五代目の日記

創業江戸慶応年間の神田一政鮨。五代目店主のお魚の話、お酒の話、釣りの話。もちろんお得情報も。

お魚だしわかめしゃぶしゃぶ

2011-02-28 14:51:20 | 旬の魚
ここのところ、日曜日に風が強いですね。

天気予報がよくかったので、今週も釣りは、お休みでした。

無理すれば、行けない事もなかったのですが、ちょっと気合いが入りませんでした。

来週あたりは、行きたいですね。

さて今日は、わかめのお話です。

今の時期は、各所から生わかめが入荷してきます。

この生わかめ、美味しいんです。

生わかめをサッとお湯にくぐらせると、きれいな色にパッと変わります。
上の写真は、生わかめ。
お湯にくぐらせると。


こんな感じ。

写真では、あまりはっきりわかりませんが、きれいな緑色に変わります。
この色の変化も楽しんで頂ける、わかめのしゃぶしゃぶをご用意しました。



今日は、釣り人達に定評があるきんめ鯛を使用してだしをとりました。

魚だしのとり方は、いろいろありますが、私は、きんめ鯛の場合は、あらを炙ってからだしをとります。

余分な脂や水分を落としてからだしをとる事によって、生臭さをなくして、香ばしさをプラスするだしのとり方です。

このきんめ鯛のだし汁を小鍋に入れてお出しして、目の前でお客様が生わかめをしゃぶしゃぶして頂きます。

わかめの食感の良さは、もちろんの事、パッと変わるわかめの色も楽しんで頂けます。

今回は、きんめ鯛の美味しいだし汁がわかめの味を引き立てます。

季節限定の生わかめ、ぜひご堪能ください。

いよいよ、春の貝です。

2011-02-24 17:23:48 | 旬の魚
今日は、とり貝のお話です。

うちの店では、今シーズン初めて貝殻に入ったとり貝を仕入れました。

産地は、愛知県産。

これから時期入荷量も増えて来ると思います。

この殻付きとり貝ですが、貝殻から身を取り出して、貝を開いて、ワタを取り除き、サッとお湯にくぐらせています。

仕込み後は、おなじみのこんな感じです。


この仕込みを、産地でやって来て、入荷してくるとり貝もありますが、ちょっと火を入れすぎていて、硬くなっています。
冷凍にした物も入荷してきますが、これは、解凍する時に、貝の水分がドリップを一緒にでてしまい、味の無い身を食べている感じになってしまいます。

貝の歯触り、甘みなどもろもろ美味しいとり貝は、貝殻付きで入荷してくる物が一番だと思います。

これから、肉厚で大きいとり貝が入荷してくると思います。

このとり貝は、うちの店では、たいへん人気がある商品です。

機会がありましたら、ぜひご賞味ください。

今週も釣り物はありません。

2011-02-21 13:38:13 | 旬の魚
昨日は、週中の天気予報よりも悪くなってしまったみたいで風が強い日になってしまいました。

そして、その風向きが弱い場所への釣行を予定していたため、朝に船長から連絡があり、出船中止に‥‥‥

土曜日に同海域で好釣果を出していた船があるだけに、残念でした。

天気の良さそうな日に、もう一度チャレンジしたいところです。

昨日は、二度寝してお昼過ぎから、ひさびさにお散歩へ。

自宅から、隅田川の橋を渡って深川方面へ。

そして森下、本所を経由して業平橋。スカイツリーを見てきました。

10kmくらいのお散歩でした。

久しぶりに歩くと、ちょっと足が痛いです。普段が運動不足なんでしょうね。

土曜日は、お客様が鬼かさご釣りを予定されていて、釣れたら店に来るとの事で、しっかり包丁をといでお待ちしていましたが、吉報届かずでした。

ということで、今週も残念ながら釣り物は、ありません。

また来週に期待です。

市場もちょっと風の強い地方が日本全体に広がっているみたいで、入荷量が少なめです。

そんな市場で、この頃の人気商品です。

写真の特大さばが、好評判なんです。

体長50cm、重さ1.5kgの長崎県対馬産のさばです。

釣りをする方なら、このさばの大きさがある程度想像できると思いますが、市場にも1kg以上あるさばは、あまりありません。

特に、1.5kgのさばは、ほとんど見かけられません。

大きいだけではなく、鮮度もいいです。対馬からは、航空便を使って入荷しています。

うちの店では、初めて仕入れましたが、脂の乗りがいいんです。

ここのところでは、一番いいさばですね。

〆さばにしてありますので、ぜひ特大さばご賞味ください。

子持ちが人気あります

2011-02-16 12:02:39 | 旬の魚
今日は、しゃこのお話です。

とれる場所にもよりますが、このくらいの時期から、しゃこに卵が入ってきます。

今回仕入れたしゃこは、岡山県産。

少しですが、子持ちになってきました。

お客さんのお好みにもよりますが、あまりパンパンに抱卵している時よりも、その前の時期の方が、身の味と卵の食感両方楽しんで頂けると思います。

このしゃこ、冷凍にしてしまうと、解凍する時に、ドリップが出てしまいます。

このドリップが、旨味なんです。

なかなかうまく解凍できないので、私は冷凍物を仕入れません。

これからいろいろな産地のしゃこが入荷してくると思います。

産地ごとに、しゃこの身質、茹で方による味の違いなどお楽しみ頂けると思います。

これから、美味しい時期突入のしゃこです。

〆さばの作り方

2011-02-15 13:10:34 | お料理
今日は、〆さばの作り方のお話です。

と言っても、普通の作り方だとは、思いますが‥‥‥

いろいろな作り方がありますが、私はシンプルな作り方です。

素材の味、鮮度などに気を使っています。

市場では、さばも釣りでとっている物とまき網や定置網などでとっている物があります。

釣り物の方が、魚はしっかりしていると思いますが、どちらにしても艶良く、ピンとしていて、体高が高く、丸みを帯びている脂が乗っているさばを選びましょう。

産地は、目利きの参考程度にして、品物の良し悪しで選んでいます。


まず、さばを三枚おろしします。

その時に、私は、カマの部分は付けたままの形でおろします。

腹骨も、その時には取り除きません。

写真の状態で塩にします。



盆ざるかバットに塩をふり、その上にさばを置きます。

そして、その上からまた塩をふります。

写真でおわかりのように、白くなるくらいまでふります。

塩は、天塩を使っています。

だいたい1時間を目安に常温で塩にします。

魚の状態(脂・大きさ・鮮度など)により多少時間の変化は、ありますが‥‥‥‥

そのくらいの時間で、塩にさばの水分が出てくれれば、塩がある程度まわっていると思います。

塩にしたさばを水洗いして、もう一度、水に酢を入れた物で洗います。

そして、水気を取り除きます。

塩でしめる作業は、さばの水分を取り除き、塩の美味しさを適度にさばに移す作業です。

そして水洗い、酢水洗いは、手早くていねいに塩を落としてください。

この頃は、砂糖を使ってしめる作業をされる方がいらっしゃるみたいですね。

砂糖でしめてから塩もするみたいですが、時短をするなら、塩だけでした方が早いです。

さばから出てくる水分の量をある程度わかれば、しょっぱくなったりしないと思います。


水分をとったさばを酢につけましょう。

私は、酢に寿司酢に使う赤酢を使っています。

ご自宅で作られる方なら、米酢を使われればよいと思います。

穀物酢より米酢の方が、お酢がマイルドで仕上がりがやさしい味となります。

酢づけしている時間は、10~15分くらいです。

そして、冷蔵庫へ

3時間くらい置いておきましょう。

ここで冷蔵庫に入れるのは、味をなじませる効果があります。

ひと晩くらいおいてもよいです。
だけど、どうしても早く食べたい方は、1時間でも冷蔵庫に入れた方が美味しいと思いますよ。



時間になりましたら、冷蔵庫から、さばを取り出して、カマの部分を切り落とし、腹骨も取り除きましょう。

そして、血合い骨を毛抜きで抜いて、皮をむいて、切って盛り付ければ、〆さばの出来上がりです。

写真でもおわかりのように、〆さばの背側と腹側では、色合いが違うと思います。

なるべく、仕上がりの色合いがよくなるように、酢じめしてから、カマの部分と腹骨部分を取り除いています。

私は、こんな感じで〆さばを作っています。

塩加減や酢じめ時間、その他にも酢の中に昆布を入れたりといろいろな作り方があると思います。

さばも、だんだん抱卵してきます。

美味しい時期は、もう少しです。

脂ののった新鮮なさばを見つけたら、ぜひ〆さば作って召し上がってくださいね。

魚をおろす練習にも、さばは最適です。
さばが上手におろせれば、次の魚にステップアップできます。

さばだからと思わず、ていねいにおろしなさいと修行時代に言われましたよ。

基本を大切にですね。

今週は釣り無しでした。

2011-02-14 14:04:57 | 旬の魚
三連休、雪予報でお出かけを予定されていた方々には、あいにくでしたね。
店の周りでは、積雪もなく、とりあえず被害もなかったようでひと安心です。

日曜日は、天気も回復の予報も出ていたのですが、仕入れ部長が多忙の為、今週の釣りは、無しでした。

ということで、今週の釣り物は、無しです。

今日は、釣り人達の中でも人気のあるきんめ鯛を紹介しましょう。

スーパーや魚屋さんで並んでいるきんめ鯛、意外と高値で並んでいると、釣り人から聞いた事があります。

確かにそんなにまとめてとれる魚ではありません。そして、大きさや産地よって、値段はかわってきます。

一番高値がつくのが、新島方面の大きい物だと聞いていますが、市場ではあまり見かけません。

市場で普通流通している物で、評判がよいのは、千葉県銚子産。

脂の乗りが安定してよいと思います。

やはり、お刺身や炙りにするには、最低でも1kgは、ほしいところです。

近頃、人気のある炙りにぎりは、脂がないと美味しくありません。

私は、皮めにある程度こげ目がつくくらい炙ります。

皮めから、脂っ気も出てきますし、こげ目からの香ばしさも、美味しさの決め手だと思っています。

今回のきんめ鯛も脂が乗って美味しいですよ。

ぜひお試しください。

こちらもぼちぼち終盤戦です。

2011-02-12 12:20:41 | 旬の魚
今日は、ぶりのお話です。

こちらのぶりも、もう少しで終盤戦ですね。

写真では、あまりはっきりしませんが、全盛時のぶりよりも、少し身が赤いです。

だいたい、日本海側のぶりの方が、身が白く、太平洋岸側のぶりの方が身が赤いと、この頃言われています。

先代は、昔の小田原産定置網のぶりは、良かったと言っていましたが、私が市場に行ってからは、あまりお目にかかっていません。

昔と今では、水温、海流等々いろいろ自然条件がかわっていますからね。
今回は、三重県産13kg弱の天然ぶりです。

太平洋岸側のぶりで、ちょっと赤めですが、ここのところの日本海側も少し赤いので、買ってみました。

全盛時よりも、少し脂が落ちていますが、大きいぶりなので、まだまだ美味しく召し上がっていただけます。

もうぼちぼち終わりの時期のぶりです。

今シーズン最後にぜひご賞味ください。

江戸前すみいか

2011-02-10 14:57:56 | 旬の魚
今日は、すみいかのお話です。

今回仕入れたすみいかは、江戸前千葉県竹岡産のすみいかです。

すみいかも、ぼちぼち抱卵してきました。


これが、すみいかの卵です。

この卵、煮て食べるとポコポコじゃがいもみたいな食感となります。

抱卵しだすと、やはり栄養が卵の方へいってしまうのか、身が薄くなってきます。

産卵直前になると、ペラペラ身になってしまい、美味しくないですね。

まだ選んですみいかを仕入れれば、そんなに身が薄くないです。

だけど、すみいかは終盤戦ですね。

白いかなどのいかが多く入荷するようになるまで、すみいかとあおりいかが主力です。

やりいかも市場には、多く入荷していますが、私は、にぎりにした時の感じがあまり好きではないので、たまにしか仕入れません。

やりいかも活きて市場に入荷している物もあります。

やりいかがお好きなお客さんは、ご予約の時に、その旨伝えて頂ければ、仕入れられますよ。

すみいか好きなお客さんは、美味しいうちに、召し上がってくださいね。
いかもぼちぼち季節で、種類がかわる時期ですよ。

今週の釣り物

2011-02-07 15:32:52 | 旬の魚
今週の釣り物は、かわはぎです。

もうぼちぼちかわはぎ釣りのシーズンも終了です。

今回は、小網代出船で城ヶ島沖がポイントです。
仕入れ部長と二人で56枚と、この時期にしては、大漁です。

まだ潮が澄んでいるので、もう少しは、釣れると思うのですが、かわはぎ船を出船する船宿が減ってきています。

私達は、あともう一度かわはぎ釣りに行くかという位で、今シーズンは終了となります。

お客さん方にも、釣り天然かわはぎの食べ納めの時期です。

かわはぎは、越冬するために肝に栄養をたくわえいると言われています。
晩秋位が、一番肝ぱんだと思います。

今の時期になると肝がだんだん小さくなってきます。

今回のかわはぎは、個体差により肝が入っている物と無い物がありました。
全盛期よりも、少し肝が少ないですが、まだちゃんと肝和えできます。

市場には、養殖かわはぎが入荷していて、肝ぱんの物がありますが、やっぱり季節感がある天然物にこだわっていきたいと思っています。

昨日は、数のほかにも、大きさもいいのが釣れました。


仕入れ部長が釣った31cmのかわはぎです。

城ヶ島沖では、なかなか見かけない30cm以上のかわはぎです。

ホントに今シーズンのかわはぎ釣りでは、仕入れ部長大活躍でした。

今週は、お昼のランチタイムにも、かわはぎの肝和えを使った献立を作ります。

ぜひ、ご賞味ください。

鯛の味

2011-02-04 14:04:51 | 旬の魚
今日は、真鯛のお話です。

写真の鯛は、1.3kgの茨城県産です。

鯛の美味しい大きさという話題も各所で出ますが、私は1kgちょっと~2,5kgくらいまでと思っています。

身のきめ細かさが、この位の大きさがいいですね。

大相撲の優勝力士がもっている物や選挙の当選祝いとして見かける大鯛は、見ては立派ですが、お刺身にするとあんまり美味しくは、ありません。
あと重要なのは、産地。内海と外海どちらが良いかといえば、内海ですね。

鯛の産地として有名な兵庫県明石や淡路島は、瀬戸内海ですし、関東では、横須賀や竹岡は、東京湾内です。

湾内や内海の魚は、餌などが豊か海域で、ふとっている魚が多いです。

ただこれだけの条件で判断もできません。

外海の魚でも、冬場に少し深い場所でとれる鯛は、美味しい魚もあります。

そのへんをうまく目利きできると、安くて美味しい魚をお出しできます。
今回は、茨城県産。
この所、釣りの世界でもひとつてんやの釣りで脚光を浴びているスポットでもあります。

確かに東京湾内の鯛よりは、少し脂っ気が薄い気がしますが、身はいい感じです。

この脂っ気ですが、少し薄いと言っても、天然の真鯛と養殖の真鯛ほどの味の違いがある訳ではありません。

お客様に○月になると○○の魚は、不味くなってしまうの?と質問された事があります。

今がいい時期の魚であれば、1ヶ月くらいしても猫またぎにはなりません。

産卵期や産卵後の関係がありますが産卵が絡んでなければ、急激な味の変化は普通ないと思っています。

釣りの場合は、個体を選べませんから、あまり美味しくない魚に出会ってしまうかもしれませんが、市場での仕入れの場合は、今までの経験をいかして、美味しい魚を仕入れるように、努力しています。

ということで、今回は、天然の真鯛をお安く召し上がって頂くチャンスです。

この位の大きさの鯛なら皮を引いても、皮付きでもどちらでも美味しく召し上がって頂けます。

ここのところ、ひらめ中心の白身の仕入れでしたが、たまには真鯛も美味しいですよ。