ジーンズに殺される？

 

『美月デート行こう！』

「えっ今から？（午後3時です）何処へ？」

『ふたりでイチャイチャできる所』

「此処しかないじゃないの…」

『ずっとベッドの中だと

アレしかヤルことないみたいだろう？

それとも、ずっとその方がいいの？』

「そんなことないけど

裸で抱き合える時は温もりを感じていたい」

『花の写真を撮りに行きたいんだ

誘惑しないで早く服を着ておいで…

それとも着替え手伝って欲しいの？』

「結構です！」

 

頑張った私を甘やかすために

数日間滞在してくれてる彼

この間ほとんど纏うだけの

ラフな室内着で過ごしていたから

久しぶりの外出です‥

あらっ？このジーンズきつくなった？

マズい、また！太ってしまったのかしら？

いえいえ、きっと気のせいです

うしろから、すっと抱きしめられて

『ほんとに手伝う？』

「もう終った…」

『残念・・さぁ行こう、お嬢さん』

シースルーのお花を草の上で

寝転がって見上げながらキスをする

『少しだけ隠してもらおうね‥』

世界で一番幸せな私たちを

ソラも風も大地も海も遠慮しながら

囁いてくれる（良かったね）って

自然の発光する輝きの中で

力の限り抱きしめてくれる愛を

全身で受け止めて幸せ一杯のトキ

彼の手がＴシャツの下からスルリと入り

描くように指でなぞる

重なった唇から洩れる吐息が甘くなり

荒々しくもどかしげに下へおりてゆく

『美月、ジーンズがきつくて脱がせられない…』

「親しき仲にも礼儀ありって知らないの？」

『だって、ホントに無理…どうやってはいたの』

 

やはり気のせいでは無かったのです

自覚してしまったら何も喉を通らず

少しでも口にしてしまうと苦しくて

「うっ‥ジーンズに殺されそう…」と

泣きべそをかく私に必死で笑いをこらえる彼

『大丈夫、少しポッチャリした方が抱き心地がいい』

「お願い脱がして殺される‥」

大爆笑を繰り返しながら運転をする彼

笑い事ではないと泣きべその私

バカップルですね…

それにしても、またダイエット…？

女って愛する人のために努力を重ねる

強い生物ですよね

『ストレスだろうから俺のせいだね(笑)』

「・・・」

『プっ…美月、食っちゃいたい(笑)』

ヒドイでしょう傷心の私に

追い打ちをかけるごとく次々と

「もう今日は一人で寝てね

ベッドが狭いでしょうから私はソファーで寝る」

『プっ‥笑わさないでくれよ頼むから

とりあえず早く帰って脱がしてあげるよ』

 

天高く 美月肥ゆる秋…（泣）

 

 

 

 

 

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切ない不倫の恋．☆。:*・°

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