goo blog サービス終了のお知らせ 

自分では買わず、図書館で本借りて読んでいる、読書嫌いの感想になっていない読書感想??

トラックバック・コメント大歓迎。
批判・批評もドンと来て下さい!
皆さんのご意見をお聞かせ下さい!

海猫   谷村 志穂

2011年07月13日 13時00分57秒 | 作者  た
海猫  谷村志穂

義弟との愛に、すべてをかけた、母=薫。痛みを胸に抱きながらも、恋に目覚めてゆく、ふたりの娘=美輝、美哉。光を探し、海鳥は凍てつく空をさまよう。風雪に逆らうかのように、ひとは恋という炎にその身を焦がす。函館、南茅部、札幌、女たちが心の軋むほどに求めた、運命のひとは―。谷村志穂の新生を告げる長編小説。 (Amazon  より)



2002年09月20日  

株式会社 新潮社

P541


面白かったです。

ただ、分厚く、なかなか読めませんした。

第一章  白雪の愛
第二章  氷柱の愛
第三章  流氷の愛

と分かれており、

第二章 はどろどろぬまぬまです・・・

北海道の漁村の風景がとても細かく描かれています。
厳しい漁業の環境に、「私はここでは生活できません」でした。
そこに嫁いだ美貌の花嫁薫。ロシア人と日本人のハーフでした。
その厳しさに覚悟を決め、必死に漁師の妻になろうとする薫。健気です。その健気さに夫の邦一も薫を愛します。
姑とも仲良くします。

が、

その薫に恋慕してしまう邦一の弟の広次。

漁師同士の抗争に巻き込まれ邦一は怪我をし入院。その最中に薫は出産します。その彼女の傍に居たのは、広次でした。まるで父親のように、薫の娘の美輝の世話をします。
でも、決して、薫に手を出そうとしません。誠実です!!
(流石、牧師になろうとしている人??)

その頃、邦一は看護婦の啓子と・・・。
男って、そういうもんなのかな・・・?あれほど綺麗な嫁さんなのに・・・

夫婦仲はいいのですが、段々と軋んできます。
男はいくら喧嘩しても、交われば、仲良くなれる、と勝手に思うみたいですが、女はそうじゃない!!

心のよりどころを求めていた薫は、広次に縋ってしまいます。
そして妊娠してしまった薫は、その子を邦一の子として出産します。
ですが、産後の経過が思わしくなく、そして、その身体に鞭打つように薫を求める邦一に「このままでは死んでしまう」と思った薫は「病院に行かせてください」と姑に訴えますが、今まであんなにも優しかった姑が断ります。ここから彼女は鬼になります。
自分の家に嫁いだ嫁が自分の息子と不仲になり病院に行くという事が世間体にも許せなかったのです。怖い怖い・・・
逃げ出そうとする薫をな、なんと縄で縛り上げ、逃げないようにします。
もう、「鬼の住む家」状態。薫は益々病状が悪化。
なんとか弟の孝志にSOSの手紙を送ります。そして、孝志はそれを広次に見せます。二人の仲をなんとなく知っていたからです。
広次は、なんと牧師になっておりました。これにはちと吃驚??

急いで広次は実家へと戻ります。
そこで、あまりにも豹変していた薫に愕然とします。縄を解こうとしますが、姑がそれを拒みます。
もう、以前の仲睦ましい雰囲気はどこへやら。
薫を助ける為に、広次は薫と二人の子供を連れて家を出ますが、邦一が包丁を持って追いかけてきます。(ジェイソンだ~~~!!)
疲れきった薫は、自らその包丁に刺されます。そして、広次も後追いその包丁で胸を刺し、崖から落ちます。

二人の娘たちは、薫の祖母のタミが育てます。
美しい娘に成長した二人は、それぞれ恋をします。
姉の美輝は同じ大学生の先輩と恋をし結婚します。
が、妹の美哉は、なんと、叔父である孝志に恋をしてしまい、苦しんだ上に自殺を計ります。未遂に終わりますが。
その叔父への想いをふっきり成長する実哉。
一方、姉の実輝は、身ごもり、父の邦一の元へと向かいます。
20年ぶりに会う二人ですが、言葉を交わしません。その時、美輝が産気ずき、邦一は海で遭難、辛うじて救出されますが、肺炎を起こし、帰らぬ人となります。

二人を育てたタミは、脳内出血で倒れ、帰らぬ人となります。

札幌に帰った美輝は、美哉に、恋人を紹介されます。
その人は、広次が居た教会の牧師でありました。

儚く、強いようで弱かった薫。その母のタミはとても逞しく、二人の孫を育てる為に商売に精をだします。
そして、その孫の強いと思っていたが、それは虚勢だった美輝と弱いと思っていたが、本当は強かった美哉の成長物語です。

人の、いい面も、そしてその奥底のどす黒い部分をも見える、重厚なお話でした。

この方の本、他のも読みたいと思いますが、あまりにも重厚過ぎて、手が出せない。

(まるで高村薫氏の本みたい。彼女の本も面白いが、読むのに根性と勇気がいります。それと一緒、だと思いました)

なんかこれも、映画になったとか、レンタルあるかな?


レディ・ジョーカー 下  高村 薫

2011年03月16日 23時26分45秒 | 作者  た
レディ・ジョーカー 下 高村薫

犯罪が犯罪を呼び、増殖し続けるレディ・ジョーカー事件。犯人たちの狂奔と、それを覆い尽くす地下金融の腐臭は、いつ止むのか。そして、合田雄一郎を待つ驚愕の運命とは―高村文学の新たな頂点を記す、壮大な闇の叙事詩、ここに完結。 (Amazon より)



1997年12月05日   第1刷
1997年12月24日   第4刷

P443


毎日新聞社


やっと読めた!!


ネタバレ有!! 

って、それしかないよ!!


面白かった!!

面白かったのですが、どういったらいいのだろう。
「面白かった!!」ではなく「・・・・・・・・・・お・・・・面白かった・・・」
と、言う方が正しい?
違い解りますか?
前述は 諸手を挙げて、面白かった。 のに対して、後述は 足元から底冷えする寒さが徐々に上ってくる・・・的な、心の中で、ほくそ笑む、面白さ と。

他の作者のお話はあまり読んだ事がないので、何とも言えないのですが、
高村氏の本は、1作品で、2.3冊分の内容が入っている・・・と思いました。
軸のお話は1つですが、それを軸として、様々な絡みが・・・
【上』も面白いかったのですが、【下』はより一層面白かったです。
日の出ビール社長・城山の葛藤。そして、思いもよならい、腹心の部下と信頼していた、倉田の裏切り。って、言っても、この人はこの人で、「社の為」でした事。偏に「裏切り者」とは言えないところが、にくい!!
城山の義理の弟の、浅はかな行動。浅はかなんだけど、今でも、こういうの気にする人いるよね。昔、わざわざCMで「相手の身元調べよう」と言う親に娘が「素敵な人だから」というやつ。・・・あのですね・・・わざわざこういうCMを作る事が、そういう偏見を生み出すのだ!! と言うのを解っているのだろうか? 会社の人が言っていた。「誰も何も言わなかったら、こんな事なくなる」と。一々「同和対策」なんていうから、である。 ただ、それを食い物にする輩はいるのである。(こんな事書いたら、私攻撃されるかな??ここだけ、消去した方がいい??)

レディ・ジョーカーと警察の攻防!!
合田雄一郎の洞察力が、すごい!! 警察ってみんなああなのかな?
最初の「警察官が仲間」というのも最初に見抜いたのは、合田である。
そして、街灯の貼り付けてあったシールに気づく合田!!すごいぞ!!刑事よりもスパイになった方がいいんじゃないのかな?
身代金??渡すシーンは、手に汗握りました。
特に、ラストの取引。
合田雄一郎の、闘牛士が見れます!!

そして、このドラマで最大の見せ場!!と私は思っているのですが、
【第5章 崩壊】

私にしては、思いもよらない展開でした。
でも、「なくはない。ある方がリアルだ!!」
でした。
そうなのです、【偽レディ・ジョーカー】が出てきたのです!!
「上手い!!高村氏!!」
である!!

そして、
競馬場での
『そのとき、視界の一部を白いスニーカーがよぎったような気がして、』
本文抜粋。
このシーンを読んで、私は、湧き上がるような、驚きと嬉しさ。狂喜と言っていいだろうか。
思わず
「・・・で、出たーーーーーーーー!!!!」
であった。

ここでの 競馬場での、合田VS半田 のシーンが、
「・・・・お、おおーーーーー・・・」であった。
ここのシーンは、武者震いに似た、喜びであった。
もうね、合田雄一郎が、挑発するする!!
「キャーーーーー!!!」である。(すみません、狂ってます
【上】ではあまり好きじゃなかった半田。ですが、ここから、好きになってしまった!!

一方
いつもは、凛として涼風を漂わせる、義兄の加納祐介が、弱音を合田に見せるシーンは・・・

そして、世間というか、風潮は、本家の「レディ・ジョーカー」の思惑とは違う方向へと、向かいます。
ここでのね、「レディ・ジョーカー」一味の松戸陽吉=ヨウちゃん。が、「いいのです!!
お金に無頓着なのよ。「別にどうでもいい」的な。
「お願いだから、逮捕させないで!!高村先生!!」と祈ったよ!!
「レディ・ジョーカー」5人組、物井・半田・高・布川・松戸の内、「物井のじいちゃんとヨウちゃんだけは逮捕しないで!!」と祈ったよ!!
で、元自衛隊の布川が捕まったら、「こいつはベラベラ喋っちゃいそうだ・・・捕まってくれるな!!・・・でも捕まるんだろうな・・・
と冷や冷やでした。

嫌な奴だと思っていた高。「こいつがひょっとして?」・・・とちと不安であった。が、結構いい奴であった。良かった~~~~。

そして、

警察に嫌気がさした、合田は、半田にラブレター! って違うか、半田に脅迫文を送りつけます!! まるで、雄一郎自身が犯罪者だ!! 競馬場に仲良く??通う合田と半田。(違います、尾行??じゃないな、だって挑発してるんだもん!) その合田に対して「俺に惚れてやがるんだ」と!!(キャー!!) 雄一郎は 徹底的に気に入られるか、徹底的に嫌われるか、の両極端だな。

そして、募りに募ったその想い(ちと違うが)は、両方とも最高潮に達します。
二人のとった行動とは?(興味のある方は読んでね?)
ここのシーンも、手汗握るぜ!! 吐息を漏らす雄一郎が!!!(すみません、狂ってます


そして、

違う意味での、(←)衝撃な【終章】!!

これは、読んだ人になら、解る!!??


思わず、「え?そういう話だったんですか??」
と違う意味での衝撃であった。私にはですけどね?
「こんなん、やっちゃっていいんですか??」なんですけど、高村先生!!



そして、

ラスト

本編でも何回も登場する記者の久保さん。(久保さんと根来さんの区別が出来なかった・・・
が、ある場所に訪れます。
どうか!!ほっといてやってください!! で、なければ、私があなたを・・・と、真剣に思っちゃいました!


で、

これを読んだ方にお聞きしたのですが、

ラストの

『さうして何千夜と云ふもの、風に叩かれる板壁の外は雹か霙かと、人も馬も息を止めるやうにして耳をすませ』
の文句
これは、一体、どういう意味でしょうか?
この文は【上】の岡村清二が、日の出ビールに送った手紙の中の一文なのですが。
何故、ここだけ抜粋されているのか・・・。

お願いします。


もうね、今悩んでます。

図書館にね、文庫本があるんですよ。上・中・下とね。
内容が、少し違うらしい。
読みたい・・・という欲望が・・・。でもね、高村氏の本を手にとるのは、根性がいるのよ!! 面白いんだけど、読んでも読んでも前へ、進まん!!



レディ・ジョーカー 上  高村 薫

2011年02月28日 23時41分50秒 | 作者  た
レディ・ジョーカー 上 高村 薫

「要求は20億。人質は350万klのビールだ。金が支払われない場合、人質は死ぬ。話は以上だ。」 一兆円企業・日之出麦酒を狙った未曽有の企業テロはなぜ起こったか。男たちを呑み込む闇社会の凄絶な営みと暴力を描く。 (Amazon より)


1997年12月05日  第1刷
1997年12月20日  第3刷

毎日新聞社

P426



はっきりと言って、前読んだ、「マークスの山」「照柿」の分厚さに、「読むの無理!!」と断念しかけ、やっと読んだ・・・といった感じだったのに、又この「レディ・ジョーカー」を手にとってしまった!!
しかも!! 分厚い差は前作と変わりないのに!! 「上下です!!」分厚さ×2倍!! しかも、2段だ~~~~~~!!!!!
何故!!私はこの本を手にとったのだ!!
読むのには、私にとっては、とて~~~もとても勇気と根気がいる、高村薫氏!!
でも、読まずにはいられない、高村氏の本!! 高村氏を1冊読むのだったら、他の本3.4冊くらい読めそう・・・である。 
でも、これが、高村氏の魅力か!!?? 

で、根気を出して、読もうと思ったら、
「・・・・え・・・・え・・・・ええ・・・・????」
としょっぱなから、挫折しそうになった!!

最初、むかし~~~~のお手紙から始まります。
そう!!昔の手紙だから、旧漢字なのです!!
だから、
「え?これなんて読むの??」であった。
で、文庫本でこれ新しく出ていたのを手にとったら、ちゃんとふりがながうってあった!! でも、高村氏の本って、「マークスの山」は文庫本にした時に、ところどころはしょっているそうで。ラストだけ本屋で文庫本を立ち読みしたのですが、ラストもはしょっていた。 のを見て、「いいや、これで!」と。
(【マークスの山】の最後の合田と加納さんの会話は好きなんだけど、何故これ文庫本でははしょってるの??機会があれば、文庫本も読みたいのだが、根性がいるので、無理!!)

読むのに、1ヶ月かかった!! 又図書館の本、延長しちゃったよ!!


で、
これは私だけと思いますが、

【マークスの山】【照柿】とは、違って、
「お、これはエンターティメント的だな」と。
いえ、重~~~~~いいいい、内容なんですよ・・・。
ネタバレですが、被差別の内容です。
そこが原点的な、お話です。
ただ、【マークスの山】【照柿】それぞれ、雰囲気は違ってましたが、これも又違ってました。前作は、【地味】という印象が強いので。

で、前作同様!!
もうもうもう~~~~~~~~!!!
「登場人物が多いんだよ~~~~~~~~!!!!
である。
今回は、犯人と刑事に+新聞記者もうじゃうじゃ出てきます!!
もう、訳解らん!!
一応、最初に、主な登場人物欄はありますが・・・。これは前作ではなかったな。

そして、犯人達が、何故、このような事件を思いついたのか、が、語られます。
本当に、悲しいし、
でも、泰野美津子は、気に食わん!!もう、自分の事しか考えてない!! 自分が選んだ結婚相手なのに、「お父さんがちゃんと相手を調べてくれなかったからこうなったのよ!!」と、おいおい?矛先が違うだろうが!! 多分この女なら、両親が反対しても結婚して、で、今のような台詞を吐くんだろうな・・・であろう。と、この女が目の前に居たら、私は殴っているぞ!! ってくらいの、なんと高慢ちきな高飛車の女である!!

そして、「む・・・難しい~~~~!!!」で、御座いました。
あほな私には、2回読まないと理解出来ない・・・(いや、何回読んでも、理解出来ないであろう。)でも。前作同様、「2回も読む気力なない」で御座います。

何故、犯人達は「レディ・ジョーカー」と名乗るのか!
納得のネーミングだと、私は思いました。全ての思い入れが、この名前に表している!!

前2作に出ていた、合田 雄一郎は、警視庁から離れ、所轄へと、これは自分で移動願い出して受理されたんですよね? で、所轄へ行った雄一郎は、前2作とは、「べ、別人ですか??」ってなくらい、変わった?? だって、笑顔で「今からヴァイオリン習いに行くんです」と!! 「誰!!??」でした。

でも、それは一時だけ??
「ヤモリかイモリのような目」「刑事の目」と記者に思われてました。
そして、前作へは、結構美男子的な書き方だったのに、上司から「君は目立たないから、護衛に選んだ」と言われるし、「え?そうなの??どうなの??」であった。

日之出ビールの社長の護衛に選ばれた合田雄一郎。普段は白のスニーカーが、革靴に背広姿!!の鞄持ちに!! サラリーマンに変身だ~~~~~!!
「その雄姿を見てみたい!!」と思っちゃいました!!
でも、日之出ビール社長の城山さんからは「スパイ」と見なされるけどね。

そして、義兄の「ホ○」疑惑も!!
いや・・・、【マークスの山】から、「そうなのでは?」と思っていた私ではあったが・・・。真実は如何に!?
でも、加納 祐介さんは好きです!!
義弟のワイシャツにアイロンを掛ける貴方が好きです!!

ああ~~~
犯人達には捕まって欲しくない・・・
けど、捕まるんだろな・・・

以後、下へと続く。


今度も、1ヶ月後に更新出来たら、いいんだけど・・・

照柿   高村 薫

2011年01月20日 22時57分49秒 | 作者  た
照柿   高村 薫


野田達夫、35歳。17年働き続けてきた平凡な人生に、何が起ったのか。達夫と逢引する女、佐野美保子はほんとうに亭主を刺したのか。美保子と出会った瞬間、一目惚れの地獄に落ちた刑事合田雄一郎はあてもなく街へさまよい出る。照柿の色に染まった男二人と女一人の魂の炉。 (Amazon より)

第一刷発行  1994年07月15日
P498   二段。
講談社



【マークスの山】に出ていた合田雄一郎モノという事で借りました。

読むのに、4週間かかりました。
図書館で延長の手続きしちゃったよ。

【マークスの山】はマークスが結構好きだったので、読むのは苦にならなかったのですが、(まあ、読んでも読んでも先に進まないんのが、高村氏の本?)
これは、読むのが大変辛かった


えっと・・・。

【マークスの山】のような刑事モノを読みたいのであれば、お奨めしません。
このお話は、刑事モノではありません。
一応、事件はあります。が、このメインのストーリーとは無関係と言っていいでしょう。

疲れきった男二人と、疲れた女の泥沼?物語である。
そして、それが、殺人へと向かってしまう・・。
これは、殺人者を探す話ではなく、殺人者を作ってしまう、お話かな?


私の読解力がない為でしょう。
「え?雄一郎、美保子に一目ぼれしてたの?」だったのでした。
で、二人が出会うシーンをもう1回読んだのですが、「う~~ん・・・」でした。
静かなんですよね。描写が。いや、私の読解力の無さでしょう。

で、ホステス殺しを犯人を捜す雄一郎。
で、私は、犯人は「小木」だと思ったのですが、彼は、まったく関係なかったみたいである。この本を読み終えてて、「え?もしかして続きあるの?」と錯覚したほど。いえ、ちゃんと終わってるけどね。
ただ、最初、「小木」が犯人的な雰囲気を私は感じたので・・・。

ただ、すれ違いというか、刑事の旦那又は妻を持つと、別れるのでしょうか?
刑事という職業を知っていたのに、やはり「寂しい」と思ってしまうのでしょうか?
そして、別れてから、その大切さを実感してしまう雄一郎。
そして、まじめに仕事をやって、機械(高炉)の不具合を上に知らせても、取り合ってくれずに苛立ちを募らせる達夫。
もう、読んでてね、「ここまで彼を追い詰めたのは、お前達だろう!!」と言いたくなってしまった。
読んでて、「寝てくれ!お願いだから寝てくれ達夫!!」と何回祈ったことか。「もう。公園でも道端でもいいから寝てくれ!!今は夏だから大丈夫だよ!!」であった。

殺人を犯す時って、こういう時なのではないだろうか、と思わずにはいられない。

この話の人物達は、皆自分勝手といえばそうなのだが、誰しも、そうなのではないだろうか? 一生懸命刑事の仕事をしていた雄一郎とすれ違いになってしまった、元妻の貴代子。雄一郎は分かってくれていると思っていたが・・・。

不良品が出たことにより、原因究明をした達夫。高炉の温度異常と確信した達夫は、それを上に報告する。が、取り合ってくれない上司。そして、部下が感染症で亡くなります。不眠症とその事故とが重なり・・・


不幸が重なった、ほんとうに「救えたはずなのに・・・」と思わざるを得ない。

そして、暑さで狂った?雄一郎は、な、なんと言う事でしょう!!
「職権乱用」でございます!!
思わず
「どうしちまったんだよ!!雄一郎!!」である。
ばれたら、免職!! なのに!! もう、投げやり状態の雄一郎でございますです。

そして、雄一郎と達夫が愛した美保子は、嫌と思っていた旦那を愛していた。と。本当に、救いがない・・・。

雄一郎が、大金を出してまで犯人にしたてた犯人は、別にそこまでする必要もなかった?的だし・・・。

刑事モノじゃなくて、人間ドラマでした。
">

マークスの山   高村 薫

2010年12月16日 22時42分14秒 | 作者  た

1993年03月31日初版発行 
1993年06月15日7版発行


昭和51年南アルプスで播かれた犯罪の種は16年後、東京で連続殺人として開花した―精神に〈暗い山〉を抱える殺人者マークスが跳ぶ。元組員、高級官僚、そしてまた…。謎の凶器で惨殺される被害者。バラバラの被害者を結ぶ糸は?マークスが握る秘密とは?捜査妨害の圧力に抗しながら、冷血の殺人者を追いつめる警視庁捜査第一課七係合田刑事らの活躍を圧倒的にリアルに描き切る本格的警察小説の誕生。 (Amazon より)

直木賞作品。





有名な刑事モノとの事なので、「読んでみよう」と思ったのですが、
あまりにもの分厚さと2段だったので、「止めようかな・・・」と最初断念しようとかと思いました。

最初は、「????」でした。
えっと、前テレビで言っていたのですが、関東と関西では【スコップ】の意味が違います。
こちら関西ではスコップとは、砂場とかで幼児が扱う小さなスコップ。 で、大きいのはシャベルになります。
で、関東ではスコップは大きなシャベルで、関東と関西では言い方が正反対なのです。
私最初、読んでいて、「え?スコップで??」と読んでて悩んでましたが、そのテレビ番組を思い出して、納得。 でも、この作者は関西生まれなんですよね。 関東に合わせたのかな?

登場人物が多く。多分30人くらいでてるんじゃないのかな?数えてませんが・・・。
最初「誰が誰??」的でした。まあ、私はあまり読書しないので、読書慣れしている人にはそうでもないかも。
最初、佐野警部補が主役?と思ったけど、主役はもう少し先に登場でした。
その、主人公の刑事役の登場シーン。
「あの子(雪山で遭難した子供)、刑事になったの??」と驚き!
でも、それは、あほな私の勘違いでした
で、もう一人の主人公の犯罪者のマークスもその時に登場しているのですが、私は最後らへんの合田の話で「え?あのこだったの??」と、超阿呆モノで御座います。これも読書慣れしている人には解ったことでしょう。
内容は、私の思っていたのと全然違ってました。
読んでいくうちに、私の想像とは違う展開になっておりました。そう思ったのは私だけ??
「最後どうなるの??」でした。

いつも、本を読んだ後に、ネットでレビューを見るのですが、
単行本と文庫本とでは、内容というか、文庫本は内容が少し削除されているとの事。
「普通は加筆じゃないのでは?」と思ったのですが、
そのレビューでは、「マークスと恋人との関係が薄くなっている。加納と合田の関係も」と。それを聞いて、文庫本を借りなくて良かったと・・・。でも、文庫本って後書きとかありますよね?これにはないのかな?それと解説とか、読むのが好きなので・・・。今度図書館行ってかりようかな?丁度両方置いてあるんですよね。

読んでて、なかなか進まない・・・ でも、読んでて辛くはなかったです。
確かに 犯罪者マークスは、非道な殺人者ではありましたが、私は憎めません。とても可哀想な男性です。恋人を愛おしく思うシーンは好きです。
次々と殺人事件が起ります。が、警察側は一向に進展なし。それは【上】が、妨害しているのでした。それに対して、葛藤する、合田とその他の刑事達。【上】に黙って捜査を続けます。そして、各部署との手柄取り合いうんぬん。
被害者と犯罪者との接点がどうしても解らない等で。

そして、
ある事件がきっかけで、今まで見えなかった【糸】【光】が見えてきます。

合田と、吾妻がホテルの一室で、重要参考人の弁護士の林原との攻防戦は見物!

そして、何故殺人者は【マークス】と名乗るのか。
これが、私には謎だったのですが、
最後の最後で解ります。

このお話は、偶然と悲劇が重なりあった、悲しいお話です。

最後・・・
あれしか、ない と言えば、そうかもしれないけど・・・
【マークス】純粋だった・・・

最初の、【マークス】の両親の事件も「関与か!?」と思いましたが、それは深読みしました。
関係御座いません。

謎解きではありません。所謂、どんでん返しでも、トリックもありません。
今まで、トリック で、「もう一度読んでみないと!」と思った作品はあります。
が、何もない作品で、「もう一度読みたい」と思ったのはこれがはじめてかも。
それは、私が 登場人物が多くて、頭がこんがらっていたため、もう一度読んだら解るかも、と思ったからかもしれませんが。ただ、分厚くて2段!! 読書があまりにも不得意な私には、きつい・・・

薄荷草の恋(ペバーミント・ラブ) 田辺聖子

2010年09月23日 08時24分27秒 | 作者  た
若い女の新しい生き方を爽快に描く短編集
遠距離恋愛のひかると田口は、なかなか一緒に過ごせない。不満が積もって、男は勝手ね!女こそ勝手だ!とケンカになるが……。男への気がねをひきずりつつ仕事に励む新しい女と、かさ高いのが多少の理解は女に示せる少し新しい男が、「古き・良き」モラルを持ち続けて幸せを見つける、心温まる恋愛小説集。

百合と腹巻/そらあかん/食いにげ/卵に目鼻/デートのメニュー/追いかけて/いわしのてんぷら/薄荷草の恋(ペバーミント・ラブ)


今まで、ドロドロ、ヌマヌマ・・・的なお話を読んでいたからでしょうか、この方のこの作品は
「なんて爽やかなんだろう~~~~!」で、御座いました。
この方の作品はみんなこんな感じでしょうか?これからもこの方の作品を読もうと思います。

関西の方なのかな?関西弁を使っております。
特にお気に入りは「食いにげ」で御座います。
まさに食い逃げ!!
それぞれ、ほのぼのとし暖かく、読んだ後、ほっこり致します。

ドロドロ、ヌマヌマ・・・にちと消化気味の方には、どうかこの1冊を