【本紹介】子育てに悩むママ必読、優しい気持ちになれる1冊をご紹介 | キャリア | マイナビニュース
「サラダ記念日」の著者での歌人の俵万智さんと言えば、女性なら誰でも1句は思い浮かぶことでしょう。そのくらい短歌を現代に根づかせた功績のある俵さんです。
そして私生活ではシングルマザー。もしも子育てに悩んだり、かわいい我が子に手を上げてしまいそうな時こそ、ぜひ俵さんの「生まれてバンザイ」(童話屋)を声にだして読んでください。
生まれてきたことはうれしいこと
「バンザイの姿勢で 眠り入る吾子(あこ)よ そうだバンザイ 生まれてバンザイ」俵さんはシングルママ。おそらく出産を決めるまでには、葛藤があったはずです。
しかし生まれ出て眠る我が子が「生まれてバンザイ」の姿勢をとっていることで、励まされ、母としての自信がでたことと思います。新生児は何故かバンザイで眠りますね。そう、生まれてよかったのです。
育児が辛いと「この子は本当に生まれてきてよかったのかしら?私なんかがママでいいのかしら?」と悩むことがあります。しかし子どもは「バンザイ」なのです。
どんなママでもママはママで大好きでいてくれます。ママの子でバンザイ!そう声なく語ってくれる眠る子どもの姿を、今ひとたび思いだしてみてください。
子育てに自信が少しわくはずです。
家族にも感謝できる
「おむつ替え おっぱいをやり 寝かせ抱く 母が私にしてくれたこと」普段は実感しませんが、実は私たちママもかつては赤ちゃんでした。そして今は年老いたり、仲たがいをしたり、頼りにならない、などとも思ってしまう母に生活の全て、命までも預けてきました。
赤ちゃんとの生活は単調ですし、気楽にコーヒー一杯飲みに行けない生活です。しかしそれも成長という順番。私たちもそうして大きくなりました。またこの赤ちゃんが親になる時に同じように愛を伝えて育つことでしょう。
自然と自分の家族、そのつながりのかけがえのなさに感謝しますね。
子どもも個人
「私から生まれ 私に似ているが 私ではない 私のむすこ」子どもが大きくなるにつれて、自己主張もしますし、口も達者になり「個」として認めてほしいという欲求も生まれます。
ですから、ママは子どもを「私ではない」と自覚しなければなりません。日常でも子どもは親の言うことを聞けない時があって当然、「私ではない私の子ども」と余裕を持って接してみてはどうでしょうか?
私自身、幼稚園に通う息子がいますが、周囲は習い事ブーム。私も「ピアノは?サッカーは?英語は?」と息子に勧めてみましたが、「何もやらない。どこにも行きたくない。ママと一緒にいたいよ」と言われて、目が覚めました。
子育ては一瞬
「アルバムに 去年の夏を見ておりぬ この赤ん坊はもう どこにもいない」真新しいアルバムでも子どもの成長には追い付きません。去年まで歩けなかった子が歩き、走り、話せなかった子が話し、歌う。
,子育てという時間は天から与えられた「見直し時間」だと私は思います。子どもがいるから、食に気をつける、自分の健康にも気を配る、環境について考える、政治に意見を持つ・・・。
それまで仕事とプライベートに多忙で見えなかった物事が、子どもがいるということで見ないままでは過ごせなくなりました。しかし、この子育ての時間は一瞬です。
親は一生親ですが、「子どもを育てる」時間に関して言えば、ほんの短い時間でしょう。高校生ともなれば、親よりも多大な影響を与えるものが周囲にたくさんあるはずです。
だからなお、ママはこの時間を楽しみ感謝し過ごした方が温かな毎日になると思います。「自分の時間 ほしくないかと問われれば 自分の時間を この子と過ごす」
比べないで マイペース
「母さんは いつもいつでもビリだった ビリにはビリに見える 青空」子育ては決して比べるものではありません。子どもにそれぞれの良さがあるように、ママにもそれぞれの良さがあります。
人としての経験と感性に裏打ちされた「良さ」は誰かの真似ではありません。それぞれに「青空」は見えるはずです。
もしも子育てに疲れたり、上手くいかなくて自信を失ったら俵万智さんの「生まれてバンザイ」をぜひ手にとってみてください。正解なんてないんだよ、と語りかけてくれるはずです。
(文中の引用短歌はすべて「生まれてバンザイ」(童話屋)より)
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