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狂王の庭   小池 真理子

2011年01月29日 15時01分34秒 | 作者  か

狂王の庭  小池 真理子

「この庭をあなたに捧げる―。」昭和27年、東京都下国分寺。広大な敷地に、全財産を投じてルートヴィヒ二世さながら華麗でシュールな西洋庭園を造った異端児・青爾。妹の婚約者である彼に惹きつけられる美しい人妻・沓子。没落する華族社会を背景に、虚無と孤独と耽美の極地で、激しく求め合う男と女を描ききった、世紀の恋愛巨編。(Amazon より)


平成14年06月30日  初版発行
角川書店
P421


ネタばれあり!!
って、それしかない!!

もう、もう、もう~~~!!

お腹一杯!! デザートも入りません!!


大人の女性の為の小説だと、私は思います。

静かなのに、激しい。
狂気、狂喜、驚喜、
絶望、背徳、情愛、
孤独、虚無、耽美、

性描写は、少ないです。
が、
どこを開いても、官能に満ちた小説です。

冒頭は、結末があっての始まりです。
ある日、沓子の娘の翔子が、母親である沓子の三回忌の日に、極秘に隠していた記録帳を読むところから始まります。

が、
「最後どうなるの!?」と予想だに、できませんでした。
って、本文に、ある光景が出てきます。読んでいる人は「ああ、ここで、死ぬんだろうな」と解ると思います。

夜会で初めて会った人妻である沓子に一目惚れをしてしまった美青年青爾は、もう、沓子に、押して押して、押し捲ります!!

夜中に突然に青爾から電話がかかってきます。「あなたの声が聞きたかった」と。そして、「僕があなたに恋をしていること、あなたはわからないんですか」と。
読んでて、沓子ではないが、頭がくらくら~~~
私なら、もう悩殺です!!この時点で、私は夫を捨ててるであろう!(爆)
多分、青爾だから、許されるんだろうな。他のブ男がやったら、「こんな夜中に非常識もいいところだ!!」とガチャン!!と受話器を叩きつけるだろう!

青爾のセリフは、皆、女を悩殺してしまう!!

ですが、沓子の妹の美夜も青爾にお熱!! そして、周りも美夜と青爾をくっつけようと躍起!!
青爾は、幼き頃ヨーロッパを両親と旅し、その先々で美しい庭園を目の当たりにします。そして、自分の邸にそのヨーロッパで見た庭を再現しようとします。
レビューで「この庭を映像で再現してほしい」とありましたが、「これは、絶対にできないであろう」と思います。まあ、ヨーロッパの庭を合成して作ったらできるでしょうが、夢がないな・・・
そんな中、とうとう沓子と青爾は密会します。が、性的関係はありません。頑なに沓子が拒みます。二人は始終、青爾が造った美しい庭を散策するだけ。

その庭は、ルードヴィヒ2世が、造ったとされる庭と酷似していた。私は、ルードヴィッヒが作ったノイシュヴァンシュタイン城を見学したのですが、ルードヴィッヒも「狂王」と言われた人であり、青爾も似たような性格でした。和風ルードヴィッヒ的な。
そのノイシュヴァンシュタイン城の中には、本当に吃驚なのですが、鍾乳洞があるのです!!本当に吃驚ですよ!! それを見たら「ああ、精神的に・・・」と思わざるを得ない?
この小説で、ルードヴィッヒがリンダーホーフ城を作ったのだと知りました。(3つも城を持っていたとか。ひえ~~!)
この青爾の庭の一画はそのリンダーホーフ城の庭を模したとあります。

「美夜と結婚して」と沓子。「それがあなたの願いですか」と青爾。
あてつけのように、青爾は美夜と婚約を承諾します。
ですが、婚約が決まっても、二人の逢瀬は続きます。美夜が青爾と月に1.2回しかあっていないのに、沓子とは週1で会ってます。が、性的関係はなし。ああ、美夜可哀想・・・
この頃になると美夜も「青爾さんは私を好きじゃないのでは・・・」と姉の沓子に相談します。が沓子は、「そんな事あるわけないじゃない」と励まします。って、悪女だわ・・・。沓子自身も「私は悪魔だ」と。

美夜と結婚してた青爾との関係は、切れます。
が、二人の思いは募るばかり。
そして、美夜は、1回も青爾とは夫婦の生活をしていませんでした。
その美夜に想いを寄せる運転手の佐高は美夜に自分の想いを打ち明け、それが美夜の心を憔悴させてしまい、二人はわずか半年足らずで、別居します。
その途端、青爾からの手紙。ひたすら「会いたい、会いたい、会いたい」と。沓子は青爾の元へ駆けます。そして、ようやく、二人は結ばれます。
もう沓子は「どうなってもいい」と青爾との逢瀬を謳歌します。
が、青爾の会社経営は思わしくなく、そして、沓子は、身ごもります。
ですが、その子の父親は・・・

最後、沓子の子供が青爾の子でないというのが、良かったような。最初読んでいたとき、「翔子は青爾の子?」と思っていただけに・・・。 
でも、もしこれが、青爾との子であったら、これを読んだ翔子は・・・。と。

読み終わった後、ちと、放心状態でした。 

他の作家の恋愛モノは知りませんが、小池さんのこの「狂王の庭」はすごい!!と思っちゃいました。

最初にも書きましたが、別腹にも、入りません。的、お腹一杯になった作品です。 

                                              


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