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JZS155クラウン アライメント調整

2011-07-27 | アライメント関係
JZS155 クラウンセダン
先回の記事でちょこっとだけ登場したクルマは、JZS155クラウンセダンRoyalsaloonでした。
心臓部に最後の直6、3Lの2JZを搭載し、足回りは前後ダブルウイッシュボーン。そして極めつけはフェンダミラーというなかなかイカした仕様であります^^ もちろん?私のではなくて、兄が購入した車です。彼は長年クラウンに憧れていたようですが、意外にも安価で手中に収めることになったようです(笑)これもネットのおかげですね。これの後継となる現行クラウンセダンはコンフォートベースの「"車軸懸架"クラウン」ですし、6気筒エンジンもありません。ある意味ではこのJZS155が最後のクラウンセダンとも言えるかもしれません。

で、そんなクラウンのアライメント調整をしてみた話。
「ハンドルセンターが若干ズレている」というのがオーナー主張の主な不具合ですが…こういう“若干ズレてる”とかっていうのは中々難しいんですよね。路面の傾きや個人の感性にもよるし、ましてやしかもこんなフワフワサス&ダルダルステアリングのクルマ…なーんて言っても始まりませんのでまあできる範囲でやってみましょう。

実はこのクラウンは前後ともトー/キャンバの調整が可能で、アライメント調整のし甲斐のあるクルマです。この頃のトヨタのFRセダンはみんな似た感じのサスペンションなので他のクルマも同じなのかな?
ただし…ちょっと覗き込んでみたところそれぞれアジャストボルトの向きがバッチリ揃っていて、どうもこれは
動かした形跡なし。
せっかく調整機構が備わっていようと、使わないんじゃ意味ありませんよね。今回はきっちり全箇所動かしちゃいました。

まずは測定…と行きたいところですがその前に、タイロッドエンドブーツが破れていますので調整前に交換しておきます。先日受けた車検で見落とされたのかその後破れたのかわかりませんが、幸いにも早期発見のようなので内部に損傷はなさそう。これならブーツ交換だけでOKです。
使用したブーツは大野ゴムのDC-2522です。純正はブーツだけの部品って出るんでしょうか?トヨタのパーツカタログは手元にないのでよくわかりませんが、このブーツはMADE IN JAPANで高品質と思いますし、1個300円程度で買えました^o^
念のため2個用意しましたが右には交換暦があるようでまだキレイだったので今回は左だけ交換。
そうそう、このブーツは針金留めなので交換は簡単ですが、別途針金が要ります。


タイロッドエンドプーラーで取り外しブーツ交換完了

さてさて、今回からデジタルゲージを使ってキャンバ測定しているため、トーと同時に測定できるようになったことは先日の記事の通りです。実はこのことがこのクルマの場合とっても大きな意味を持ちます(詳しくは後述)。
フロントトーはそれほどズレていないものの、リヤトーにかなり左右差がある(左IN0.4°程度,右ほぼゼロ)ため左に流れそうに思えますがそれなりにまっすぐは走るとのこと。実は、キャンバにも左右差があって(左が前後とも0.0°程度,右が前後とも0.5°程度)、なんだかこれで謎のバランスが取れていたようです^o^;
ちなみにこのクルマ、つい先日車検場で継続検査を受けていますので、もちろんサイドスリップも合格しています。


とりあえず4輪とも測ってみるゲージのとりつけが面倒なので改善検討中。。

調整はリヤから行っていきますが、この形式だとトーとキャンバを独立に調整することができません
もちろんどんな形式でもそれぞれお互いに微妙に影響を及ぼすのですが…この形式では2本のロアアーム(No.1,No.2 サスペンションアーム)がほとんど平行にレイアウトされており、これのメンバー側にアジャストボルトがあります。この場合どちらのロッドを動かしてもトー/キャンバ共に大きく動くことになります。また、今回トヨタ車のアジャストボルトをはじめて触りましたが、すごく大胆に動きます。調整代が大きいのは良いのですが、ちょっとまわすとトーもキャンバも盛大に動きますので慣れが必要です。そんなわけでこのクルマの調整にはトーとキャンバの同時測定が必須となります。これを見越してデジタルアングルゲージを買ったわけではないのですが、結果的に助かりました。
サービスマニュアルにはこれらの調整に参考にするためのグラフが載っていますが、なんだか暗号のようで…ちょっと頭が混乱してしまいます(笑)私としては普通に測定しながら調整したほうがやりやすかったです。
何とかやっていくうちに慣れてきて、最終的にはキャンバ:-0.5°程度,トー:IN 0.25°程度で調整できました。


ロアアーム平面視暗号指令文?


各アーム調整中…前から見るとこんな感じ

続いてフロント。
こちらもロアアームのメンバー側のアジャストボルトでキャンバを調整できるようになっています。
こちらもタイロッドとほぼ平行なリンクですのでトー・キャンバを同時に調整していきます。
キャンバ:-0.5°程度,トー:IN 0.1°程度としておきました。


Fロアアームの調整調整後(画像使い回し)

と、こんな感じで測定・調整を行いました。
調整後の試走は毎回それなりにドキドキするものですが、ハンドルセンターが合っていることを確認してホッとひと息(^o^)
今回トヨタ車のセダンを初めて触りましたが、いろいろと勉強になりました。ジャッキアップ・ダウンさせたとき、ストロークに伴うトレッド変化が非常に少ないことも印象的でした。

…ところで、(ゼロクラウン以前の)クラウンといえば静粛性と特有のフワフワな乗り心地が特徴ですが、クルマの下にもぐって色々見ていると各部のブッシュの使い方などに徹底して乗り心地を重視する姿勢が垣間見えて面白いです。
でもこの辺りの話は長くなりそうなので、またいつか。
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