天愛元年

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新元号『天愛』元年にスタート

日召

2020-05-10 11:50:40 | 日記
 『絶対に来ないでください!』『年内一杯休業』『自粛警察の方に見付かったら困ります』ーと、玄関左右の貼り紙に大書して、居酒屋は営業してください。赤提灯に灯を点けても構いません。入口を薄く開け、焼き物の煙を出すのも良いでしょう。~知事からのお願いです。
ーふーん、さばけた県もあるんやなあ。

 コロナ菌が飛び交って物情騒然としている。マスクを10回くらい洗濯していると、洗剤によって目詰まりを起こすのか、息がしにくくなる。普通のガーゼマスクが自然とサージカルマスクに進化してくれているのだったら文句は言えない。死に至る病と知りながら、感染の疑い、自覚のある人も病院が寄せ付けないわ、検査は拒否するわのうちに、国家の医療制度に見捨てられたまま、新型コロナウイルス肺炎のため息が詰まり七転八倒しながら、お亡くなりになった方が多数いると伝えられる。国そのものが脳梗塞を起こしているなら、治療が必要である。鬱々、散歩すると、ご近所の庭の花が緋に燃えていた。思わず井上日召先生の言行録(『一人一殺』)が読みたくなった。

★政友会と民政党と二大政党が対立して、交互に政権を獲得していたが、どちらが内閣を組織しても、政治はちっともうまくゆかなかった。それは、彼らが党利党略を考えるほかに、少しも国利民福をはからなかったからである。彼らは国民大衆の生活を犠牲にして財閥に奉仕した。そうすることによって、自家の権益を擁護し得たからである。
★政友会は三井財閥に、民政党は三菱財閥にそれぞれ結托して、もっぱら財閥本位の政治を行っていたことは、当時の有識者の常識であった。だからあの不況時代にもかかわらず、財閥は年とともに富んでいったのである。これに反して、国民大衆は失業と薄給と重税に虐なまれて、月とともに疲弊し困憊していった。
★かかる政治の腐敗に対して、国民の一部にはその非を鳴らす声があがったが、多数国民は政党に騙され踊らされて、選挙といえば政友会か民政党に無批判な一票を投じていた。政治家自体にいたっては、露ほども反省する色はなかったのである。
★財閥は国家艱難・社会疲弊の元凶であった。明治以来築いてきた彼らの巨大な資本力は、全日本の産業経済・金融財政の実権を掌握し、国民大衆の労働力を搾って、安く作った品物を逆に高く売りつけて、飽くなき利潤追求にふけってきた。そこで、労働者がまず悲鳴をあげ、ついで農民が窮乏し、やがてこれら庶民階級を華客とする中小商工業者が、勤労階級の購買力欠乏と大資本閥の資本攻勢との挟撃に没落衰微をよぎなくされた。とりわけ、東北地方の農民は、経済圧迫に加えるに、連年の天災に禍されて悲惨のドン底にあった。
★都市という都市には労働争議が頻発し、あらゆる農村に小作争議を見た。これぞ資本主義に誘発された社会主義の跳梁である。国民の多くは赤化思想にかぶれ、共産党の宣伝に乗って国体破壊を企てる者すら現れた。また、前途希望なき人生を送りつつあった国民大衆の間に、頽廃的な風潮を醸成し、エロ・グロ・ナンセンス等々と、三千年来の良俗美風はまさに地に堕ちんとしていた。
★このような時に当たって、国民の師表たるべき学者・宗教家・思想家たちは、支配階級の非道を責める気魄なく、かえって彼らに阿付し、彼らの頤使に甘んじて、いたずら御用論を説いて廻る始末であった。ジャーナリズム・言論界もまた揆を一にした。
→→ふん、ふん。大正から昭和にかけての話とも思えない臨場感がある。
 安倍内閣支持率が41.7%(共同通信)と高位安定の結果が出た。昭和初期と民衆意識の様相が変わっていないような気がする。人気の秘訣として、首相にはトンカツの味がある。衣はこんがり旨そうであるけれど、中にどんな肉を使っているかみえにくい。本物の豚を使っているか確かめるため急いで頬張ると、あんな人たちに負けないと口走ってしまうくらい、カッと舌が熱くなることがある。二度漬けは禁止かと聞くと、それは串揚げのことだから、意味のない質問だよ、とサクサクしているところがよく似ている。
 ♯ああ人栄え国亡ぶ 盲たる民世に踊る♪ーなんて時世にならないことを祈りたい。
 
末の世も
本に変はらず
波騒ぐ
上は傲りて
民もをこなり