玉川上水ゆかりの作家といって、まず真っ先に思い当たるのが太宰治でしょう。
太宰治は青森県五所川原出身の昭和を代表する作家です。代表作には「斜陽」「人間失格」「走れメロス」など、有名どころが数多くあります。
小説にはあまり縁の無い人にも、一度は耳にしたことのある名前でしょう。
この太宰治が38歳の生涯を終えた場所がこの玉川上水なのです。
もともと太宰には自殺願望があったらしく、学生時代からたびたび心中事件を起していたようです。
その太宰が、愛人山崎富栄と上水に身を投げたのは昭和23年。当時の玉川上水は「人食い川」と呼ばれ、現在の穏やかな流れからは想像も出来ないような流れの激しい危険な川だったそうです。
小雨の降りしきる6月13日に三鷹で入水した太宰と富栄の遺体が、2キロも下流で発見されたのが6日後の6月19日。奇しくもこの日は、太宰の誕生日だったということでした。
現在太宰の入水の場所には、彼の故郷青森県北津軽郡の「玉鹿石」が、記念碑かわりに置かれています。