「何も分かっていないと正確な予言ができるが、問題が分かってくると疑問を持つようになり、予言できなくなる」とはゲーテの至言です。今こそ冷静に多様な主張に耳を傾けなければならないと思います。
アラスカ大学地球物理研究所の所長、元アラスカ大学国際北極圏研究センター所長(~2007)を努める赤祖父教授が学問的な立場から、政治的な温暖化問題に強い疑問を投げかけている書籍です。(米国上院議会でも証言)余りにも政治化してしまった地球温暖化についてアカデミックな立場から、冷静に反証を掲げて仮説としての「地球温暖化問題」の危うさを主張しています。欧米のメディアは「緑のハラキリ」と揶揄していたのをどのメディアも報道しませんでした。そもそもIPCCを立ち上げた英国は国民への原子力発電への賛意を引き出すという政治的な意図が背景にあったのです。
スパコンのシミュレーションに頼る気候物理学者はかつて18世紀に起きたと推定される小氷河期を無視しています。
シミュレーションモデルで採用された過去のデータから読み取れるにも拘らず、どのような条件を与えても再現できないのです。二酸化炭素が急激に増えたとされる1940-1975「地球は寒冷化する」と危機が叫ばれたこともありましたが、急激な温暖化は起こっていなくこの事象を再現できていません。長期的に小氷河期からの復帰現象だとすれば、意外に寒冷化に反転する可能性すらあります。一部の学者は太陽の活動周期の影響(寒冷化)を主張していますが、シミュレーションには織り込まれていません。著者は現在起きている温暖化の6分の5は自然変動で、CO2削減の効果は6分の1にしか過ぎない可能性が高い(仮説)と主張しています。
温暖化は1000年前(今と同じ)1万年前(今より暖かい)にもありました。中性の温暖化の時期にはアウカンジナビアやアイスランドの人々はグリーンランドに移住することができたのです。センセーショナルに報道された永久凍土の上に建てた家が倒壊したのは暖房をしたから...というオチがつきました。タメの証拠が多すぎたので、最近はあまり引用されなくなったと感じています。これこそ“不都合な真実”です。
IPCCには2つのグループがあります。一つが気候学者(自然科学)、もう一つが気象学者(著者が属する大気物理学者)であり、気象学者はIPCCの結論に対して疑問を持つ方も少なくありません。いずれの分野も細分化され、中々全体が見えないので総合研究が注目されていますが、著者は立場上多くの学者と接する機会が多い恵まれた立場にあることで広い視野に立つことができるとご自分でも述べられています。
懐疑者と否定されてしまうので自然学者は黙ってしまいます。北極海の氷河のコア解析、河川の凍結時期、農産物の収穫量など..。1600-1700年は現在よりも寒く、上図のようにテームズ川ではスケートができたことは広く知られています。ワシントンが独立戦争を率いている時期にデラウェア川は氷結していました。諏訪湖の御神渡の日は1700年以降直線的に遅くなっています。桜の満開時期も早くなっています。どうやら、1000年頃は暖かく、その後下がり続けて1700年頃から上昇に転じたと推定されます。木の年輪、グリーンランドの氷床、北大西洋の堆積物などからIPCCも紀元前500年-1000年は現在より暖かったことを認めています。IPCCの“現在の温暖化がかつてない異常”と言うのは言いすぎであるのは間違いありません。
最近の20年間のNASAの資料ではシベリア、アラスカ、カナダ(北極圏の陸地の大部分)の温暖化は消えてしまっています。逆に北極海氷の減少はシミュレーションよりも急速に進んでいます。推定原因としては北大西洋振動と呼ばれている自然現象。ベーリング海から大西洋の暖かい水が流れ込んでいることが確認されています。1900年代の温暖化に自然変動が含まれているのは間違いないと著者は主張しています。
過去100年間地球全体で温暖化が起きていることを否定する学者はいません。気候変動が起きているのは事実としても、地域によって一様に進むものではないというのが正しい表現なのです。
2015年6月2日の地球温暖化対策推進本部で安倍総理は次のように語っています。
「2030年度の温室効果ガスの排出量を26%削減する、国際的に遜色のない野心的な目標をまとめることができました。これは、無責任な、根拠なき『数字』ではなく、具体的な対策や技術の裏付けを伴うものであります」
同計画が温暖化ガス排出権の取引に頼らなくても対応を可能とするものであれば、結果的にエネルギー源の多様化を意味するので慶ぶべきかもしれません。今後注意深く見守りたいと思います。
アラスカ大学地球物理研究所の所長、元アラスカ大学国際北極圏研究センター所長(~2007)を努める赤祖父教授が学問的な立場から、政治的な温暖化問題に強い疑問を投げかけている書籍です。(米国上院議会でも証言)余りにも政治化してしまった地球温暖化についてアカデミックな立場から、冷静に反証を掲げて仮説としての「地球温暖化問題」の危うさを主張しています。欧米のメディアは「緑のハラキリ」と揶揄していたのをどのメディアも報道しませんでした。そもそもIPCCを立ち上げた英国は国民への原子力発電への賛意を引き出すという政治的な意図が背景にあったのです。
スパコンのシミュレーションに頼る気候物理学者はかつて18世紀に起きたと推定される小氷河期を無視しています。
シミュレーションモデルで採用された過去のデータから読み取れるにも拘らず、どのような条件を与えても再現できないのです。二酸化炭素が急激に増えたとされる1940-1975「地球は寒冷化する」と危機が叫ばれたこともありましたが、急激な温暖化は起こっていなくこの事象を再現できていません。長期的に小氷河期からの復帰現象だとすれば、意外に寒冷化に反転する可能性すらあります。一部の学者は太陽の活動周期の影響(寒冷化)を主張していますが、シミュレーションには織り込まれていません。著者は現在起きている温暖化の6分の5は自然変動で、CO2削減の効果は6分の1にしか過ぎない可能性が高い(仮説)と主張しています。
温暖化は1000年前(今と同じ)1万年前(今より暖かい)にもありました。中性の温暖化の時期にはアウカンジナビアやアイスランドの人々はグリーンランドに移住することができたのです。センセーショナルに報道された永久凍土の上に建てた家が倒壊したのは暖房をしたから...というオチがつきました。タメの証拠が多すぎたので、最近はあまり引用されなくなったと感じています。これこそ“不都合な真実”です。
IPCCには2つのグループがあります。一つが気候学者(自然科学)、もう一つが気象学者(著者が属する大気物理学者)であり、気象学者はIPCCの結論に対して疑問を持つ方も少なくありません。いずれの分野も細分化され、中々全体が見えないので総合研究が注目されていますが、著者は立場上多くの学者と接する機会が多い恵まれた立場にあることで広い視野に立つことができるとご自分でも述べられています。
懐疑者と否定されてしまうので自然学者は黙ってしまいます。北極海の氷河のコア解析、河川の凍結時期、農産物の収穫量など..。1600-1700年は現在よりも寒く、上図のようにテームズ川ではスケートができたことは広く知られています。ワシントンが独立戦争を率いている時期にデラウェア川は氷結していました。諏訪湖の御神渡の日は1700年以降直線的に遅くなっています。桜の満開時期も早くなっています。どうやら、1000年頃は暖かく、その後下がり続けて1700年頃から上昇に転じたと推定されます。木の年輪、グリーンランドの氷床、北大西洋の堆積物などからIPCCも紀元前500年-1000年は現在より暖かったことを認めています。IPCCの“現在の温暖化がかつてない異常”と言うのは言いすぎであるのは間違いありません。
最近の20年間のNASAの資料ではシベリア、アラスカ、カナダ(北極圏の陸地の大部分)の温暖化は消えてしまっています。逆に北極海氷の減少はシミュレーションよりも急速に進んでいます。推定原因としては北大西洋振動と呼ばれている自然現象。ベーリング海から大西洋の暖かい水が流れ込んでいることが確認されています。1900年代の温暖化に自然変動が含まれているのは間違いないと著者は主張しています。
過去100年間地球全体で温暖化が起きていることを否定する学者はいません。気候変動が起きているのは事実としても、地域によって一様に進むものではないというのが正しい表現なのです。
2015年6月2日の地球温暖化対策推進本部で安倍総理は次のように語っています。
「2030年度の温室効果ガスの排出量を26%削減する、国際的に遜色のない野心的な目標をまとめることができました。これは、無責任な、根拠なき『数字』ではなく、具体的な対策や技術の裏付けを伴うものであります」
同計画が温暖化ガス排出権の取引に頼らなくても対応を可能とするものであれば、結果的にエネルギー源の多様化を意味するので慶ぶべきかもしれません。今後注意深く見守りたいと思います。