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HONEY FM 82.2 ブログ

兵庫県三田市にあるラジオ局HONEY FMのブログ。周波数は82.2MHzです。

今週は3冊!

2013-11-02 12:24:00 | 鳥飼美紀
サウンドブランチ 鳥飼美紀です。
2週間のご無沙汰でしたが、その間にすっかり秋も深まり、霧のかかる日もチラホラ。
同じ現象でも、春のものを「霞」、秋のものを「霧」、そして夜の霧を「朧」というそうですね。
日本語の表現はやはりきめ細かく、美しいですね。
さて今週の1冊ですが、実は3冊あります。
共通点は、海外在住の日本女性のエッセイということ。
まずは、イタリアで暮らすお二人。
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☆ 日本人へ 危機からの脱出編 塩野七生著 文春新書
塩野女史、この人が我が国のリーダーだったらと想像するだけでワクワクします。
何故なら、強く、賢く、冷静な心の持ち主であり、そして、女性だから・・・(笑)
そろそろ、男性には任せられなくなっていませんか?今の日本。
彼女の代表作は、「ローマ人の物語全15巻」で、ローマの興亡を冷静な筆致で表現し、
読む者に深い感慨を与えてくれましたが、そのために調べ上げたローマの歴史をもとに
現代の日本人に何らかのヒントを与えてくれるのでは?と思って読みたい本です。
現在のイタリア社会の出来事も興味深く感じられますよ。
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☆ カテリーナの旅支度 内田洋子著 集英社
この方もイタリアに30年以上暮らし、エッセイや翻訳本などを書かれています。
以前、「イタリアの引き出し」というエッセイ集をご紹介しましたが、今回のエッセイ集も
ひとつひとつのエッセイがまるで短編小説のように洗練されていて読みごたえがあります。
情景描写が細かく、まるで自分の目の前で繰り広げられているお話のように思えます。
さて、最後は癒し系ブログ本の第2弾!
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☆ ぼくのともだち ションソン祥子著 新潮社
9月21日のブログでご紹介した「ことばはいらない」の第2弾です。
前作から少しさかのぼって、一茶くんが生まれてからの写真が中心。
今回はお母さんである祥子さんのコメントが多めで、コラムも収録。
生まれたての一茶くんにとまどうマルの表情がとても愛おしく感じます。
最初は「どうしよう・・」と思っているマルだけど、だんだん二人(1匹とひとり)の距離が近くなって、
かけがえのないともだちになっていく様子に、ほのぼの感が漂い、癒されます。
わたくし、メロメロになりました(笑)
ずーっと見守っていきたい一茶くんとマルちゃんです。
以上、今週は2週間ぶりなので3冊まとめてご紹介しました。

今週の1冊「流星ひとつ」

2013-10-19 12:14:00 | 鳥飼美紀
サウンドブランチ 鳥飼美紀です。
昨日の夜、早いようですが電気ストーブを出しました。
急に寒くなりましたね~風邪などひいていらっしゃいませんか?
今日の放送、演劇ミシュランのコーナーは「鉈切り丸」の話題でした。
26日まで大阪市のオリックス劇場で上演中です。
いのうえひでのり演出ということで全体的に劇団☆新感線の匂いが・・・
シェイクスピアの「リチャード三世」を日本の鎌倉時代に置き換えた作品で、極悪非道の王様リチャードを源頼朝・義経の異母兄弟である範頼という人物に置き換えています。
ほんとうの範頼はけっして悪人ではなく、どちらかというと頼朝を助けて頑張ったのに、謀反の疑いで幽閉され、殺害されてしまったらしい・・・どちらかというと悲運の人のようです。
それをこの「鉈切り丸」では、血も涙もないどころか、まるで野獣のように描かれています。
恐ろしく、切なく、やりきれない・・・とても感動という言葉からは遠い物語ではありますが、見ごたえはたっぷり、キャストも魅力的ですので、ぜひ劇場まで足を運んでみてくださいね~。
さて、今週の1冊は
「流星ひとつ」 沢木耕太郎著 新潮社
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この夏亡くなった藤圭子さんへのインタビューを本にしたものです。
1979年の秋、28歳の彼女が歌手を引退すると発表した直後のインタビュー。
余計な説明や情景描写は全くなく、二人の会話だけというユニークな表現方法。
ホテルのバーでお酒を飲みながら、最初は投げやりな感じのする彼女も、ウォッカトニックのグラスを重ねるうち、著者に心を許し引退までのありのままを語り始めます。
印象的だったのは、彼女はその時まで「一度も流れ星を見たことがない」というくだり。
説明は難しいのですが、この一言で「ほんとうの藤圭子」を感じ取れたような気がしました。
それから亡くなるまでの30数年の間に彼女は流れ星を見ることができたのか、聞いてみたい。
まるで流星のように消えた、美しい演歌歌手をまるごと感じられる1冊です。
ぜひ読んでみてください。
放送のエンディングで言い忘れましたが、来週10月26日(土)のサウンドブランチ、
わたくし鳥飼美紀は都合によりお休みさせていただきます。
ピンチヒッターはいつものように戸川崇さんが登場してくれるはずです。お楽しみに♪

今週の1冊「首のたるみが気になるの」

2013-10-12 12:02:00 | 鳥飼美紀
サウンドブランチ 鳥飼美紀です。
サザンの復活ライブがすべて終わり、燃え尽き症候群気味の私です。
真夏の間休んでいたウォーキングをそろそろ再開しなくては・・・と思いつつ、ダラダラ毎日を過ごしております(笑)
・・ですが、この秋は観たいお芝居が目白押し!
先週の「かもめ」から始まって、「鉈切り丸」「ムサシ」「ロスト・イン・ヨンカーズ」、年末には2度目の「ライオンキング」が待っています。
「演劇ミシュラン」での観劇レポートをお楽しみに・・・♪
さて、今週の1冊は、私の同世代におすすめ。
「首のたるみが気になるの」 ノーラ・エフロン著 阿川佐和子訳 集英社
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ノーラ・エフロンというのは映画「めぐり逢えたら」や「ユー・ガット・メール」の監督で、ホワイトハウスのインターンやニューヨーク・ポストの記者の経験があり、この本は2006年に発行されアメリカで大ベストセラーになったそうです。
阿川佐和子さんは翻訳の依頼を受けたものの、ご本人曰く「怠けて」いるうちに、ノーラが急性白血病で2012年に亡くなってしまい、とても後悔しています。
日本での翻訳本が話題になったあかつきには、お得意の対談をしたかった・・と。
読んでみると実に面白い。
「老いていく自分」にすごくジタバタしてみたり、開き直ってみたり。
特に76ページからの「見えない、読めない、どこにもない」の章は抱腹絶倒でした。
私の症状と全く同じで、一言一句私の思いとそっくり(笑)。
私より少しお姉さんの阿川さんが、阿川さんより少しお姉さんのノーラのエッセイを訳して、
語り継がれる「女の本音」というのがとってもリアルで、思わず頷いてしまう場面が満載です。
かの有名な2人の大統領とのバーチャルな関係も書かれてあり、これには苦笑。
最後に安藤優子さんの解説があり、その安藤さんは私より少し年下。
これで、ノーラ・エフロン→阿川佐和子→鳥飼美紀→安藤優子と年齢順にきれいに並びました~(笑)
そろそろ首のたるみが気になってきたあなたに・・・おすすめの1冊です。

今週の1冊 「ことばはいらない」 

2013-09-21 12:59:00 | 鳥飼美紀
サウンドブランチ 鳥飼美紀です。
今日から「全国秋の交通安全運動」ですね。
行楽の秋、どうぞ安全運転でお出かけください。
さて今週の1冊は 「ことばはいらない」 ジョンソン祥子 新潮社。
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アメリカのミシガン州で暮らすジョンソン家の息子・一茶くん、そして柴犬のマルの写真集。
ママの翔子さんはアメリカ人男性と結婚して渡米し、まずは柴犬のマルが家族になりました。
マルは慣れない外国暮らしの彼女にいつも寄り添ってくれたそうです。
その後、一茶くんが生まれ、一茶くんとマルは兄弟のように育ちました。
そんな二人の何気ない日々の写真が素晴らしい
何度見ても見飽きません。
「ほのぼの」というのはこういうことなのですね。
一茶くんが最初に発した言葉が「マル」だったというのもうなずけるエピソードです。
もとは人気のブログだとか・・・一度覗いてみてください。
ミシガンの風景も美しいです。

今週の1冊 特大号

2013-09-14 12:13:00 | 鳥飼美紀
サウンドブランチ 鳥飼美紀です。
この夏はサザンライブに夢中になり、本の紹介をする余裕がありませんでした。
そこで今週は、特大号(笑)として、まとめて5冊をご紹介したいと思います。
★「英国一家日本を食べる」 マイケル・ブース 亜紀書房
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著者は英国のトラベルジャーナリストでありフードジャーナリスト。
日本に来るきっかけとなったのが、辻調理師専門学校の創設者 辻静雄の「Japanese Cooking : A Simple Art」という1冊の本。
そこに書かれた料理の哲学に魅せられ、彼は家族を引き連れ日本にやって来て3か月間を過ごします。
その間、博多のラーメンから、京都の流しそうめん、歌舞伎町のクジラ、最後には「一見さんお断り」の超高級料理店まで、
ありとあらゆる日本の「食」を食べ尽くします。そのレポートは私たち日本人も感心させられるほどの内容です。
英国人ならではのジョークも含めて読み応えたっぷりの「食の日本縦断記」。おススメです。
★「安井かずみがいた時代」 島崎京子 集英社
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「危険なふたり」「わたしの城下町」「よろしく哀愁」「経験」・・・誰もが知る日本の歌謡曲の名曲たち。
どれも作詞は安井かずみ。生涯で約4000曲を作詞したそうです。
アバンギャルドなファッションとメイクが印象的な都会的な女性で、60~70年代の女性の憧れの的だった・・・
と、かすかな記憶が甦ります。その安井かずみについて各界の有名人が証言した内容をまとめたもの。
なかでも吉田拓郎の証言は少しやるせないけれど正直だな・・と思いました。
歌謡曲が元気だったあの懐かしい時代にタイムスリップできます。
★「橋」 橋本治 文春文庫 「さよなら渓谷」 新潮文庫
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どちらも実際に世間を騒がせた事件がモチーフとなっています。
「橋」は、事件を起こすまでの二人の女の子の生い立ちを淡々と描き、「さよなら渓谷」は、事件後の二人の男女にまた別の事件が絡みます。
後味の良い結末ではないけれど、「人を許す」ことの難しさや、親になるのは簡単でも「子どもを人として育てる」のはそう簡単ではないことをあらためて実感しました。
★「花の鎖」 湊かなえ 文春文庫
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美味しいきんつばが自慢の和菓子屋。その和菓子屋に出入りする3人の女性の物語。
接点のない3人の本当の関係にあなたはどの時点で気がつくでしょうか?
コスモスやりんどう・コマクサなどの花が物語を彩り、印象的です。
読み終えてから深い感動を覚える、そんなミステリー。9月17日(火)にテレビドラマとして放送されるそうです。