『お見舞いにアレが欲しいな』
彼から奇妙なメールが届きました‥
これは何かの暗号なのかしら？
それとも誰か別の女性と
間違えて送信してきたのかしら？
いずれにしても私から返信出来ないので
しばらく放っておきました‥
『美月、胸のアップを写メで送って』
三週間以上経ってやっと届いたメールが
コレですか？？？
お変わりなくお元気そうで何よりです
ハイハイ私は胸だけで活きておりますので
胸以外に取柄はございませんからね
私の苦悩の日々を返してって
声に出して叫びたい衝動を抑えて
「どうせなら生でいかがですか？」
皮肉たっぷり返信したら速攻で
『やった！いつごろ来られるの？』
「あの～もしもし？
私が会いに行ってしまっても
大丈夫なのですか？
病室で私の胸に顔を埋められますか？」
『裸にする！GWに来てね待ってるから』
？？？？？？？？？
メールってどうしても言葉が繋がらない
自分で打っているうちに
何が言いたいの？わたし？
のような状況に陥るのです
同様に何を言っているの？この人は？とも
ですが‥
なぜか彼の策略にはまってしまったような
やっぱり彼は遠隔操作が出来るのです
ところで‥
どんな理由で行ったら良いのかしら？
ただでさえ忙しい日々なのに
でも、そういえば
隠れ家にも風を通しておかなくてはならないし
片付けにも行かなくてはならないし‥
「嬉しそうですね良い知らせでしたか？」
いけない、新人研修中でした
そうですか‥
やっぱり嬉しそうでしたか‥
私が他の女性よりも誇れるのは
素直な愛情表現が出来るところだと思います
「風に舞う桜の花弁が綺麗だったからね」
コツンと机を叩いてから
解答用紙を配布しました…
頭の中は ピンク一色に染まって
着ていく服や彼の温度を思い出して
終始笑顔の午後の講義でした
「春のソラは変わりやすいから
覚悟して待っていてね‥」
『やっと来てくれるんだね
鍛えて待ってるから、楽しみにね』
彼は病室で何をする気なのでしょう
そして何を鍛えると言っているのでしょう
少しだけ不安が過りますが
あくまでも、お見舞いですからね…
自分自身に何度も言い聞かせて
久しぶりの心からの笑顔で
彼の温かな優しさに包まれました
まだ三週間以上先のお話しですが（笑）