背投げ

大相撲春場所10日目は、大関を狙う貴景勝が横綱鶴竜を正面からぶつかって押し勝つ力で下し、大関の実力に文句がないことを示した。恐ろしきは大横綱白鵬で、前日の栃煌山戦に続き、きょうの玉鷲戦でも背中を取られながらもすっと体をかわして突き落とし、全勝を守った。もう、鬼神もこれを避けるほどの神業の域に達している。相撲協会はこれを受け緊急理事会を開き、相撲の決まり手４８手に加え、新たに『背中おびき出し投げ』を４９手目の技に認定した。
しかし、きょうの一番は取組そのものよりも、腰の重い錦木を寄り切って今場所９連敗のあと初白星を挙げ、感極まった正代の涙が最高のハイライトだった。人生連敗続きでまだ１勝も挙げられない我々にとって力強いエールとなった。
火の国に　見目好く強き　力士あり
祖母の名正代　一茶これにあり