

サウンド・ブランチ鳥飼美紀です。
今週の演劇BOXは劇団新感線「ジパング・パンク五右衛門ロックⅢ」の観劇レポートでした。
あまりに面白くてノリノリだったので、会場でライブCDを購入し、その中からの3曲とともに
おおくりしましたが、いかがでしたか?
さて、その新感線の観劇前、心斎橋のカジュアルイタリアン「プチローザ」で夕食を・・・
このお店は以前の職場の近くで、時々ランチに行っていました
スタッフがキビキビしていて気持ちの良いサービスをしてくれるお店です。
公演前の4時過ぎだったので軽いコースをオーダーしました。
☆甘みとコクのある野菜と、リボンのような花のようなパスタ。
デザート4種類の中から私が選んだのは「アップルタルト」(手前)
☆このアップルタルトはスタッフの坪川さんの初作品だったのです。
☆この日初めてお店に出した彼女の作った初めてのデザートで、しかも私がオーダー第1号だったらしく、とても感激していました。
少し甘みが勝っていましたが、なかなか美味しかったですよ。
私も彼女の作った初デザートの第1号客になって嬉しかったです。
素敵な出会いでした。
最後は、今週の1冊。
「カッコウの卵は誰のもの」東野圭吾 光文社文庫
推理ものはあまり読まない私ですが、書店の平台に山のように積まれていて、綺麗な色の表紙だったので思わず買ってしまいました。
「私が育てた娘は妻が他人から盗んだ子なのか?」という、帯に書かれた言葉が衝撃的です。
オリンピック選手だった父とオリンピックを目指す娘、スキーという競技にすべてを賭ける親子の「遺伝子」はまったく他人のものなのか・・・
答えをすでに知っている父親の切ない気持ちが痛いほど伝わってきました。
では、また来週♪
土曜日のサウンド・ブランチ 鳥飼美紀です。
今週の演劇BOX,観劇レポートは「祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹」でした。
表現方法って枯渇しないものなのですね、今回の蜷川演出は、「ラップ」でした。
しかも、紋付き袴や留袖(だったと思います)を着た合唱隊(古代ギリシャの「コロス」を意識した)が物語の流れをラップで表現するのですが、私は面白いと思いました。
でも観客の心に何を投げかけているのかが理解できなかったことが残念です。
放送でも繰り返しましたが、寄せては返す波のように、引き付けられたり、置いてきぼりにされたり、「わからない・・・でも、面白い」「面白い・・・でも、わからない」の状態でした。
世の中には、わからなくても面白いっていうことがあるのですね。
では、今週の1冊。
ピーター・バラカン著 「ラジオのこちら側で」 岩波新書
タイトルに「ラジオ」という言葉があると、つい手に取ってしまいます。
なにか勉強になること書いてないかな~と思うのですね。
この本は、1974年にロンドンから日本にやってきて、現在まで40年近くラジオなどで「音楽」に関わり続けているピーター・バラカンさんの「語りおろし」となっています。
楽譜出版社の社員から始まってラジオのDJとして活躍、現在はラジオ局の執行役員も務めています。
本の中の対談コーナーでバラカンさんは「文章が知識だとしたら、ラジオは情熱だ」と言っています。
なるほど・・の一言・・というか、ちょっと感動しました。
5つの章に分かれていて、各章の最後にバラカンさんのお気に入りの10曲が紹介されていて、洋楽好きの方には楽しい1冊だと思います。
もちろん私のように洋楽に疎い人も、イギリス人であるバラカンさんから見た日本のラジオの世界は「へぇ~」ということがたくさんあって、興味深いですよ。
さて、今夜はオリックス劇場で2月28日まで絶賛上演中の「ジパング・パンク 五右衛門ロックⅢ」の観劇です。
劇団新感線の人気シリーズで、今回のゲストは三浦春馬・蒼井優・村井国夫などで、五右衛門はもちろん古田新太。
来週の演劇BOXの観劇レポートをお楽しみに♪
土曜日のサウンド・ブランチ 鳥飼美紀です。
2月も2週目、毎年2月はあっという間に過ぎ去っていきますね。
毎日寒い日が続いていますがお元気でしょうか?
さて今週も、面白かった本をご紹介したいと思います。
村上龍著「55歳からのハローライフ」(幻冬舎刊)です。
村上龍と言えば「限りなく透明なブルー」で芥川賞を受賞したのが1976年。
その直後の高校の同窓会で、その作品を巡って友人同士が言い争いをしていた・・というのが、私の印象に残っています。
批判派は女性、賛美派は男性でした・・・なんだか今思い出すと納得の構図です。
私はといえば・・その作品を読んだと思いますが、内容はまったく憶えていません(笑)
長年彼のことを「過激な小説を書く作家」と思い込んでいて、それ以後彼の小説を読んだことはありませんでした。
でも、「13歳のハローワーク」や「半島を出よ」などの作品を出した頃から、「ひょっとしたらこの人は真面目な人なのかも・・・」と気になってきました。
そして先日書店で見つけたのが、この「55歳からのハローライフ」です。
4つの短編からなっていて、主人公はどれも中年世代、ごく普通の人々です。
1つ目の作品から「村上龍って、こんなに巧かったんだ・・」とびっくりしました。
文章に気になる癖がなく、物語や主人公の思いががまっすぐにこちらの心に入ってくる感じです。
どの物語も、辛いことや切ないことが背景にあってもなぜか心温まるお話ばかりです。
特に2つ目の「空を飛ぶ夢をもう一度」では涙がこぼれました・・・。
54歳でリストラされた男性が、「自分このままホームレスになるのではないか」と不安に思いつつ、臨時の仕事をこなしながら食いつないでいたのですが、そんなある日、中学の同級生と再会します。
その同級生とかかわることによって、自分の人生にまた希望を見出すことになる・・そんなお話です。
ぜひ読んでみてください。