天愛元年

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新元号『天愛』元年にスタート

ティアナ

2021-08-13 14:54:10 | 日記

 夏の甲子園大会の第3日目が2日続きで順延されるほどの異常な梅雨のしつこさには参る。そういえば東京オリンピック閉幕の翌日に予定されていた同大会初日も、台風9号接近により10日に延期された。いくら気軽に楽しめるスポーツ物でも7月23日の東京五輪開会式からテレビ・新聞を席巻する連日熱狂の商売魂には辟易するので、豪雨災害の発生は止めてもらいたいけれど、高校野球の中休みは天の配剤とも言える。ただでさえ、今夜からプロ野球の後半戦も始まるのだから、その合間を縫って少しは現実も見直さなくてはならない。といっても、コロナしかないのが悲しい。
 いや、コロナ以外にも、日ハム・中田翔の暴行事件という、悲しい現実があった。プロ野球関係者は口を開けばすぐに、子供たちに見習ってほしいプレーとか、子供たちのお手本というけれど、実態は暴力といじめと金権差別のオンパレードではないかと疑われ兼ねない有名選手の不祥事である。恐らくは契約金の序列で物事が決まっていくむごたらしい世界なのだろう。日ハムと西武の2対2の電撃トレードが発表され、被害者と同じ20代の投手が含まれているから、苦悶の決定かと勘違いしたけれど、球団発表でないニュースによると、同一選手ではないらしい。経緯をはっきり公表しないと二次被害も起き兼ねないので、日ハムにはしっかりした対応をしてほしい。
 いくら余生を家でぷらぷらしながら過ごし、お上からはステイホームと言われ、見聞きする物といえば、期間中にテレビ、新聞を占拠した東京オリンピック競技だったのに、やっと終わっても何をいまさら後日談まで垂れ流すメディアに付き合わなければならないと飽き飽きしていたところ、オリンピック回想物で1つ目に付いたのが、夢と消えていたかもしれない金メダル奇譚である。
 男子110メートルハードルで金メダルを獲得したジャマイカのハンスル・パーチメント選手の陰には、心優しい救いの女神があったと報道されている。オリンピックスタジアムでの準決勝戦に出るためバスに乗ったものの、水泳競技会場に着いてしまった。乗り間違えに気が付いて、バス運行担当者にスタジアムに連れて行ってもらえるよう依頼したけれど断られて、大ピンチに陥った。藁にもすがる気持ちで大会スタッフのウエアを着ていた女性に、恐らく英語で声を掛けたところ、窮状を察してタクシーに乗れるお金を渡してくれた。お陰で、準決勝戦に間に合い、決勝戦で優勝することができた。パーチメント選手は感謝を伝えるため、後日その女性を探し出し、お礼と金メダル報告を行う動画が公開されている。その女性はティアナさんといって、髪の色は秋田小町や薩摩おごじょのような黒髪でなく、英語で対応し、容貌も明らかに西洋人風であった。最初に読んだ記事では出身国名が記していなかったけれど、別の記事では「金メダル選手を救った日本人女性」と書いてあって、当惑した。しかし、新横綱に昇進した照ノ富士が日本国籍を持っているので、別に不思議ではない。けれど、記事にするなら、その辺りのことについてティアナさん本人の言葉が欲しかった。親切な日本人といっても、最初のバス担当者は、あなたが間違った尻は拭えないと断ったのだから、全然釈然としなかった。




もみじの錦

2021-08-08 15:19:41 | 日記

 大迫傑とバスケット女子日本の金メダルが実現せず、最後のファンファーレは聞き損なったけれど、兎にも角にもオリンピックは閉幕した。隔月開催の大相撲だけが楽しみの年寄りにとって、スポーツにもいろんな物があると開催期間中、勉強させてもらった。
 そもそも、せっかく日本で開催するなら冥途の土産に一つなりとも、と申し込んだ入場チケットがことごとく外れ、去年の時点で五輪熱は完全に冷めた。クレー射撃や馬術、サーフィン、トランポリンなど、競争率の低そうなのを穴狙いで7つ8つ希望したけれど、馬券ではあるまいに、みんな蹴られた。その後、旅行会社が各種競技通し券何百万円といったふざけた企画品を売り出していたのを見て、何だこんな五輪組織委と業界団体の不正・腐敗構造のためにコケにされていたのかと、はらわたが煮えくり返った。その後コロナ騒動が起き、疫病神になりそうな五輪なんか止めてしまえと思った。自分たちの夢を壊さないでほしいと訴える代表選手には、お前らの為だけに世の中が回ってんじゃねえぞ、と吐き捨てた。
 でも、商売だからテレビも新聞も狂気の如く競技物語に席巻された。見たり読んだりする筋合いはないけれど、自然と目と耳に入り、横綱照ノ富士の土俵入りが楽しみな大相撲九月場所までの幕間つなぎに時間が潰せた。7月23日の開会から8月8日の閉幕まであっという間であった。加速度的に歳を取るのも早くなったけれど、オリンピックが終わるのも早かった。中国古代の詩に、「 歓楽極まりて哀情多し、 少壮幾時ぞ老いを奈何にせん』、とある。

夏ながら
椛も咲けり
リンクには
錦織りなす
外つ国の旗









初代戦士

2021-08-04 16:29:35 | 日記

 気象情報によると、熱中症警戒アラートが39都府県に出たとか。道が入ってなくて良かった。明日5日から4日連日札幌で五輪競歩とマラソンが開催される。このままの天気で進めば、文字通りのサバイバルゲームとなる。急遽、大陸から寒波が襲来してこないと、いくら頑健なオリンピアンでも、マラトンの戦地からアテネまで戦勝報告に駆け抜け息絶えた初代マラソン戦士のようになりかねない。
 体力の限界を試しているのは、何も五輪代表選手に限らない。我が家も室温が35度を超した。昼間っぱらからエアコンを掛けるのはSDGsの精神にそぐわないので、団扇を使うけれど、それでも暑さが老身にこたえる。競技時間を夜中に変更して、聖火で足下を照らしながら走る方が、菅首相の言う安心安全な大会になるのではないか。
 普段鍛えていない年寄りにとっては、散歩に出るのも命懸けである。林の木に止まる蝉の鳴き声が悲鳴に聞こえる。暇そうな蝉に、札幌マラソンの予想を聞いてみた。自宅療養者が多数出そうだと答えていた。

とまる蝉
鳴くも鳴かぬも
翅閉ぢて
冥土の関を
知るや知らぬや
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本歌:蝉丸(後撰集・雑一、百人一首)
これやこの 行くも帰るも 別れては
知るも知らぬも 逢坂の関
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 東京五輪卓球は伊藤美誠、石川佳純、平野美宇の団体女子が昨日、対香港チームとの準決勝を勝ち抜き、あす金メダルを懸け決勝戦に進出した。楽しみやな。ランク的には恐らく相手は中国。補欠の王曼昱が急遽、メンバー入りした虚を衝くしか勝ち目はなさそうだけれど、これがまたカモシカのように俊敏な選手だけに、戦力はアップしこそすれ、隙を窺ことができない。しかし、団体戦の1、2戦を見ていると、今回五輪初出場の平野の新鮮で活気に溢れたプレーが日本チームに活力を与えているように思える。美宇のハリケーン・パワーを気持ちよく引き出すことができれば、ひょっとして絶対王者・中国を倒す奇跡を生み出すことが、出来る気がしてきた。

美宇の打つ
球は鈴やか
その中に
輝く色は
黄金なるらむ

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人間ドック

2021-08-02 19:09:03 | 日記

 これから東京五輪卓球団体女子第2回戦が始まり、平野美宇の出番が再びやってくる。ハリケーンと恐れられる実力を最大限発揮してほしい。前回リオでは補欠として悔しい思いをし、髪を紫に染めるなど、一時”非行”に走ったこともあるが、やっと念願が叶ったのだから五輪2回分の活躍をするだろう。
 散歩の途次、林道に入ると、短パンの足首から棘に引っ掛かったような感覚があった。見ると、茶色の虫が這い上がって来ていた。さっき木にくっ付いていた蝉の抜け殻のようでもある。抜け殻にしては腰まで到達し、ウエストポーチに乗っかっているので、確かに動いている。シャツの胸の中に入り込みそうになったので、研究のため家に連れて帰るか迷った。しかし、ゴキブリの一種で、家中はびこっても困るので、棒切れで叩き落とした。セミの抜け殻といっても、死骸ではなく、殻の持ち主が入っていて、脱皮寸前の状態というものもあるのだろうか。昆虫の勉強など子供のころから興味がなく、バカの壁に取り囲まれているのでよく分からない。持って帰って脱皮する姿を発見しても良かったかも。
 人間ドックのため明日は検便をしなくてはならないので、見栄を張って散歩帰りにマグロの大トロをスーパーの夕方割引きで買った。本でなくメバチだけれどけっこう高い。きっと色好いのが生まれるだろう。

素足より
太股に掛け
這ひ上がる
いけない虫の
いづく潜らむ









白玉か

2021-08-01 16:33:16 | 日記

 伊勢物語第6段の「芥川」の条に、一緒になろうと無理やり連れ出してきた良家のお嬢さんが、土手の草叢にキラキラ光る物を見て、「あれは何ですか」と聞いたけれど、追手を巻くのに必死で「露です」なんて詰まらないことを教えなかった。逃げるうちにあばら家が見つかったので、そこを隠れ家にした。雷がバリバリ鳴る中、表を見張っているうちに、奥に匿ったその恋人が、一瞬の隙に鬼に食われて消えてしまった。それを嘆いて在原業平が作った歌が


白玉か何ぞと人の問ひし時 露と答へて消えなましものを

---だった。

 散歩道の畑の奥の方に、白い艶のある玉が光っているのが目に入った。畑で働いていたおばさんに、「あれは何ですか」と聞いた。瓢箪か、朝鮮朝顔くらいと思っていたのに、意外にも茄子だと言う。青紫か黒紫のしか知らなかったので、珍しくて、ぜひ写真を撮らせてくださいと断って、畦道を入り込んで写した。白磁器のように艷やかな白だった。味を尋ねると、普通のより柔らかいと言っていた。特別に珍しい物でなく、近所のスーパーでも売っているとの話だった。物知りは損である。知らないと、こんな物でも素人には新鮮な驚きを与えてくれる。

白玉を
茄子と答ふる
おうな有り
知らねば宝
知ればそれのみ