貧しく汚れた心の内が、ドッと噴き出す魔の時間

チェブちゃん、なんて可愛いの

 

週に何日か満員電車に揺られでハー、東京サはだらぎに行っでまス。

朝の通勤ラッシュの凄まじさで有名な路線を利用しているため、ただ電車に乗るだけで、毎回寿命が１０㎝ずつくらい縮む思いをしております。

いつもは読書に没頭することで満員電車のストレスをなんとかやり過ごしているのですが、たまに本を忘れてしまうと大変なことになります。

本は無い、ケータイはキライだから見ない、目の届く範囲の中吊りもひととおり眺め終われば、もう何もすることがない。

 

そこからが無間地獄です。

 

気を紛らわせてくれるものがなくなった途端、満員電車につきもののちょっとした不快事に、私の狭い心が反応しまくってしまうからです。

押すな・踏むなは言うに及ばず、後ろのオッサンの鼻息が耳に吹きかかってキモチ悪い、車内アナウンスがうるさい、デカいバッグは肩からおろせ等々、自分を取り巻く他人に対する文句と罵言が、あたかも電光掲示板のテロップのごとく、次から次へと間断なく脳内スクリーンを横切ってゆくのです。こんな風に。

 

もしもし、そこのご婦人。老眼なのはわかりますが、顔から本までがいささか遠すぎやしませんか。もう少し両者間の距離を縮めて、省スペースを心がけていただきたいものです。アナタだけの満員電車ではないのですから。それと、本のカドにちょっと当たったくらいで、そんな悪鬼のごとき形相でにらみつけるのはやめてください。本を持った腕をそれだけ遠慮無く伸ばしてりゃ、そりゃ当たりもするだろうさ。当たらいでか。去れ、鬼。車内アナウンス、ウルサい。おい、左の男。こっちをチラ見しながらケータイの角度を変えて、「ひとのケータイ画面見るな」アピールするのはやめてくれ。見とらんわ、お前のくされケータイなんか。見られるのがいやなら、そもそもケータイ開くなっちゅーの。バカが。車内アナウンス、ウルサいって。ねえねえ、そこに座っているお嬢さん。さっきからものスゴい執念深さででマスカラを塗り続けてますけど、いくらなんでも盛りすぎですよ。この際ハッキリ言いましょう。マスカラを何万回塗り重ねようとも、アンタのブスには変化ナシ！マスカラの無駄づかいは、今すぐやめるがよい。こら、斜め前の太ったデブ。ケータイの開閉が激しすぎるだろう。何度も何度も何度も何度も、開けたり閉じたり開けたり閉じたり、開けたり閉じたり開けたり閉じたり。いい加減にせんか！ケータイを閉じるときの、その独特の音が癇に障るんじゃ。そしてまたその独特の音の擬音語が思いつかなくて、イライラするんじゃ。しかもオマエは、鼻息が荒い！あ゛ー、車内アナウンス、うるさい！忘れ物をするバカには、忘れさせておけばいいのだ。ぎゃー、揺れる～！！その吊り革をよこせ！…おー、あぶなかった。急ブレーキはほどほどに。オイオイ、ドアそばの女子。さっきから思ってたけど、アンタ香水つけすぎ。ク・サ・イ！やい、車内アナウンス、こういうことこそ注意したらどうなんだ。ホラ、さっきの揺れで私の右後ろによろめき流れてきたオッサン！人の耳元でガムをグチャグチャ噛むんじゃないよ。ちょっと正面！顔がデカい！

 

などと、しまいにはなんら落ち度の無いひとの、本人の努力ではいかんともしがたい部分にまで因縁をつけてしまう、ドス黒い心の持ち主。

 

それが私です。