四季の武蔵野

次第に失われつつある、武蔵野の「現在」を記憶に留めるため、このブログを開設しました。

井の頭恩賜公園(その1)

2008-04-27 21:04:10 | 武蔵野

武蔵野の象徴といえば井の頭恩賜公園。
ところで「恩賜」とは何でしょう。辞書を引くと、「天皇からいただくこと」とあります。つまりこの地はもともと天皇家の領地だったものを、下領していただいたものだということになります。

それは知りませんでした。そこで早速歴史を紐解いてみると、もともとこの辺り一帯は徳川家将軍が代々鷹狩を楽しんだ鷹場であり、井の頭の池は初代将軍徳川家康が休息するために訪れた地であることがわかりました。つまり元々は幕府直轄の領地であったわけであります。
そういえば三鷹の野崎には鷹場の跡地を示す標石がありますし、三鷹という地名自体が鷹場の存在を示しています。また井の頭池の東には「御茶の水」といわれる湧水があります。家康は鷹狩の帰りにこの地でお茶を点てて一時の涼をとったのでしょうね。

        


さてその後、井の頭池とその一帯の林は幕府御用林として保護されてきましたが、明治維新後は一旦東京府が買収し、その後宮内庁の御用林となりましたが1913年に皇室御領地から当時の東京市に下領されました。
井の頭恩賜公園の「恩賜」はこのときの事を表しているのですね。

今後このブログでも井の頭恩賜公園は度々取り上げる予定です。何といっても最も武蔵野らしさが残っている場所ですからね。

 


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