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HONEY FM 82.2 ブログ

兵庫県三田市にあるラジオ局HONEY FMのブログ。周波数は82.2MHzです。

春牡丹と「ツリーハウス」

2013-05-04 12:57:00 | 鳥飼美紀
サウンドブランチ 鳥飼美紀です。
今日の放送でもお話しました牡丹の花です。
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お隣の庭に咲いているのを3本いただきました。
花からなのか葉からなのか、とても良い香りを漂わせています。
3本とも満開になったらそれはそれはゴージャズでしょう~。
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」でしたよね?
美女の佇まいを花にたとえた言葉ですが、どの花も清楚でありながら華やか・・・そんな女性になりたかった・・(過去形です((笑))
では、今週の1冊。
「ツリーハウス」 角田光代 文春文庫
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角田さんの作品はやはり、「八日目の蝉」が印象的ですね。
映画化もされ、私はラストシーンで号泣してしまいました。
人の心の深いところを描ききることのできる、力のある作家だと思います。
この作品は軽いタイトルに騙されて気軽に読み始めたのですが、やはり角田光代です、親子三世代の出来事をたどりながら家族のルーツを見つめていきます。
物語には現在という横軸と、戦前から現在へという縦軸のふたつの流れがあり、ラストにはその二つの軸が交わりますが、だからといってなにかビックリするような結末になるわけではないのが、逆に心に沁みる理由かもしれません。
読みながら心の中が泣き笑い状態になっていくような気がしました。
強くても弱くても、どうにかして生きて行かなければならないのが人生、いや、もしかしたら弱い方が強いのかもしれない・・・そんな気さえしてくる読み応えのある1冊です。
さて、来週のサウンドブランチ、5月7日(火)~12日(日)まで梅田芸術劇場シアタードラマシティで上演される「ヘンリー四世」の観劇レポートを予定しております。
坂桃李くんですよ どうぞお楽しみに♪

月イチゴルフ&今週の1冊

2013-04-27 12:14:00 | 鳥飼美紀
サウンドブランチ 鳥飼美紀です。
今日からGW、遠出の予定のない私はゆっくりのんびり過ごすつもりですが、
リスナーの皆さんはきっとパワフルに活動されるのでしょうね~
さて、久々の月イチゴルフです。
太平洋クラブ 宝塚コースに行ってきました!http://www.taiheiyoclub.co.jp/course/takarazuka/index.html
有馬コースは何度かラウンドしたことがありますが、宝塚コースは初めて。
重厚な雰囲気のクラブハウスに少しばかり圧倒されました。
コースはゆるやかな起伏があり、各コースが変化に富んでいて飽きません。
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山の上に位置するので、この日は風が強くとても寒かったです。
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そんな中、池の中からとても人懐こい鴨ちゃんたちが・・・
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グングンこちらに向かって泳いできます(笑)
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もしかしたら餌をもらえると勘違いしたのかもしれませんが、とても可愛かったです!
ゴルフではいろいろな動物たちと出会えるので、それも楽しみの一つです。
それでは今週の1冊です。
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「模倣の殺意」 中町信 創元推理文庫
この本は、複数の出版社から題名を変えて発行されているそうです。
まずは1971年に「そして死が訪れる」という題で江戸川乱歩賞の最終選考まで残り、
翌年「小説推理」に「模倣の殺意」として短期連載され、
その後、「新人賞殺人事件」と題名を変え双葉社より出版、
2004年に創元推理文庫からふたたび「模倣の殺意」として出版されたそうです。
著者や出版社のいろいろな思惑があったのでしょうが・・・ややこしいですね(笑)
同じ本を2冊買ったファンもいたのではないでしょうか。
物語は、一人の作家が服毒自殺した場面から始まり、
彼にはその後、盗作の疑いがかけられます。
作家は盗作を恥じて自殺したのか、それとも殺されたのか・・・・
真実を二人の人間が別々の方向から探っていきます。
推理小説というと、私の中の定説は「最も犯人らしくない人が犯人だ」というものです。
この作品も、結果的には私の推理どおりではありましたが、
「えっ!」と「はぁ~?」が入り混じった面白いトリックが隠されています。
これを早々に見破られる人はほとんどいないと思いますよ。
ぜひご一読くださいませ
では、今日から始まるGW、楽しくお過ごしください!

「正義のセ」

2013-04-13 12:06:00 | 鳥飼美紀
土曜日「サウンドブランチ」の鳥飼美紀です。
先日、『レトリバー』という犬の雑誌を買いに書店に行ったところ、あれもこれもと欲しい本が見つかり、宅配サービスをしてもらうほど購入してしまいました。
書店にこんなサービスがあるとますます際限なく本を買ってしまいそうですね。
その日選んだ本の中にあったのが今週の1冊・・(・というか3冊?)
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「正義のセ」 1・2・3 阿川佐和子 角川書店
ご存知「TVタックル」「佐和子の朝」やベストセラー「聞く力」の阿川佐和子さんの小説です。
「小説 野性時代」に連載されたものが単行本になったそうです。
阿川さんの作品は、檀ふみさんとの共著エッセイや小説「スープオペラ」などを読んでいますが、なんと今回は3巻もの!
主人公は下町の豆腐屋の長女、凜々子。
小さい頃から真面目で正義感が強く、その性格のまんま、検事と言う職業につきます。
同期生のスキャンダルあり、失恋あり、仕事での失敗ありと色々な出来事にもまれながら成長していく凜々子。
3巻あっても飽きさせません。阿川さんすっごく巧い!
そして背景描写として、検察という組織のしくみなどもわかりやすく描かれてあるので興味深いですよ。
凜々子を陰になり日向になり支えてくれる同期の神蔵守のキャラが、最初は凜々子と同じくうっとおしく思っていましたが、なんだか3巻目に入ると、その強引さやあつかましさを「いい人だな~」なんて思えてくるから不思議です。
事件を扱う時の緊張感とドタバタに近いプライベートのギャップがメリハリになっていいのかもしれません。
“正義のまっしぐら検事、凜々子”の活躍っぷりをどうぞ楽しんでください!
さて、来週20日(土)の「サウンドブランチ」は放送がお休みとなります。
再来週27日(土)の放送、「演劇ミシュラン」のコーナーは、中井貴一主演の「趣味の部屋」の観劇レポートです。
どうぞ、お楽しみに♪

今週の1冊「センス入門」

2013-04-06 12:31:00 | 鳥飼美紀
土曜日サウンドブランチの鳥飼美紀です。
春の嵐にも負けず、なんとか桜ちゃんたち頑張ってくれているようですね。
放送でもお話しましたが、平谷川の桜並木を傘をさして歩いている方がたくさんいらっしゃいました。風雨で散る前に観ておきたい・・と言う気持ちは皆さん同じなのですね~。私もカメラにおさめました。
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道にはかなり花びらが落ちていますが、この感じなら来週末にもお花見が
できそうですね。ホッとしました。
さて、今週の1冊です。
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「センス入門」 松浦弥太郎著 筑摩書房
センスの良い人・・・とはどんな人のことを言うのでしょう?
私は、「丁寧な生活をしている人」がセンスの良い人だと思っています。
この本を読んで、その思いは確信に変わりました。
やはり、センスの良い人は人生を丁寧に生きている人なのです。
私自身はセンスのセの字もない人間なので、センスの良い人にずっと憧れていました。
ですから、書店でこの本を見つけた時はとても嬉しくなり、読んだだけでセンスが良くなったような気分になりましたが、そんなはずはなく・・・・(笑)、何事も積み重ねですから。
「お店に入ってすぐに商品の値段を見て判断をしたらダメですよ」というくだりは耳が痛いです。
そういえば、洋服を選んでいて少し気に入ったものがあると、まず値札を見ていました。
買えそうな値段なら広げてみて、鏡の前であててみて・・・という順序でした。
「値段で判断してはいけない」、ということは大切なことだと思います。
この本の著者、松浦弥太郎さんは雑誌「暮しの手帖」の現在の編集長だそうです。
まだ20代の頃、この雑誌をよく読んでいました。昔から「丁寧な生活」に憧れていたのだと思います。
(読んでいただけで、ちっとも丁寧な生活は実現していませんが・・・)
懐かしくなって約30年ぶり(?)に「暮しの手帖」を買ってみました!
表紙の手触りとか、カラー写真が多く感じたりとか昔とはやはり違いますが、記事を見ていると、やはり醸し出す雰囲気が「丁寧」で「素敵」です。
「すてきなあなたに」というエッセイのコーナーは大好きでしたし、そのタイトルの文字は昔のまま!
これから毎号買おうかな・・と思ってしまいました。
そして、雑誌の創始者(というのでしょうか?)の花森安治さんも有名な方でしたが、現編集長である松浦弥太郎さんも現在注目されている人のようで「100の基本 松浦弥太郎のベーシックノート」という本も書店の平台にありました。
1日に1ページずつ読んで心に刻んでいくとセンスの良い人になれそうなことが書かれてあります。
買っただけで安心しないで、しっかり身につけたいと思います。
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「センス入門」「100の基本」、どちらもこの春に社会に出たばかりの人に是非読んでいただきたい本です。

とんび

2013-03-23 12:35:00 | 鳥飼美紀
サウンドブランチの鳥飼美紀です。
今週の演劇BOXで観劇レポートをおおくりした「ホロヴィッツとの対話」、大阪城の近くにあるシアターBRAVA!で31日まで上演中です。
三谷幸喜の海外芸術家シリーズの新作・・・といっても堂々のコメディですよ。
番組でもお話しましたが、初舞台挑戦の和久井映見ちゃんが最高です。
ぜひご覧いただきたい、鳥飼イチオシの作品です。
さて、今週の1冊は・・・
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「とんび」 重松清 角川文庫
この春までTBS日曜劇場で放送されたドラマ「とんび」の原作です。
ドラマを見て毎週泣いていた私ですが、この原作を読んでも泣けました。
昭和37年からはじまる親と子の物語・・・
トラックの運転手だったヤスさんが一目ぼれした美佐子さんと結婚してアキラという子が生まれます。
照れ屋のヤスさんとやさしい美佐子さんと可愛いアキラの3人の幸せな生活は長くは続きません。
ある日、アキラをかばって美佐子さんが亡くなってしまいます。
残されたヤスさんとアキラの二人だけの生活・・・寂しいけれど不幸ではありません。それは二人のまわりには暖かいご近所さんや幼馴染がいたからです。
みんなに支えられて見守られてアキラは大きくなり・・・その間におこる色々なエピソードが感動を与えてくれます。
確かに昭和の時代にはこんなこと普通にあったなぁ・・と思います。
私も小さい頃、母に叱られたときなど、よくご近所さんに庇ってもらいました。
懐かしい昭和の匂いが甦る1冊です。ドラマを見ていた方も是非あの感動をもう一度味わってみませんか?