天愛元年

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新元号『天愛』元年にスタート

春日

2020-03-17 15:31:58 | 日記

 正体不明のコロナ禍が世界中に吹き荒れているかと思うと、東京株式市場も疾風怒濤の春の嵐が襲ったようだった。あまりの一瞬の突風だっただけに砂埃が目に入ってよく分からなかったけれど、確か午前10時台に前日比555円高まで急騰した。NYダウが史上最大の3000ドル近い暴落の直後にしては変なつむじ風だった。結局嵐が収まった後の引け値は9円49銭高か。日銀のETF買いなどの公的資金に巻き込まれて、空の旅は激しく揺れたけれど、無事ソフトランディングできるか、まだまだ険しい航路が待ち受けていそうである。
 今日は気圧配置が安定したのか、昨日のような台風に近い春の嵐が吹かず、穏やかな春日和である。
うらうらに 照れる春日に 雲雀あがり
こころ悲しも 独りしおもへば
 万葉集第4292番(巻の第19最終歌)の大伴家持のうたごころが偲ばれる一日である。この前2番も秀歌揃いである。
 春の野に 霞たなびき うらがなし
 この夕影に うぐいす鳴くも (第4290番)
 わが屋戸の いささ群竹(むらたけ) 吹く風の
 音のかそけき この夕べかも (第4291番)

 かそけき音を装いながら凶悪な影が忍び寄ることがある。とにかく新型コロナウイルス感染拡大を警戒して自宅待機か外出禁止、国境封鎖、渡航禁止、集会禁止、パブ閉鎖など人の活動を制限し、景気を圧縮する世の中である。人の利用が止まれば企業の存在理由がなくなる。ぼつぼつ店を閉じるところが出始めるであろう。中でも空運、海運への打撃が酷そうである。何社か近いうち倒れるのではないか。自身でも以前、実際に空運で株券が紙くずになった経験がある。あの苦い思いは二度としたくない。当然、旅行業関連は開店休業状態が想像できるだけに危険極まりない。紙、食品、医薬品、一部サービスなどが特需で潤っているし、電力・ガスなどライフラインに情報通信関連も最低限の需要がある一方、製造業は全般に苦しいはずである。よくこんな地雷、魚雷、爆弾が潜む中、企業株式を買おうとするベンチャー精神が凄いし、結局はこうした方々が最終的に巨万の富を得るのだと思う。成功を祈る。
 科学技術の目覚ましい発展とか医学の驚異的な進歩という割には、感染防止に手洗いの励行くらいしか知恵が浮かばないのだから脱力する。それは一つの手だろうけれど、そんなに目を三角にして言うことなのか。外出―帰宅だけが生活ではない。感染しなくても食べなければ死ぬのだから、物を介する一般流通は避けられない。コロナ菌は3-4日は生き延びるというのだから、食品自体や包装を通じていくらでも家庭に侵入してくる。毒物混入事件がよく起きたけれど、知らず知らずにか故意にか、陽性の人が食品や包装、流通に携われば、自宅待機や外出禁止にかかわりなく、コロナ菌が拡散してしまう。私などは極力焼いたり煮たりするけれど、刺し身もたまには食べたい。米産ステーキが231円で売っていたので、罹っても負けない体力を付けるため焼いて食べたけれど、調理の度に手洗いをする面倒は厭った。部屋中アルコール消毒噴霧すれば安全といった知見は専門家から示されず、ひたすら手洗いだけでは、科学知識の現代も、念仏を唱えれば救われるといった平安、鎌倉時代の宗教とそんなに変わりはない。
 無事を唱えて救われたのは大相撲である。びくびくしながら待った千代丸の検査結果も異変はなく、十日目の取組が予定通り進んでいる。これまで奪われると、年寄りは何を楽しみに生きていけばよいのか。連続平幕優勝を目指して、碧山のミラクルに期待したい。

のどけくも
足音かそけく
忍び寄る
春のうつうつ
いかに和めむ





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