天愛元年

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新元号『天愛』元年にスタート

阿諛

2020-02-25 18:40:19 | 日記

 まだ季節上は冬ながら暖かい日が続くけれど、世間に吹く風は新型コロナウイルスを伴い、例年になく冷たい。伊東温泉に浸かりながら河津桜を見物する計画は取り止めた。大阪・鶴橋の焼肉で精を付けがてら、年寄りの最大の楽しみである大阪春場所を観戦しようと、今回は張り切って2日分のチケットを購入したけれど、99%行かない決心を固めた。相撲協会の方も尾車事業部長が「無観客にするのか中止にするのか、そのまま開催するのかをこれから決めていきたい」と弱気を吐いているので、決死の覚悟で行こうとしても行けない可能性が出てきた。
 仕方なく、たそがれて散歩に出ても、女子中学生のセーラー服の胸元にちらっと眼をやったくらいで、エロ爺と罵られ、俯かなくてはならない。男子には擦れ違いざま、禿爺ィと揶揄されても、肩を竦めて言い返せない。ファイティング・ポーズを取ろうにも、その前に株式相場を画面で見て、虎の子の老後資金が食い荒らされ、心が折れ切って拳が上がるはずがない。例外的に元気がいいのは米オープン戦2戦目でホームランをかっ飛ばした前DeNAの筒香嘉智選手くらいである。
 だから、もう信念もへったくれもない。トランプ米大統領が株式市場は心配するな、俺に任せろと言ってくださっている。

★President Trump tweets, "Stock Market starting to look very good to me," after the stock market had its worst day in 2 years due to fears over the impact of COVID-19.(MSNBS)

 民主党のバーニー・サンダース応援団日本支部長の私は、常々は大統領閣下の悪口ばかり言っているくせに、こんなに打ちひしがれている時には、藁にもすがる気持ちになって、直ぐ媚びたメールを送った。

☆You are our last resort, or the trump card.

 自分ながら、節を曲げ過ぎて嫌になる。

老いぬれば
こころ衰へ
気は立たず
権におもねり
富者にへつらふ


氷解

2020-02-25 08:44:48 | 日記

 NYダウが前週末比1031ドル安の2万7960ドルと、新型コロナウイルスの影響を深刻に受け止めて大下落した。アメリカがくしゃみをすれば日本は風邪を引く、の伝で行くと、日経平均は3000~5000円安が予想される。エライこっちゃ。命より大事なカネの面で言うと、私も重篤感染者になってしまう。きょう感染対策本部を開いて基本方針を決める、なんてのんびりしたことを言うているから、手遅れになってしまった。中身が「なるべく人混みを避けなさい」程度なら、歯止めが掛からなくなる危険性がある。内閣の賞味期限が切れている気がする。
 中国が全人代の開催延期を決めても、日本政府は習近平国家主席の国賓招請に変更はないと言っているなら、勝手にやればいいけれど、謁見行事は除外してもらいたい。政治家の替えはあっても天皇の替えはないので、君子は感染の危うきに近寄らず、の配慮をすべきである。
 けさ未明に何十年来解けなかった謎が不意に氷解した。時というのは時計が刻むものだから、時計回りに進むものと思い込んでいた。だからスポーツ中継や海外旅行の際に気になる日本との時差が、欧州でだいたい8時間、米国だと東西の位置や季節によって3-4時間の変動があるけれどざっくり11時間、というのが不思議でならなかった。時計の方向に地球が進んでいけば、日本の次にアメリカが来て、次に大西洋を挟んで欧州がついてくる。なぜ、米国より後ろから来る欧州との時差の方が短いのか、感覚的に頭に入ってこなかった。人に聞くのも恥ずかしく、そういう習慣なのだからと、何も考えずに諦めていた。
 夜中に尿意で目が覚めて、ラジオをつけるとダウの暴落を伝えていた。そのまま聞いていると、ずうっと昔の殺人事件被害者の親族の方が無念を振り返っていた。まだ犯人が検挙できないまま事件と向き合う心の葛藤をインタビューアーに伝えていた。そして、スクールバスを待つ児童多数を殺傷した最近の事件に話題が及んだ。その犯人が現場で自分も刺して死んだことに対し、ネットに「死にたければ一人で死ねばいいのに」との投稿があったそうである。別の人が、そんなことを言うものでないと諫めると、大勢から非難が起きネットが炎上したという。ここでその親族の方が殺人事件の被害者側の立場から、勇を鼓して「一人で死ね」と言うべきでないとネットに訴え、大きな反響を呼んだという。この辺りで、話についていけずにラジオを切った。どちらかと言えば、個人の悩みに他人を巻き込むなという意味で「一人で死ね」派なので、その菩薩か解脱したような寛容さが消化し切れなかった。どうした心境なのかと想像しているうちに、またトイレに行きたくなって、用を足しているうちにハッと、地球は時計回りと反対の左回りに進むと考えればいいのだと思い付いた。これで日本の次に欧州が来て、最後にアメリカの順になると解明でき、トイレを立ってスッキリした。

時計では
解けぬ謎をば
逆さにし
喜び束の間
株は左前



蹶起

2020-02-24 16:52:53 | 日記

 米大統領選に向けて民主党のバーニー・サンダースさんが下馬評を覆し、序盤戦3州予備選・集会で地滑り的勝利を挙げた。サンダース氏はテキサス州オースティンでの蹶起集会で、この勢いに弾みを付けようと次のように支持を呼び掛けた。
★We won the popular vote in Iowa, we won the New Hampshire primary and we won the Nevada caucuses. Let's keep up the momentum! Join us live in Austin:

 私は一言、次のメールを送った。
☆The momentum is bouncing also into Japan and all over the world.

あこぎなる
富者に寄り添ふ
まつりごと
正す算段
危ぶむなかれ


土俵

2020-02-24 07:55:10 | 日記
 イスラエルが日本への渡航中止勧告かあ。日本滞在者の入国も禁止して、全面断絶措置とは、内国民の感覚を遥かに上回って、外からは危険な国と見られているのだなあ。杉原千畝の国と言っても、映画や芝居を作るときだけの記憶で、現実は過去の挿話の一つに過ぎないものな。てな感傷に浸ってられなくて、現実に立ち返ると、せっかく楽しみにしていた本場中国卓球選手の日本練習拠点の話もこの調子では立ち消えになりそうやな。日本政府衛生当局および医療専門家による新型肺炎感染対策のハンドリングのこれまでの実績を勘案すると、お家芸の大事な選手を預けたいとは思わなくなるのではないか。卓球ファンなら垂涎の機会を逃しそうで、うーんとしか言葉が出ない。ただ、今朝の東の空を眺めたら、穏やかな朝焼けが広がっていて、ああ、新型コロナウィルスによる災厄も落ち着いていきそうやな、という予感がした。株でも為替でもけっこう予想を外すことが多いのが玉に瑕ではある。
 でも予想がたまには当たることもある。卓球の張本智和と伊藤美誠がハンガリー・オープンで揃ってシングルスで優勝という快挙を遂げた。まあ、ファンなら大方の人が期待し、予想した結果なので当たっても自慢にならないけれど、コロナに打ちひしがれる日本人の気持ちを明るくした。バドミントンのようなとんでもない事故が起きては大変なので、一行が帰国してもくれぐれも感染させないよう守ってあげる必要がある。今や、そんな第三者目線で物が言える状況ではなく、他人の事どころか、こっちも懸からないよう生き延びるのに必死の事態に曝されている。今の人材に任せてまだ対策が有効なのか、もう手遅れで等しく感染を待つのみなのか。ある程度に広まれば、おとなしそうな人、賢そうな人、シニカルな人、権勢を誇った人もパニックに襲われ、ウクライナのような無秩序を招来しそうである。「正しく恐れよ」の掛け声が医療崩壊を避ける看板だけに止まっているうちはまだマシだけれど、病院や医療従事者が菌から逃げ回っているうちに、感染率が国民の一割を超え、30%から50%辺りまで来てから、もっと早く「正しく恐れ」た方が良かったのかなと悔いることのないよう、土俵に残っているうちに踏ん張ってもらいたいものである。

おのがじし
つかさ司に
己が身を
護りて後の
共倒れかな







細見

2020-02-23 11:04:12 | 日記

 石川佳純・平野美宇ペアがハンガリー・オープンで期待通り優勝し、誠に喜ばしい。この頃の暗い世相に明かりを灯す快挙である。卓球王国の中国有力者が参戦していなかったものの、これでホップの弾みがついて、3月の世界選手権(釜山)でステップを踏み、7月の東京五輪で金にジャンプする道筋が整ったと言える。ただし、計画通り開催できればの話であるけれど、、、。

 いつ感染して抵抗力を無くした老体を蝕むかもしれない世相であるだけに、刹那的にも明るい話題に酔いたい。『大江戸の飯と酒と女』(安藤優一郎著、朝日新聞出版)はタイトルだけでも気分が浮き立つ。さすがに憲法改正とやらに狂奔する謹厳実直、公正無私、李下に冠を正さない怪しげな安倍政権に逆らう新聞社系のジャーナリスティックな視点である。また桜を見る会の季節が近づき、エライヤッチャ、えらいやっちゃとお陰詣りのように意味もなく踊りまくりたい気分の時、格好の話題を提供してくれている。凡そ200年前の江戸後期にも、ハチャメチャな大飯食い・大酒飲み大会のブームが起きたそうである。私も老いてますます休肝日が作れずに困っているけれど、73歳にもなって五升入りのドンブリ鉢で1杯半(一升瓶7.5本!)を飲んだという天堀屋七右衛門さんの逸話を聞かされると、我がヘナチョコぶりに情けなくなる。
 食べ物の話題では、江戸だけに蕎麦、寿司、天麩羅の隆盛話も面白いけれど、牛肉は欧化した明治になってのすき焼きからだろうと思っていたのに、意外や、江戸中期に彦根藩井伊家から将軍や幕閣に牛肉の味噌漬けを付け届けしていたそうである。それが今に残る近江牛ブランドの発祥だそうな。やはり地方特有の産物が賑わう多様性社会が人間生活を潤すなあ。
 江戸の潤いと言えば、何を外しても吉原。伝達手段として瓦版を想像する江戸時代にもシティヘブンのような風俗情報誌が実はあったそうで、『吉原細見』という遊女紹介読本がベストセラーとなっていた。だけでは詰まらない話であるけれど、これを創刊したのが蔦屋重三郎だったのである。ネット宅配レンタルのTSUTAYAとの関係は知らないけれど、浮世絵の喜多川歌麿の作品を世に出したといえば必ず出てくる出版元の名前である。風俗情報誌編集長だけでは歴史に名を留めなかっただろうに、これで稼いで人脈を築き、西洋も見張る日本文化を隆盛にした功績は大きい。
 この後にお待ちかねの遊女や飯盛女、出会い茶屋などの話に進むけれど、言うことを聞かない文部事務次官を尾行して地位を逐うくらい風俗に対する取り締まりが厳しい清廉潔白な安倍政権下では、いつでっち上げの微罪で処罰を食らうかもしれないので、ここら辺でお終い。
 
飯と酒
憂さ晴らしたき
暗き世に
女で敵逐ふ
桜のおとど