
たんぽぽ舎より転載します。
┏┓
┗■1.パブコメを書こう その1 川内原発を襲う火山の恐怖
| 「科学的に安全だから動かす、という説明は明らかに間違いだ」
| 「新たな安全神話を作り出すことになる」と藤井会長は言い切った
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
川内原発の規制基準適合に伴う審査書がパブリックコメントにかけられている。
締め切りは8月15日と、迫っているので参考になるとても良い資料を紹介する。
記者はいつも良い記事を書いてくれる、東洋経済の岡田、中村両記者。
東洋経済「規制委の火山リスク認識には誤りがある」
http://toyokeizai.net/articles/print/44828
川内原発審査の問題4.藤井敏嗣・東京大学名誉教授
(中村 稔、岡田 広行:東洋経済 編集局記者)
○ 東洋経済オンラインで公表されている、藤井敏嗣火山噴火予知連絡会会長のインタビュー記事である。規制委員会の火山リスクに対する認識と川内原発の危険性について厳しく指摘をしている。
多くの火山学者が川内原発のリスクを過小評価する規制委員会と九電に批判をしている。
「科学的に安全だから動かす、という説明は明らかに間違いだ」「新たな安全神話を作り出すことになる」と藤井会長は言い切った。
○ ところが田中俊一規制委員長は5月28日の参議院原子力問題特別委員会で「数年前に(噴火が)分かるのが望ましい。きちんとモニタリングして判断していく努力は是非とも必要。火山噴火予知連絡会の方とも協力しながら、規制委として(予知を)リードしていく」などと、再稼働への条件にはなり得ない「未来の予知技術開発」というSFで基準を満たす根拠とした。
有り体に言えば「科学を無視した暴走」である。
○ 原発の安全性は「工学的に」示されなければならない。炉心損傷を起こせば、いずれ建屋は崩壊し、大量の放射能放出になるから、格納容器は確実に防護しなければならない。
それを踏まえて火山に対しての工学的安全性とは、迫り来る数百度の火砕流にも耐えられる建屋構造と、人が全部逃げた後も自律的に、少なくても一週間は炉心と使用済燃料プールの冷却を電源無しで行うほどの能力が備えられていることだと考えられる。
およそ地球上でこの条件を満たすと思われる原発は存在しない。敢えて捜せば原子力潜水艦は、いざというときに潜ることで回避可能であろう。海底火山噴火に巻き込まれなければだが。
結局、そんな能力を持たない川内原発については「運転期間中には火山噴火に襲われない」ことにするしかない。これは科学とは無縁な「希望的観測」に過ぎない。
○ 相手が科学を放棄している以上、再稼働を認めるか否かは「政治や社会が決めること」(藤井会長)である。そうなれば、中心テーマは「人格権」「環境権」対「経済的利益」に他ならない。福井地裁の判決どおりだ。
ところが規制委員会は「科学的・技術的意見に限定」と、ふざけたことを言い出した。自らの審査が科学的にもデタラメ、技術的に荒唐無稽なのを棚に上げて。
そこで、まず火山、この点を最初に提起しておく。
私たちは、なにがしかの金と引き替えに、命と命をはぐくむ土地を売り渡して良いのかと、問われているのである。
◎パブリックコメントの場所は下記の通り
http://www.nsr.go.jp/public_comment/bosyu140716.html
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┗■1.パブコメを書こう その1 川内原発を襲う火山の恐怖
| 「科学的に安全だから動かす、という説明は明らかに間違いだ」
| 「新たな安全神話を作り出すことになる」と藤井会長は言い切った
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
川内原発の規制基準適合に伴う審査書がパブリックコメントにかけられている。
締め切りは8月15日と、迫っているので参考になるとても良い資料を紹介する。
記者はいつも良い記事を書いてくれる、東洋経済の岡田、中村両記者。
東洋経済「規制委の火山リスク認識には誤りがある」
http://toyokeizai.net/articles/print/44828
川内原発審査の問題4.藤井敏嗣・東京大学名誉教授
(中村 稔、岡田 広行:東洋経済 編集局記者)
○ 東洋経済オンラインで公表されている、藤井敏嗣火山噴火予知連絡会会長のインタビュー記事である。規制委員会の火山リスクに対する認識と川内原発の危険性について厳しく指摘をしている。
多くの火山学者が川内原発のリスクを過小評価する規制委員会と九電に批判をしている。
「科学的に安全だから動かす、という説明は明らかに間違いだ」「新たな安全神話を作り出すことになる」と藤井会長は言い切った。
○ ところが田中俊一規制委員長は5月28日の参議院原子力問題特別委員会で「数年前に(噴火が)分かるのが望ましい。きちんとモニタリングして判断していく努力は是非とも必要。火山噴火予知連絡会の方とも協力しながら、規制委として(予知を)リードしていく」などと、再稼働への条件にはなり得ない「未来の予知技術開発」というSFで基準を満たす根拠とした。
有り体に言えば「科学を無視した暴走」である。
○ 原発の安全性は「工学的に」示されなければならない。炉心損傷を起こせば、いずれ建屋は崩壊し、大量の放射能放出になるから、格納容器は確実に防護しなければならない。
それを踏まえて火山に対しての工学的安全性とは、迫り来る数百度の火砕流にも耐えられる建屋構造と、人が全部逃げた後も自律的に、少なくても一週間は炉心と使用済燃料プールの冷却を電源無しで行うほどの能力が備えられていることだと考えられる。
およそ地球上でこの条件を満たすと思われる原発は存在しない。敢えて捜せば原子力潜水艦は、いざというときに潜ることで回避可能であろう。海底火山噴火に巻き込まれなければだが。
結局、そんな能力を持たない川内原発については「運転期間中には火山噴火に襲われない」ことにするしかない。これは科学とは無縁な「希望的観測」に過ぎない。
○ 相手が科学を放棄している以上、再稼働を認めるか否かは「政治や社会が決めること」(藤井会長)である。そうなれば、中心テーマは「人格権」「環境権」対「経済的利益」に他ならない。福井地裁の判決どおりだ。
ところが規制委員会は「科学的・技術的意見に限定」と、ふざけたことを言い出した。自らの審査が科学的にもデタラメ、技術的に荒唐無稽なのを棚に上げて。
そこで、まず火山、この点を最初に提起しておく。
私たちは、なにがしかの金と引き替えに、命と命をはぐくむ土地を売り渡して良いのかと、問われているのである。
◎パブリックコメントの場所は下記の通り
http://www.nsr.go.jp/public_comment/bosyu140716.html