での〆には、これが良いと昔からの仕事ではありますが、お勧めしたら好評です。

かんぴょうを自分の店で煮ない所やかんぴょうを置いていない店もあるようですが、そこの店の味がよくわかるかんぴょうは、ぜひご賞味頂きたい一品です。

お客様のお好みですが、お醤油をつけないで、召し上がって頂くと、わさびの清々しさがお口で広がり、あと味がよくなると思っています。

この時のわさびは、やっぱり生わさびでないといけませんね。

当店では、栃木県の干瓢、有明海産の海苔、宮城県のお米ササニシキ、愛知県の米酢で海苔を作っています。

〆には、わさび入りの大人の海苔巻きを。

そして、わさび入りではありませんが、海苔巻きを持って、ゴールデンウイークの行楽にいらっしゃるのも、よいでしょう。

本日も平常通り営業いたします。

ゴールデンウイークの営業は

2011-04-27 11:41:09 | おしらせ
毎度ご利用ありがとうございます。

もう少しでゴールデンウイークですね。

うちの店の近くも、お勤めの方が多く、祝日はあまり人通りもないような状態になっています。

祝日でも、予約を頂ければ、営業もできる場合もございますのでお気軽にお問い合わせください。

29日からの営業は

29日金曜日‥‥お休み
30日土曜日‥‥営業

 1日日曜日‥‥お休み
 2日月曜日‥‥平常通り営業

 3日火曜日‥‥お休み
 4日水曜日‥‥お休み
 5日木曜日‥‥お休み
 6日金曜日‥‥平常通り営業
 7日土曜日‥‥営業

 8日日曜日‥‥お休み
です。


築地市場は、平日以外に5日木曜日は、開市となっています。

土曜日の営業につきましては、昼は平常通り営業、夜は、少し早めに終了させて頂く場合があります。ご連絡頂ければ、平常通り営業いたします。ご面倒おかけしますが、よろしくお願いいたします。

本日は、平常通り営業いたします。

江戸前すしの代表選手

2011-04-26 14:22:00 | 旬の魚
今日は、あなごのお話です。

兵庫県明石や広島県宮島など日本各地で名物として、食べられているあなごですが、江戸前のすし屋でも、自慢の一品でしょう。

東京湾でももちろん取れます。しかし入荷量は、とても少なく、希少価値の魚です。

釣りの世界では、夜釣りであなごを狙うのですが、このあなご釣りぼちぼち本格的に開幕しそうです。

今年は、海が少し遅れ気味。いかなる釣果が出るか楽しみです。

江戸前のあなごを食べるには、釣りに行くのも、近道の一つかもしれません。

私は、もちろん自分で仕込みをしますが、釣りに行く人は、船宿さんがあなごを開いてくれるので心配無用です。

あなごにも、だんだん脂がのってきました。

煮あなご、白焼き、蒲焼き、天ぷら、竜田あげ、南蛮漬けなど等々いろいろな料理方法があり楽しんで頂けると思います。


開いてあるあなごの下処理は、いろいろな方法があります。
私は、塩でもんで、内臓の残り、血、ヌメリを洗い流す方法です。

すし屋で出している煮あなごは、死後硬直する前のあなごを多めの煮汁で煮ます。

死後硬直してしまったあなごを煮ても、お口の中で、とろけるような食感にはなりません。

そして、うちの店では、煮汁を取ってあり、次回あなごを煮る時には、味を整えてから使います。
釣ってきたあなごを煮あなごにする時、すし屋のあなごと同じにするのは、ちょっと難しいかも、しれませんね。

そんな時にお勧めなのは、白焼きでしょうか。

この白焼きもいろいろな作り方があります。

私は、下処理をしたあなごをちょっと薄めのだし汁に通してから焼きます。

この工程で、周りはカリッと、中はフワッとの食感に仕上がると思います。

これから、脂がのって美味しいあなごです。

釣りに行って自己調達を目指すのもいいでしょうし、店でもご用意させて頂いています。

美味しい江戸前あなごぜひ、ご賞味ください。

本日も、平常通り営業しております。

北海道厚岸産

2011-04-25 15:38:36 | 旬の魚
今日は、しらうおのお話です。

写真のしらうおは、北海道厚岸産のしらうおです。

この北海道産のしらうおが市場に来ると、しらうおの季節も終わりですね。

産地の厚岸は、この頃牡蠣で有名な産地です。
築地市場でも、美味しい牡蠣として、高値で取引されていますし、地方の食通は、産直でお取り寄せしています。

この厚岸、牡蠣だけではありません。

今回のしらうおも、鮮度抜群で味もたいへん良いです。

今回は、この北海道厚岸産の物と青森県産のしらうお二種類仕入れています。

同じしらうおでも、仕入れ価格は違うんです。

同じ品物でも、鮮度、魚の良し悪し、大きさ、産地、人気等々により値段が変わります。

プロのセリ人の目利きは、さすがと思うところがあります。

産地表示は、とりあえず参考にしかなりません。
値段だけでなく、先入観なく食べて頂きたい物です。

厚岸産のしらうお、生でも、卵とじでも美味しいですよ。


本日も平常通り営業しております。

たまには、創作料理も‥‥‥

2011-04-23 15:06:48 | お料理
今日は、ちょっとお料理のお話です。

やりいかを使った物です。
今年は、昨日もお話したように、ちょっと海が遅れ気味。

やりいかもいつもの年なら産卵期でペラペラに身が薄くなってしまう時ですが、今年はまだ身がすごく薄くなっていない物もあります。

冬場に食べる物よりは、ちょっと味が落ちるかもしれませんが、そこは、ひと手間かけてあげれば、まだまだ美味しく召し上がって頂けます。

今日は、やりいかの葱生姜風味を紹介しましょう。

用意して頂くものは、やりいか、長ねぎ、かいわれ大根、生姜、醤油、胡椒、サラダ油です。

1.やりいかは、甲羅を抜いて、げそ内臓を取り除きます。

身の部分は、食べやすい大きさに筒切りにします。
げその部分は、内臓取り除いて、食べやすい大きさに切り分けます。

2.かいわれ大根は、根の部分を切り落とし、水にさらしてから、ザルにあげ水気を取っておきます。

長ねぎは、ささらねぎに切ります。

生姜は、おろしておきます。

3、鍋にお湯を沸かし、沸騰したら、おろし生姜を入れ、続いてやりいかのげその部分・身の部分を入れます。

あまり茹で過ぎてはいけません。固くなってしまいます。

適度にいかに火が通ったところでザルに上げます。

4.水気を切ったかいわれ大根を皿に広げて置き、その上に茹でたやりいかをのせ、ささらねぎを乗せます。

5.胡椒と醤油を適量、4の皿にまわしかけ、その上から煙が出るくらいに熱したサラダ油をかけて出来上がりです。

よく混ぜて召し上がって頂きます。

私は、サラダ油を使用しますが、ごま油でも良いですし、サラダ油とごま油を合わせた物やピーナッツ油などの違った油でも良いと思います。

そして、香菜などをのせると中華料理の一品になります。

店では、軽く召し上がって頂きますので、サラダ油を使って、香菜もあしらいません。

釣り人の中には、今の時期のやりいかは、美味しくないと言い切ってしまう人もいますが、個体差はありますし、いか類もちょうど端境期なので、市場でも、それなりの値段で取引されています。
早く剣先いか系のいかが出て来てくればいいとは思いますが‥‥‥

お客様からの聞いた話によると、式根島あたりでは、赤いかが取れだしたという事なので、もう少しの我慢だとは、思います。

だけど、やりいかよりも赤いかは、高値なので、今のやりいかが買えない人にはちょっと無理でしょうけどね。

その時の状況に合わせて美味しく召し上がって頂きたいと思っています。

本日の夜の営業は、少し早めに終了させて頂くかもしれません。
ご来店のご予定があるお客様は、ご面倒をおかけしますが、ご連絡を頂ければ、幸いです。

今年は、少し遅れています!?

2011-04-22 13:32:25 | 旬の魚
今日は、まぐろとかつおのお話です。

今回のまぐろは、宮崎県川南産。

魚体273kgの天然生黒まぐろの一部を仕入れました。

魚の大きさは、文句無しの物ですが、ちょっと脂の乗りがない感じです。
赤身は、しっかりしていて美味しい魚ですが‥‥‥


かつおもここ数回、鹿児島産のかつおを仕入れています。

1本が6kg位ある大きなかつおが多いです。

まだ、初がつおの時期ですから、あまり脂っ気は期待していませんが、それにしても、脂っ気が薄いかもしれません。

脂っ気を優先して仕入れると、こんどは、魚の色がすぐに飛んでしまう場合があります。

まあこの現象は、昔から同じなんですけど、‥‥‥

まぐろ、かつおとも、今年は、北上してくるのが、少し遅れているような感じでしょうか。

今回は、まぐろ、かつおとも、九州物を仕入れましたが、今回はベストな選択だと思っています。
ちょうど、季節の変わり目で、魚も入れ替えの時期なのですが、今年は、少し遅れ気味のようがしています。

ほかにも、少し遅れいる魚貝類も意外と多いような感じもしています。

ちょっとすると、完全に春から夏の魚に変わっていくと思います。

あまり日常生活では、季節感を感じ事が少ないと思いますが、お魚の味で四季をあじわうのも楽しいと思いますよ。

本日も平常通り営業しております。

少しでも応援できれば‥‥‥

2011-04-21 11:10:23 | 日本酒&焼酎
今日は、日本酒のお話です。

店では、震災直後まで、宮城県の浦霞禅と一の蔵をお出ししておりました。

浦霞禅は、いまのところ酒屋さんの方に、在庫がなくなってしまい、ただいま欠品中です。

一の蔵の方も品薄状態ではありますが、どうにか品物確保できています。

どちらの酒造元も、被災されてしまい、たいへんな状況と聞いております。

辛口のお酒で、お魚とも相性がよいです。

蔵元さんが、できるだけ早く復興して頂きたいと思っております。
そしてもう一点。



以前、お客様のリクエストがあって取扱いしていた、榮川をご用意いたしました。

いろいろと風評被害にあっている福島県の品物ですが、もちろん安全性は確保されています。

安心して楽しんで頂けます。

この榮川は、福島県会津若松のお酒です。

YouTubeの映像で「南部美人」の蔵元さんが出演されてお話されているものをみました。

「復興のためには、ぜひ消費を」というメッセージでした。

店では、まず「宮城米ササニシキ」「一の蔵」「榮川」の三種の品物で応援させて頂こうと思っています。

もちろん魚貝類も入荷次第で増やしていけると思っております。

そして、お酒に関しても、これからいろいろお出しできればとも思っています。

本日も平常通り営業しております。

江戸前の魚・貝をお楽しみください。

2011-04-20 10:58:47 | 旬の魚
今日は、江戸前の魚貝三種を紹介します。

まずは、あじ。
私は、釣りをしますが、コマセの釣りをほとんどしないので、釣り友達に持ち込んでもらわないと、お目にかかれない、東京湾産の江戸前あじです。
流通量が少ないので、あまり召し上がった事がある方が少ないとは思いますが、このあじは、ブランドあじなんです。

今回は、千葉県船橋産。築地市場で珍しく発見しました。

片身でちょうど、にぎりにいい大きさです。


きめ細かい身で、脂もまずまずです。

これからだんだん良くなって行く魚です。

市場で見かけたら、これからも仕入れようと思っています。



続いては、とり貝。

ちょっと前に、浜で加工した千葉県富津産とり貝は、紹介しましたが、今回は、貝殻付きで富津産の物が入荷してきました。
店で仕込みをしました。ちょっと小さめなんですが、とり貝の甘みと食感は最高です。

この時期限定の美味しいとり貝です。



つづいて、みる貝です。
こちらも以前紹介した時に、お話しましたが、今が旬の貝です。

貝類の美味しさには、香りも重要な要素です。

鮮度がよく、産地が近い方が、香りがよく残っていて美味しいと思っています。

今回は、神奈川県横須賀産のみる貝です。

いまでは、あまり大きなみる貝は取れなくなってしまいましたが、香りの良さは、健在です。

歯切れの良い美味しい貝です。


東京湾産の美味しいお魚や貝類で発展した江戸前すしです。

原点に戻って、江戸前の美味しいお魚でおすしはいかがでしょうか。


本日も平常通り営業しております。

応援させて頂きます。

2011-04-19 11:31:46 | お料理
今日は、お米のお話です。

うちの店では、ここ10年位、宮城県産のササニシキを使用してまいりました。

このたびの東日本大震災により、いつも使っていた、宮城県産ササニシキが使用できなくなっていました。

このお米の担当者にお話をお聞きすると、本震で精米工場が被災してしまい、また余震で事務所も相当な被害が出てしまったそうです。

しかし、また頑張ってササニシキを出荷してくれています。

私は、ササニシキのお米の粒の硬さが、寿司米にあっていると思っています。

また、このササニシキが入荷してきた事は、たいへんうれしい事です。

皆さん、義援金や他にもできる事で、被災地を応援されている事だと思いますが、店でもまた宮城県産のお米を使い微力ではありますが、応援させて頂こうと思っています。

以前から東京の台所として良い食材を提供してくれている東北。

日頃の食材提供に感謝して、美味しいお米をいっぱい召し上がって頂きたいと思っています。

お昼のランチ丼は、大盛無料サービスを継続して実施しております。

どんどん美味しいお米を召し上がってください。

本日も平常通り営業しております。