海猫 谷村志穂
義弟との愛に、すべてをかけた、母=薫。痛みを胸に抱きながらも、恋に目覚めてゆく、ふたりの娘=美輝、美哉。光を探し、海鳥は凍てつく空をさまよう。風雪に逆らうかのように、ひとは恋という炎にその身を焦がす。函館、南茅部、札幌、女たちが心の軋むほどに求めた、運命のひとは―。谷村志穂の新生を告げる長編小説。 (Amazon より)
2002年09月20日
株式会社 新潮社
P541
面白かったです。
ただ、分厚く、なかなか読めませんした。
第一章 白雪の愛
第二章 氷柱の愛
第三章 流氷の愛
と分かれており、
第二章 はどろどろぬまぬまです・・・
北海道の漁村の風景がとても細かく描かれています。
厳しい漁業の環境に、「私はここでは生活できません」でした。
そこに嫁いだ美貌の花嫁薫。ロシア人と日本人のハーフでした。
その厳しさに覚悟を決め、必死に漁師の妻になろうとする薫。健気です。その健気さに夫の邦一も薫を愛します。
姑とも仲良くします。
が、
その薫に恋慕してしまう邦一の弟の広次。
漁師同士の抗争に巻き込まれ邦一は怪我をし入院。その最中に薫は出産します。その彼女の傍に居たのは、広次でした。まるで父親のように、薫の娘の美輝の世話をします。
でも、決して、薫に手を出そうとしません。誠実です!!
(流石、牧師になろうとしている人??)
その頃、邦一は看護婦の啓子と・・・。
男って、そういうもんなのかな・・・?あれほど綺麗な嫁さんなのに・・・
夫婦仲はいいのですが、段々と軋んできます。
男はいくら喧嘩しても、交われば、仲良くなれる、と勝手に思うみたいですが、女はそうじゃない!!
心のよりどころを求めていた薫は、広次に縋ってしまいます。
そして妊娠してしまった薫は、その子を邦一の子として出産します。
ですが、産後の経過が思わしくなく、そして、その身体に鞭打つように薫を求める邦一に「このままでは死んでしまう」と思った薫は「病院に行かせてください」と姑に訴えますが、今まであんなにも優しかった姑が断ります。ここから彼女は鬼になります。
自分の家に嫁いだ嫁が自分の息子と不仲になり病院に行くという事が世間体にも許せなかったのです。怖い怖い・・・

逃げ出そうとする薫をな、なんと縄で縛り上げ、逃げないようにします。
もう、「鬼の住む家」状態。薫は益々病状が悪化。
なんとか弟の孝志にSOSの手紙を送ります。そして、孝志はそれを広次に見せます。二人の仲をなんとなく知っていたからです。
広次は、なんと牧師になっておりました。これにはちと吃驚??
急いで広次は実家へと戻ります。
そこで、あまりにも豹変していた薫に愕然とします。縄を解こうとしますが、姑がそれを拒みます。
もう、以前の仲睦ましい雰囲気はどこへやら。
薫を助ける為に、広次は薫と二人の子供を連れて家を出ますが、邦一が包丁を持って追いかけてきます。(ジェイソンだ~~~!!)
疲れきった薫は、自らその包丁に刺されます。そして、広次も後追いその包丁で胸を刺し、崖から落ちます。
二人の娘たちは、薫の祖母のタミが育てます。
美しい娘に成長した二人は、それぞれ恋をします。
姉の美輝は同じ大学生の先輩と恋をし結婚します。
が、妹の美哉は、なんと、叔父である孝志に恋をしてしまい、苦しんだ上に自殺を計ります。未遂に終わりますが。
その叔父への想いをふっきり成長する実哉。
一方、姉の実輝は、身ごもり、父の邦一の元へと向かいます。
20年ぶりに会う二人ですが、言葉を交わしません。その時、美輝が産気ずき、邦一は海で遭難、辛うじて救出されますが、肺炎を起こし、帰らぬ人となります。
二人を育てたタミは、脳内出血で倒れ、帰らぬ人となります。
札幌に帰った美輝は、美哉に、恋人を紹介されます。
その人は、広次が居た教会の牧師でありました。
儚く、強いようで弱かった薫。その母のタミはとても逞しく、二人の孫を育てる為に商売に精をだします。
そして、その孫の強いと思っていたが、それは虚勢だった美輝と弱いと思っていたが、本当は強かった美哉の成長物語です。
人の、いい面も、そしてその奥底のどす黒い部分をも見える、重厚なお話でした。
この方の本、他のも読みたいと思いますが、あまりにも重厚過ぎて、手が出せない。
(まるで高村薫氏の本みたい。彼女の本も面白いが、読むのに根性と勇気がいります。それと一緒、だと思いました)
なんかこれも、映画になったとか、レンタルあるかな?
義弟との愛に、すべてをかけた、母=薫。痛みを胸に抱きながらも、恋に目覚めてゆく、ふたりの娘=美輝、美哉。光を探し、海鳥は凍てつく空をさまよう。風雪に逆らうかのように、ひとは恋という炎にその身を焦がす。函館、南茅部、札幌、女たちが心の軋むほどに求めた、運命のひとは―。谷村志穂の新生を告げる長編小説。 (Amazon より)
2002年09月20日
株式会社 新潮社
P541
面白かったです。

ただ、分厚く、なかなか読めませんした。
第一章 白雪の愛
第二章 氷柱の愛
第三章 流氷の愛
と分かれており、
第二章 はどろどろぬまぬまです・・・

北海道の漁村の風景がとても細かく描かれています。
厳しい漁業の環境に、「私はここでは生活できません」でした。
そこに嫁いだ美貌の花嫁薫。ロシア人と日本人のハーフでした。
その厳しさに覚悟を決め、必死に漁師の妻になろうとする薫。健気です。その健気さに夫の邦一も薫を愛します。
姑とも仲良くします。
が、
その薫に恋慕してしまう邦一の弟の広次。
漁師同士の抗争に巻き込まれ邦一は怪我をし入院。その最中に薫は出産します。その彼女の傍に居たのは、広次でした。まるで父親のように、薫の娘の美輝の世話をします。
でも、決して、薫に手を出そうとしません。誠実です!!
(流石、牧師になろうとしている人??)
その頃、邦一は看護婦の啓子と・・・。
男って、そういうもんなのかな・・・?あれほど綺麗な嫁さんなのに・・・

夫婦仲はいいのですが、段々と軋んできます。
男はいくら喧嘩しても、交われば、仲良くなれる、と勝手に思うみたいですが、女はそうじゃない!!
心のよりどころを求めていた薫は、広次に縋ってしまいます。
そして妊娠してしまった薫は、その子を邦一の子として出産します。
ですが、産後の経過が思わしくなく、そして、その身体に鞭打つように薫を求める邦一に「このままでは死んでしまう」と思った薫は「病院に行かせてください」と姑に訴えますが、今まであんなにも優しかった姑が断ります。ここから彼女は鬼になります。
自分の家に嫁いだ嫁が自分の息子と不仲になり病院に行くという事が世間体にも許せなかったのです。怖い怖い・・・


逃げ出そうとする薫をな、なんと縄で縛り上げ、逃げないようにします。
もう、「鬼の住む家」状態。薫は益々病状が悪化。
なんとか弟の孝志にSOSの手紙を送ります。そして、孝志はそれを広次に見せます。二人の仲をなんとなく知っていたからです。
広次は、なんと牧師になっておりました。これにはちと吃驚??
急いで広次は実家へと戻ります。
そこで、あまりにも豹変していた薫に愕然とします。縄を解こうとしますが、姑がそれを拒みます。
もう、以前の仲睦ましい雰囲気はどこへやら。
薫を助ける為に、広次は薫と二人の子供を連れて家を出ますが、邦一が包丁を持って追いかけてきます。(ジェイソンだ~~~!!)
疲れきった薫は、自らその包丁に刺されます。そして、広次も後追いその包丁で胸を刺し、崖から落ちます。
二人の娘たちは、薫の祖母のタミが育てます。
美しい娘に成長した二人は、それぞれ恋をします。
姉の美輝は同じ大学生の先輩と恋をし結婚します。
が、妹の美哉は、なんと、叔父である孝志に恋をしてしまい、苦しんだ上に自殺を計ります。未遂に終わりますが。
その叔父への想いをふっきり成長する実哉。
一方、姉の実輝は、身ごもり、父の邦一の元へと向かいます。
20年ぶりに会う二人ですが、言葉を交わしません。その時、美輝が産気ずき、邦一は海で遭難、辛うじて救出されますが、肺炎を起こし、帰らぬ人となります。
二人を育てたタミは、脳内出血で倒れ、帰らぬ人となります。
札幌に帰った美輝は、美哉に、恋人を紹介されます。
その人は、広次が居た教会の牧師でありました。
儚く、強いようで弱かった薫。その母のタミはとても逞しく、二人の孫を育てる為に商売に精をだします。
そして、その孫の強いと思っていたが、それは虚勢だった美輝と弱いと思っていたが、本当は強かった美哉の成長物語です。
人の、いい面も、そしてその奥底のどす黒い部分をも見える、重厚なお話でした。
この方の本、他のも読みたいと思いますが、あまりにも重厚過ぎて、手が出せない。
(まるで高村薫氏の本みたい。彼女の本も面白いが、読むのに根性と勇気がいります。それと一緒、だと思いました)
なんかこれも、映画になったとか、レンタルあるかな?