ひゃっかんのひとりごと

日常生活の中で感じた事を、防備録の代わりに徒然に。

モーツァルトの音楽

2006-10-21 | 音楽
よくモーツァルトの音楽は『音楽療法』に向いていると言われるが、さる研究で
「1kHz~2kHz」付近に音が集中しているので、α波が出やすくなると言われている。
果たして本当にそうなのか?世の中には「1kHz~2kHz」付近に音が集中している曲
など山ほどあるし、その全てが同じ効果があるのだろうか?
私が思うに、モーツァルトの音楽はもの凄く単純明快に出来ている。基本的にハー
モニーは「ド・ミ・ソ/ファ・ラ・ド/ソ・シ・レ」の単純カデンツ(これを語る
にはグレゴリオ聖歌から書かないとならないので省略)の繰り返しにしか過ぎな
い。そしてほんの時々ここぞと言う場面にだけ属七と呼ばれる「ソ・シ・レ・
ファ」を使っている。
倍音列はドの音を鳴らせば、自然にソとミは強く聴こえる。つまり単純カデンツは
自然界に存在する倍音(通常の人間の可聴範囲)を並べただけにしか過ぎない。

J.S.バッハは晩年は頭脳が先行してしまい、現在の12音階にまで手を出してしま
い、世間からそっぽを向かれてしまったが、その息子のC.P.E.バッハ等はモーツァ
ルトよりも遥かに複雑な和音を使用しているし、モーツァルトと同時代の作曲家以
降の作曲家は(或はバロック時代の作曲家でも)もっと複雑なハーモニーを用いて
いる。
またモーツァルトの作品には長調の曲が圧倒的に多い。短調の曲でも最終的には長
調で終了する曲が多い。モーツァルトにとって短調は自然界(可聴範囲での倍音
列)に存在しないハーモニーであるからこそ、滅多に使わなかったのではないだろ
うか。
そうモーツァルトの音楽が療法に向いているのは、「単純」だからなのだと思う。そ
して自然の摂理に反していないからこそ、人の心に染み入るのではないだろうか。

モーツァルトを研究している人や音教心理学を専門にしている人には、腹を抱えて
笑う位珍説かもしれないが、私は本気でそう思っている。

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3 コメント

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Unknown (mig)
2006-10-21 19:16:54
私のブログにコメントありがとうございます。トラックバックさせていただきました。

確かにモーツァルトの音楽は単純ですね。前にラジオである演奏家が「単純なだけに演奏するのが難しい」と言っていたのを覚えています。

私見ですが、モーツァルトの曲はみんな人生を肯定しているような気がします。私はクラシックは素人ですが、ベートーヴェンなどは「苦悩」などが曲の中にある気がして、重苦しくて聞きません。

私の中ではモーツァルトは「禁断の劇薬」なので、あまりにも鬱がひどくてどうしようもない時だけ力を借りて、鬱が治ってきたら自分の好きな曲を聴くようにしています。
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Unknown (ひゃっかん)
2006-10-21 19:17:23
mig様



トラバ有り難うございました。

トンでも珍説ですが(苦笑)、永年音楽に携わって来たものとしては、そういう風にしか考えられません。
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Unknown (ひゃっかん)
2006-10-21 19:27:06
私も職業音楽家の頃は、モーツァルトの音楽は苦手と言うより難しく思いました。表面上のテクニックは大した事はないのですが、音楽を表現する上での細かいテクニック(音色の微妙な変化やニュアンスを変えたりするテクニックです)をもの凄く要求されますので、出来れば避けて通りたい曲ではありました。

私も何もしたくない時は、モーツァルトの後期の作品を良く聴きます。特にピアノ協奏曲の23

番イ長調K.488とかはお気に入りです。

鬱病が強く出ている時は映像は厳しいので、オペラを見たいのですが、実演でない限り無理ですね。
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