horitaakioのgooブログ

88歳の老人ですけれど、天寿の続く限り頑張って見たいと思います

十二月十四日

2001-12-14 16:52:00 | 日記
これは二ヶ月に一度の我家の行事なのだ。
老妻と連れ立って自転車を十五分ばかり漕いで銀行まで年金をおろしに行くわけ。滅多に街中に出ない私はついでに郵便局と文具屋に寄って、妻と別れて(離婚じゃないよ)一足さきに帰ってきた。

道中、日が照ったり翳ったり、南国でもやはりこの時期は寒い。自転車がこんなに重い乗り物だとは! いや全く歳は争えないものだ。

ぐったりして机の前にへたりこんで気がついた。今日は12月14日、世間では四十七士の討ち入りの日として知られているが、実は亡き母の祥月命日なのだ。不信心の親不孝者がこの日付をおぼえているのも義士のおかげなのだが、さて何年に何歳で亡くなったのかとなると、これがまた記憶はおぼろげである。

殊勝にも座を立って、別の部屋の棚に(申し訳ないが我家に仏壇はない)母の遺影を見に行く。額に裏書がしてあるから確かめてみるためなのだ。若かりし日の僕の筆跡。
       昭和四十三年十二月十四日歿  享年七十三歳

晩年糖尿を患って殆ど失明、心筋梗塞で逝ってしまったのだが、僕の中ではかなり高齢まで生きたという記憶があるのに、何と現在の僕より若くして亡くなっていたのだ。
よぼよぼ乍ら生き長らえている己の身を思うことしばし。

因みにその隣に立ててある父の額の裏書はこうだ。 
      昭和四十四年二月十九日歿     享年八十歳

母が亡くなってから三ヶ月で逝ってしまったのだ。父の葬儀のおり親戚の或る婆様がこういったのが未だ脳裡に焼き付いている。 
 「つんのうで、はってかしたない」   天草弁で「連れ立って行ってしまわれたねぇ」