先生は,こんな本を読んでいます

読み聞かせを15年間毎日続けているちばちゃん(先生)が
読んできた本の紹介をします

9.中井隆栄著『成功習慣』ユウメディア2005年

2006年02月07日 | Weblog
▼ 実は、この本で学んだことを早速、子どもに投げかけてみました。
  そうしたら、見事にうまくいきました。

▼ 給食の時間。ある子どもがお味噌汁のおかわりをしました。私の
 クラスでは、おかわりができるのは、全て食べた子どもだけ。(当
 たり前ですよね。)
  その子ども、先週も味噌汁をお代わりしたのですが、こぼしてし
 まいました。
  満杯に近く入れたのですが、そーっと運べば運べないことはあり
 ません。
  その時、私は、こう言って気をつけさせました。

    「(味噌汁を)こぼさないように、気をつけるんだ
     よ。」

  これがいけなかったのでしょう。その子は、給食台から2~3歩
 進んだところで、ボタボタッ・・・と、味噌汁をこぼしてしまいました。

▼ そして、本日。
  味噌汁はネギと豆腐というぐらいで、同じ子ども。同じような量
 のおかわりと、見事に設定がこの前と同じです。
  ここで、私は、この前とは違い、次のように言いました。

    「○○君、上手に運んでごらん。」

  もちろん!?○○君は、一滴もこぼすことなく、自分の机の上に
 味噌汁を置くことができました。

▼ さあ、私はこの1週間の間に何を学んだのか。答えは、次の記述
 です。

    人間は五感を通じてすべての情報を潜在意識の中に
    取り込みますが、潜在意識は善悪、イエス・ノー、
    本当か嘘かなどの判断をできずにすべてを受け入れ
    る特徴があります。
     例えば、小さな子供に水がいっぱい入ったコップ
    をお盆に載せて運んでもらう際に、「こぼさないで
    持ってきなさい」と言うと、子供は水をこぼしてし
    まいます。逆に「うまく持っていきなさい」と言う
    と、子供は水をこぼさずにうまく運びます。
     潜在意識はイエス・ノーの区別がつかないので「
    こぼさないで」と言われることによって、子供は「
    水がこぼれたところ」をイメージしてしまいます。
    そして「こぼさないように」「こぼさないように」
    ・・・・・と心の中で唱えながら水を運ぶことにより、こ
    ぼれたイメージが刷り込まれ、増幅されて水をこぼ
    してしまうのです。一方、「うまく持っていきなさ
    い」と言われることによって、子供はうまく運んで
    いるイメージを持ち、「うまく」「うまく」「うま
    く」・・・・・と心の中で唱えることにより、本当にう
    まくコップを運びます。

▼ つまり、「○○するなよ」というマイナス(負)のイメージを持
 たせるのではなく、「○○してね」というプラス(正)のイメージ
 を持たせるということが大切なわけです。

    学校で先生が子供を教育する場合などに、誰も知ら
    ずに日常的にこんなことが起こっていたら恐ろしい
    ですよね。

  起こっているのですよ。だから、私たち大人は、言葉に気をつけ
 なければならないのです。

▼ また、「潜在意識は最後に言った言葉が強く残る」ということも
 留意しておかなければならないことです。
  野球で、
    
    A 低めをねらっていけ。高めはすてろよ。
    B 高めはすてろよ。低めをねらっていけ。

  Aの指示の場合は、高めに手を出してしまうことが多くなるそう
 です。本人もわけもわからずに、高めに手を出してしまうことにな
 る場合も少なくないそうです。

▼ これが教師が(大人が)児童に(子どもに)伝える、恐ろしさな
 のです。
  普段の何気ない言葉も、気をつけないと、大変なことになるので
 す。
  筆者は、

    人間の1日の約80%は習慣化されている

 といいます。改めて、普段の生活を見直そうと思いました。
私のHP「すぐできる読み聞かせ・ゲーム・心の話」もご覧に
 なって下さい。 

8.平沢保治『世界ハンセン病紀行』かもがわ出版2005年

2006年02月05日 | Weblog
▼ ハンセン病・・・。
  現在では治療方法が確立されたハンセン病(癩病らいびょう)で
 すが、昭和初期では不治の病とされ、患者は一般社会から隔離され
 て専門の施設に隔離されていました。
  癩病と診断されることが、即ち生きながらの死亡宣告のような意
 味を持っていたのでです。

▼ 著者の平沢さんは、14歳のクリスマスイブに医師たちにだまされ
 て、ハンセン病療養所に収容されます。
  その日から今日まで、想像を絶する苦悶の歩みを続けてきました。

▼ 私たち(昭和40年生まれ)以後の世代で、ハンセン病について知
 っている方は、どのぐらいいるのでしょうか?
  1996年に「らい病予防法」が廃止された時には、この病気に関わ
 る事件について数多く報道されました。
  そして、記憶に新しい2003年の事件。
  平沢さんの記述から引用します。

    2003年11月、熊本県の菊池恵楓園に入所するハンセ
    ン病回復者18人が、ホテルから宿泊を拒否される
    という事件が起こりました。菊池恵楓園入所者自治
    会はもちろん、県も知事を先頭にホテル側の対応を
    批判したのですが、ホテル側は、根本的な点で反省
    することも考えを改めることもせず、2004年5月、
    ホテル自体を閉館してしまいました。

  このような偏見は、まだ根付いているといいます。最近
 もある子どもが近所の大人からこう言われたそうです。
    
    「全生園に行っても、アメ玉やお菓子をもらっては
     いけません。」

▼ ハンセン病は治る病気です。めったに感染することもま 
 れですし、たとえ発症しても、早期に適切な治療を受けれ
 ば、後遺症も残ることもありません。
  しかし、「ハンセン病は治らない」「ハンセン病になる
 と、療養所に入れられる」といった風評が今もあるようで
 す。
  東横インの対応につても、全く同じでしょう。

▼ 福祉の勉強をする時に、子どもたちに、こう言います。

    まずは、「知る・理解する」ことから始ま
    ります。

  理解してから、体験してみるのです。
  視覚障害者の方についてのことを理解してから、アイマスク体験
 を行ったり、点字をうつ勉強をしたりします。
  理解せずに、風評に流されてはいけません。

▼ 私がハンセン病について関心を持ったのは、北条民雄さ
 んの『いのちの初夜』という本を読んでからです。
  北条さんは、大正3年(1914年)生まれです。。
  20歳のときハンセン病を発病します。昭和9年(1934年)、療養所
 に入院し、この頃から創作に専念します。
  同年、川端康成に師事します。昭和11年、「いのちの初夜」を「文
 学界」に発表し「文学界賞」を受け多くの作品を発表しますが、翌年
 (1937年)、腸結核で24歳の生涯を閉じました。
  自身も癩病患者であった作者の体験的な作品「いのちの初夜」は、
 癩病院への入所という絶望の中から不死鳥のような命の叫びを感じさ
 せてくれます。
  英・独語にも翻訳されています。

▼ 平沢さんの話に戻りますが、この方は根っからのプラス思考の方の
 ようです。
  数々の講演のテーマは一貫して、「人生に絶望はない」だそうです。
  次のような文からも、氏の人柄には学ばされるものがあります。

    自分の障害についてはまったく卑下しなくなりました。
    わたしの手首の筋肉は麻痺しているので、手を振ると
    手首がくるくると回転して一見不思議な動きになって
    しまうのです。その手の「機能」を使って、バスの中
    で泣いていた幼い子をあやしたこともあるくらいです。
    妻は「そんな恥ずかしいことはやめてくれ」とあきれ
    果てているのですが、赤ちゃんを笑わせるなんて愉快
    なことですし、そういう行為をとっさにできるように
    なった自分がとてもうれしいのです。
私のHP「すぐできる読み聞かせ・ゲーム・心の話」もご覧に
 なって下さい。 

7.永井洋一著『スポーツは「良い子」を育てるか』 生活人新書2004年

2006年02月04日 | Weblog
▼ この本の次の部分に同調します。

    スポーツ少年自身とその親の多くが、スポーツ推
    薦に象徴されるような、スポーツ能力によって人
    生の階段を上がっていく道を安易に選ぼうとしま
    す。また、そうしたルートに乗りたいがために、
    少年時代から強いチームに所属し、試合を勝ち進
    む生活を選択しようとしているケースもあります。
    しかし、そのようにしてスポーツしか知らない生  
    活を少年時代から続けることは、悲劇的なことだ
    と思います。私は、成長期には勉学は勉学として
    きちんと自分の能力に見合う環境で全力を尽くし
    スポーツはスポーツとして、別途、できる限り高
    レベルの環境でプレーすることを考えるべきだと
    思います。

▼ 著者は、スポーツジャーナリストで自ら少年団の指導にも関わ
 ってきた方です。
  実は、私も9年間、少年団活動に関わってきました。バレー少
 年団を4年間、野球少年団を5年間です。監督になったり、コー
 チになったりしましたが、新卒から9年間、3校の少年団活動に
 関わってきました。
  それぞれの少年団には、違った方針があります。保護者・子ど
 もたちの考え方も、その方針に反映されていました。
  最も大切なのは、次の点についてです。
    ●なんのためにスポーツをするのか。

▼ スポーツを行うメリットは大きいと思います。私の小学1年生
 の愚息は、スイミングスクールに通っていますが、「楽しい!」
 と言いながら通っています。
  私もその活動様子を見せていただきましたが、「さすがプロ!」
  子どもたちが上手くなっていく様子が目に見えてわかるのです。
  私も学校での水泳指導の参考にしました。

▼ また水泳の話題ですが、市内にかつて「学校の水泳大会」とい
 うものがありまして、60校ぐらいの学校から選手が出てきて記
 録を競いあいました。
  6年生が担当ですので、私が6年担任になった時に、もちろん
 担当になりました。途方に暮れましたが、退職した先生にお手伝
 いを願うことになりました。
  この方は、市内で唯一、水泳で男女の各リレーでアベック優勝
 をさせている方です。この方にメインとなっていただき、6年担
 任はサポートという形をとりました。

▼ 子どもたち、全員の泳ぎを見たあとに、この方は尋ねました。
  「どのぐらいのレベルを目指しているんだい。優勝かい?入賞
 かい?それとも、みんなで楽しく泳げればいいというレベルかい
 ?今のみんなの泳ぎなら、優勝をめざすなら1日5時間、夏休み
 中、1日も休まずに練習しなければならない。入賞なら・・・」
 と、状況を見極め、子どもたちに問いかけました。
  
▼ 子どもたちは、集まって相談を始めました。そして、「入賞を
 めざします。」と言いました。
  私は、「この子たちを入賞させるの?どうやって?」と思いま
 した。人数は最小限です。おぼれそうなフォームでクロールを泳
 いでいる子どももリレーに出なければなりません。
  正直、「リレーでは真ん中ぐらいの順位になれば、御の字」だ
 と思っていました。

▼ しかし、結果は・・・何と2位。驚きでした。ここまでやるとは。
  長くなってきたので、その方の指導をかいつまんでお話すると
    ●指導法がユニーク(オリンピックに出場する選手の手法
     を用いたり)
    ●1日のメニューが明確でわかりやすい(次に何をするの
     かがわかる)
    ●大会までのドラマを作っている(子どもの意欲が大会で
     ピークに達するように)
    ●子どもに自己決定させている(指導者が決めない)
    ●子どもへの愛情が見ている側(子どもにも)伝わってく
     る

▼ 5点目をいってしまえば、それまでですが、結局は「指導者の
 子どもへの愛情」が大切なのでしょう。
  著者が、相撲の元横綱隆の里から話をうかがったそうです。

    ●何のために相撲を取るのか

  元横綱は、こう答えたそうです。

    ●それは、愛だったね。

  自分が横綱になれたのは、育ててくれた両親をはじめ、いろい
 ろな人の支援があってのことだという思いを強く抱いたのだそう
 です。そして、その人たちに対する感謝の念と、失望させてはい
 けないという責任感を「愛」という言葉で表したのです。

▼ 愛情があれば、「勝利」だけにこだわる指導を行わないと思い
 ます。指導者の指示通りに動かせるのではなく、自己決定できる
 子どもを育てることができると思います。
  最後に、ぜひ子どもに聞かせたいエピソードとして、本書の2 
 つの話をのせます。

    1995年6月にあったエピソードです。秋田県で剣
    道の高校選手権があり、決勝戦で秋田高校と秋田
    商業高校が対戦しました。試合中、秋田商高の選
    手の竹刀が、対戦相手の秋田高・白根選手の防具
    にひっかかり、床に落ちてしまいました。ルー  
    ルでは、竹刀を落としても試合はストップされま
    せん。当然、白根選手は竹刀を失った相手に打ち
    込むことが許されます。難なく一本が取れる状況
    です。しかしこのとき、白根選手は打ち込むどこ
    ろか、自ら相手が落とした竹刀を拾い上げ、手渡
    してから試合を続けたのです。試合は結局、白根
    選手が負け、秋田高も優勝を逃してしまいました。
    この白根選手の行為は、後に第8回ユネスコ・日
    本フェアプレー賞を受賞しました。


    1964年に行われた東京五輪のときにエピソードで
    す。サッカーの日本代表はドイツからプロコーチ
    ディトマール・クラマー氏を招いて強化を進めま
    した。クラマー氏の指導によりチームは飛躍的に
    力をつけ、本番では強豪アルゼンチンを破るとい
    う殊勲を達成しました。喜びに沸く選手たちを集
    めて、クラマー氏はこう言ったそうです。「今日
    君たちはすばらしい結果を出した。今日も明日も
    君たちの周りには多くの人が祝福に集まるだろう。
    しかし、今、最も友人が必要なのは、敗れたアル
    ゼンチンの選手たちなのだ。そのことを忘れては
    けない。」

  スポーツは「心を育てる」ものであってほしいもので
 す。
私のHP「すぐできる読み聞かせ・ゲーム・心の話」もご覧に
 なって下さい。    

6.齋藤孝『子どもの日本語力をきたえる』文春文庫 2005年

2006年02月02日 | Weblog
▼ 齋藤孝さんは、『声に出して読みたい日本語』の著者です。みな
 さんも知っていることと思います。
  私が興味深いのは、この方が文化庁の文化審議会国語分科会の委
 員をやっていることです。文化審議会といえば、『これからの時代
 に求められる国語力について』という答申を2004年に出しています。
  国語の教師にとっては、これからの国語教育の指針となる答申で
 す。この方の意見や著書には、興味深いものがあります。

▼ まずは、齋藤氏の次の意見に全面的に賛成します。

    ●日本語力こそが全教科の基礎である。

  そして、この日本語力(国語力)が伸びるのは4年生からの国語
 力が大切であるといいます。

    特に国語力でいいますと、小学校4年生くらいに分
    水嶺があるように思うんですね。小学校4年生から
    中学校2年生くらいまでは、飛躍的に国語力が伸び
    る時期だと思います。私はこの年代を「ゴールデン
    エイジ」と呼んでいます。

  同感です。小学校の高学年にかかるこの時期に良い本に触れてい
 く必要があると思います。ですから、高学年の読書指導というのは
 とても大切なんですよね。

▼ 私が高学年ではまった本は『ドリトル先生のシリーズ』です。ド
 リトル先生の本は全て読んだと思います。そして6年生ぐらいにな
 ると、星新一さんのショーショートを読みあさりました。
  中学に入って、読みまくった本は、ヘルマン=ヘッセでした。
  中でも『デミアン』という本は、何度も読み返しました。好きな
 部分を暗唱したりもしました。
  実は、三浦綾子さんもこの本が大好きで、次のようにいっていま
 す。(違う本の紹介になってすみません)

    私はこの「デミアン」という、ヘルマン・ヘッセの
    書いた文庫本を、5度続けざまに読んだ記憶がある。
    親に本を買ってもらった覚えのない私が、一体、こ
    の本をどのようにして入手したのか、それも今は記
    憶にない。ボロボロになるほど読んだところを見る
    と、私自身の本になっていたことは確かだ。こんな
    ことは他の人にはどうでもよいことだろうが、私に
    とっては大きなことである。自分の本を心ゆくまで
    幾度も読んだ、ということが、私にとってどんなに
    幸せだったことか。

▼ 「本を読んで、幸せだった。」私は今もこう思うときが
 あります。良い本にめぐりあえた時です。
  子どもにも、そういう思いをさせてあげたい。読み聞か
 せをする目的に1つに、このこともあるのです。
  
▼ 齋藤氏も、「読書」の大切さを問いています。

    読書ができない子どもは、日本語力が低い
    からなんです。読書をするということは、
    その人の1番に言いたいことを理解すると
    いうことです。また、読書ができないとい
    うことは、文章だけでなく、人間同士のコ
    ミュニケーションにおいても、理解力が低
    いということがうかがえます。

  家庭も学校でも、子どもに読書を好きにさせる手立てが
 大切というわけです。
私のHP「すぐできる読み聞かせ・ゲーム・心の話」もご覧に
 なって下さい。

5.保阪隆編著『「頭がいい人」の快眠生活術』中公新書ラクレ 2005年 

2006年02月01日 | Weblog
▼ みなさんは、快眠していますか?
  私は今から12年前の独身時代までは、快眠とは言えない生活を送
 っていたと思います。
  しかし、結婚してから、そして息子が生まれてからは「快眠」と
 やや言える眠りを送っています。
  子どもと寝るというのは、本当に心が暖かくなるものです。2人
 の息子と寝るのも、あと数年なので、この時を大切にしたいと思っ
 ています。

▼ さて、この本の裏表紙に次のような文章があります。

    頭の働きをよくするコツは“よい眠り”にある。薬
    や病院に頼らずに不眠の原因を取り除き、“眠り名
    人”になるには?精神科学の専門教授が厳選して伝
    授する、ぐっすり眠れる技法総覧。

  みなさんは、毎日何時間ぐらい眠っていますか?
  私は6~7時間ぐらいです。
  息子たちと夜の9時半過ぎに寝て、朝の4時半過ぎに起きるのが
 日課になっています。
  俗にいう「朝型人間」です。この生活は教師になってからずっと
 ですので、もう17年間は朝型人間が続いているということです。
  土曜や日曜日も5時ぐらいには起きています。

▼ 「朝型人間」はいいものです。本にも朝型人間と夜型人間の比較
 が書いてあります。

    ●一般に朝型人間は血圧がやや高めで、元気で行動
     的な人が多い。細かいことを気にせず、つねに前
     向き。食欲も旺盛で、明るく積極的な性格の持ち
     主である。つまり、一晩寝れば、たいていの悩み
     は吹き飛んでしまうような得な性格の性質だとも
     いえる。

    ●一方の夜型人間は、血圧は低めで、胃腸などの消
     化器系が弱く、やせぎみ。神経質で細かいことが
     気になってしかたがない。しかも、いったん気に
     なるとそのことが頭を離れず、寝付きが悪い、眠
     りが浅いなど、睡眠障害にやりやすい傾向がある。

▼ 朝型人間になるには、次のことがポイントだと言っています。

    ライフスタイルを切り換えようとするとき、ほとん
    どの人は、「とにかく早く寝よう」と早寝からスタ
    ートしてしまうのである。そうではなく、まず、早
    起きからスタートする。これが、早寝早起き型のラ
    イフスタイルへ切り換える場合のコツなのだ。

  どんなに眠くても、睡眠時間が短くても、「早起きすること」が
 大切だといっています。同感です!
  「早く寝すぎると、寝れないんだもん。」という声を聞いたこと
 がありますが、大切なのは、起きる時間なのです。早起きが10日も
 続くと、習慣化すると思います。
  朝は静かですし、仕事が最もはかどる時間だと思います。

▼ 私がこの本を読んで、実行していることがいくつかあります。

    1 寝る前2時間はものを口に入れない。
    2 ミネラルウォーターやスポーツドリンクでサッ
      と目覚める。
    3 「おめざ」をとる

  みなさん、「おめざ」って知っていますか?
  昔は、子どもが目を覚ますとすぐに、甘い物を少量与える習
 慣があったそうです。寝ている間も成長ホルモンを分泌し、エ
 ネルギーを消耗する子どもの脳を低血糖から守るために間食を
 与えたのだそうです。
  夜、寝る前にチョコなどを食べていたのですが、早朝に食べ
 ることにしました。(チョコは大好きですが、体重は標準以下
 です・・・念のため)

▼ 最後に、若手演歌歌手、氷川きよしさんの話をひとつ。週刊
 誌には、睡眠時間が2~3時間と書かれている程の売れっ子で
 すが、意外にも“1日9時間~10時間”、たっぷりと寝ている
 そうです。
  氷川さんは、次のように答えたそうです。

    「ええ、睡眠は大事ですからね。きちんととる
     ようにしています。睡眠不足になると、のど 
     に悪いです。ベストな声で歌わなければ、お
     客様に失礼ですからね。」
 
  しっかり仕事をするためにも、睡眠を十分にとることは大切
 なのです。
私のHP「すぐできる読み聞かせ・ゲーム・心の話」もご覧に
 なって下さい。

4.森本昌宏『痛いの痛いの飛んでけ~111の痛みの話』 産経新聞社2005年

2006年01月31日 | Weblog
▼ ここ3冊は、教育に関わる真面目な本が続きましたが、いつも
 このような本を読んでいるわけではありません。
  逆に、教育以外の本をたくさん読んでいると思います。

  最近(この1週間)の中で面白かったのが、タイトルの本です。
  近畿大学医学部の麻酔科の助教授の方が書いています。
  様々な痛みについての話なのです。(現役のお医者さんです)

▼ 私ごとで恐縮なのですが、昨年12月中頃に、尿管結石になり
 ました。尿管結石は、七転八倒の痛みだといいますが、本当に体
 験したことのないような激痛でした。
  「陣痛とどっちが痛い?」と聞いた人がいましたが、わかるは
 ずありません。

▼ この本を読んで、痛みに「単位」のあることがわかりました。
  標準化単位認定評議会というところで、痛みの単位が決められ
 たそうです。堅そうな会議で決められたにもかかわらず、この単
 位は、次のものでした。

    ●hanage(はなげ)

  何と「鼻毛」が単位なのです。「鼻の粘膜の感受性は人体の中
 で最も個人差が小さい」という理由で決められたそうです。
  そして、「1ハナゲ」というのは・・・

    ●長さ1㎝の鼻毛を鉛直方向に1ニュートンの力
     で引っ張り、抜いた時に感じる痛み。

 と定義されました。
  何だか、本当だがうそだかわからない話です。そもそも、鼻毛
 を「鉛直方向」に引っ張るのなんて、絶対無理です。
  ちなみに

    ●足の小指を椅子の角にぶつけた痛みは2~3ハ
     ナゲ

    ●出産の痛みは2.5~3.2メガハナゲ

 だそうです。やはり、出産に勝る痛みはないのでしょう。

▼ 余談ですが、この評議会によれば、次のような単位も提唱して
 いるということです。

    ●おやじギャグがひとつ滑った時の静けさ
     を表す単位

  何とこの単位は、「かえれ(帰れ!)」だそうです。
  「あんたのギャグは5カエレ!」なんて言われたら、面白いけ
 ど、何だがばかばかしいですよね。

▼ 次の部分は、本ではなく、標準化単位認定評議会の議事録から
 のものですが、

    ●10カエレで強制退場

    ●快楽の単位は「アハン」

 などという、「本当に真面目にやっているの?」と聞きたくなる
 ような議事録なのです。

▼ とまあ、このお医者さんは、こういう雑談を交えながら、病気
 の話をしてくれるのです。
  結構、楽しく読めました。
  ちなみに、私は「尿管結石」と「痛風」の部分をコピーしまし
 た。

私のHP「すぐできる読み聞かせ・ゲーム・心の話」もご覧に
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3.野田俊作・荻昌子著『クラスはよみがえる』 創元社1989年

2006年01月30日 | Weblog
▼ 1989年に出た本ですが、今の時代だからこそ大切な本だと思いま
 す。5年ほど前にこの本を購入したのですが、「ああ、もっと早く
 この本に出会えたらよかった。」と心から思いました。
  小学校高学年や中学校を担当する教師、そして思春期を迎える保
 護者にも、ぜひ読んでもらいたい本です。

▼ 筆者は、子どもの「問題行動」は次のように作戦を立てて進行し
 ていくといっています。
  
    作戦1 賞賛を求める:いい子でいてほめられよう
    作戦2 注目を引く:なんとしてもめだとう
    作戦3 権力闘争:勝とう、すくなくとも負けない
        でいよう
    作戦4 復讐:相手にできるだけダメージを与えよ
        う
    作戦5 無能力の誇示:見捨ててもらおう

  確かに、問題行動のある子どもたちは、上記のような過程を通っ
 ていくのだと思います。
  通常のクラスは作戦1と2をとる子どもたちから出発するのだそ
 うです。作戦3なら、何とか担任の決意と努力で改善できる可能性
 があるようですが、作戦4を行う子どもたちが出てくると、担任の
 力だけでは無理なようです。俗に言う「学級崩壊」という状況でし
 ょうか。
  家庭での子どもたちも、上記のような問題行動の過程を通るので
 はないのでしょうか。さて、どのように子どもたちに対処すればよ
 いのでしょうか?

▼ 著者は、大きく2点を主張しています。

    ●問題児個人に対応するより先に、まずクラス全体
     の構造を変革する。
    ●競争原理から協力原理に基づくクラスに変革する。

  問題が起きると、個人に対応します。個人に悪いと悟らせ、個人
 の変革をはかるのが一般的な指導ではないのでしょうか?
  しかし、これはクラス全体の構造によって、問題が起きているの
 で、1人が問題行動をやめても、やがて次々に別の子どもたちが問
 題行動を起こすようになります。
  そのために「協力原理」のクラスを作るのが大切なのです。

▼ この本には、子どもへのアプローチの7つのうちの1つに次のよ
 うなことが書いてあります。

    ●子どもを「ほめない」「叱らない」

  これを見て、「何だこれは!ほめない?おかしいんじゃないのか
 ?」と思われた方もいるでしょう。
  しかし、思春期に近い子どもたちほど、大切なのです。かわりに
 何をするのかというと、「勇気づける」のです。

▼ 例を1つあげましょう。
  ある子どもが廊下でゴミを拾ったとします。それを担任が見かけ
 ました。
  通常は、「ゴミを拾ってえらい!」となるでしょう。低学年なら
 いいと思いますが、高学年になると、「ほめられるためにやったの
 ではない。自発的にやったのに・・・。」という子もいるのです。
  特に全体の前で「○○さんは、廊下でゴミを拾っていた。とても
 すばらしい!」と言うと、「目立っちゃった。もう目立たないよう
 にしょーっと。」という子どもが少なからずいるのです。もう2度
 とゴミを拾わなくなります。私も経験があります。
  中には「ほめられるために行う。」という子もいます。こういう
 子どもは、人の見ている前でしか、ゴミを拾わないようになります。

▼ では、見て何も言わないのかというと、そうではありません。何
 も言わないのは、教育者としてはいけないと思います。
  「勇気づけ」でいくと、次のようになります。
 
    ●○○さん、ありがとう。
    ●先生は、とってもうれしいよ。

  ほめるということは、教師→子どもという「縦の関係」ですが、
 「ありがとう」「うれしい」は、対等の「横の関係」なのです。

▼ また、全体へは次のように言います。

    ●ある人(名前は絶対に出さない)が廊下のゴミを
     拾ってくれました。先生はそれを見て、とても暖
     かい気持ちになりました。でも、この人だけでは
     なく、このクラスの他の人もゴミを拾ってくれて
     いる人がいるのだと思います。だから、そういう
     人たち全員に「ありがとう」を言います。いつも
     学校を清潔に保っておくのに協力してくれてあり
     がとう。

  「何をまわりくどい言い方をして・・・」と思うかも知れませんが
  このように言うと、陰でもコツコツと行動する子どもが出てき
  ます。
   そして、この「勇気づけ」は高学年ほど有効なのです。

▼  この本を書いたのは、教師でもなければ、教育学の専門家で
  もありません。
   ひとりは思春期の子どもたちを主に治療している精神科医で
  あり、もうひとりは教育相談を専門にしている心理臨床家なの
  です。
   「学校教育」とはまた違った見地から子どもを見ることがで
  きます。
私のHP「すぐできる読み聞かせ・ゲーム・心の話」もご覧に
 なって下さい。

2.高尾五郎著『ゼームス坂物語』 新流出版2004年

2006年01月29日 | Weblog
▼ この本は、タイトルは忘れてしまいましたが、元刑務官の方の本に
 「心が洗われたくなったら、この本をよむといい。」というようなこ
 とが書いてあったのを見て、購入した本です。
  この刑務官の方の本がとても面白く(一気に読みました)、「この
 方のすすめる本ならば・・・」ということで購入しました。

▼ 『ゼームス坂物語』は、ゼームス塾塾長・多川長太の塾の子どもた
 ちや保護者とのふれあいを描いた作品です。
  こんな簡単な説明では、この本の良いところは伝わらないのでしょ
 うね。そこで、ある読者が書いた感想を載せます。

    いま日本人がいちばん読まなければならないのは、ハ
    リー・ポッターではなく、『ゼームス坂物語』です。

  この本は一気に読みました。「心が洗われた」というか、私は教師
 なので、色々と考えさせられました。

▼ 不治の病にたおれた母に、「通知表がオール3になったら、家に戻
 るんだね。」という約束を大介という男の子がします。オール1の成
 績の子が必死になって勉強をします。ゼームス塾塾長も両親も驚く程
 のがんばりを見せ、大介君も「これは、ひょっとすると・・・」と思い
 はじめます。
  さあ、通知表をもらう日です。その子の通知表は・・・。
  現実は、今まで変わりなく、ほぼ全てが1でした。大介君は、愕然
 として「何だ、こんなもの!」と通知表を破ってしまいます。

▼ さあ、学校から父親が呼び出しを受けます。学校側は一方的に男の
 子の悪いことだけを並べ立てます。普段の素行の悪さから、その子の
 未来までをも否定してしまいます。
  父親と同席した塾長は激怒し、新しく書き直した通知表を再び破い
 てしまいます。そして、こう言います。

    もう一度、大介の通知表を書き直してくれますか。も
    っと大介という子に身を寄せた通知表を。点数をよく
    してくれというんじゃありませんよ。そんなことを言
    っているんじゃなくて、もっとちがった方法で大介を
    見て下さいということですよ。あなたはおそらく、よ
    くできる子供たちからすべてが出発しているにちがい
    ない。

▼ この言葉は、私たちにとって、重い言葉です。

 ●事実だけを見るのではなく、その裏側に隠されたものをきちんと読
  みとっているのか?

 ●言葉の重み、数字の重みを感じて、ペンをとっているのか?

  こんな思いを自分に問いかけながら読んでいきました。第1巻だけ
 で9つの話が入っています。どれも、子どもたちの純粋な素直な気持
 ちが伝わってきます。
  正直、思わず泣けてしまう話もあります。これが、「心が洗われる」
 ということなのでしょう。

▼ 最後に引用をします。あとがきです。

    私がいまいちばん望むことは、この本を教師を志す青年
    たちに読んでもらいたいと思うのだ。彼らは教員採用試
    験を通るためにたくさんの本を読む。子供たちを指導し
    ていく力をつくるために、また、たくさんの教育技術の
    本も読まなければならない。そのとき、ぜひ、この『ゼ
    ームス坂物語』を読んでもらいたいのだ。それはこの物
    語が教師として子供たちの前に立つための、もっとも大
    切な、もっとも本質的な、教師の魂をつくるための物語
    だからだ。教師の魂をつくるのは知識でもなければ教育
    技術でもない。一人一人の魂のなかに突き刺さっていく
    魂の物語が必要なのだ。もし、この作品が教師を志すす
    べての青年たちに読まれるようになると、日本の教育は
    確実に変わっていくだろう。

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1.三浦綾子著『わが青春に出会った本』その1 新潮社

2006年01月29日 | Weblog
▼ どんな人間・どんな本と出会ったのか

    私たちの幸せは、どんな人間と知り合ったか、どん
    な本と出会ったかということと、深いかかわりがあ
    ると思う。

  この言葉は、三浦綾子さんの言葉の中で、私が1番好きな言葉で
 す。人との出会いというのは、人生において大きなウエイトをしめ
 るということはみなさんも同感だと思いますが、三浦綾子さんは
 「本との出会い」もまた大切なものだと述べています。

▼ 三浦文学の原点は読み聞かせだった

  この本を読み、三浦文学の原点が綾子さんの祖母の読み聞かせで
 あったことを知り、うれしくなりました。
  綾子さんは、「私の読書好きの芽を育ててくれたのは祖母である」
 とおっしゃっています。

    ・・・・・なぜ、私は読書好きになったのだろう。その最
    初の芽を育ててくれたのは、祖母だと私は信じてい
    る。母の母であるこの祖母は、母のお産の度にわが
    家に来ていたし、暇さえあれば忙しい母を助けるた
    めに、何丁か離れた所からかけつけてくれた。この
    祖母は、十年程前、九十六歳で死んだが、私はこの
    祖母の怒った声や顔を、全くといってよい程知らな
    い。祖母は、たくさんの民話や、おとぎ話を知って
    いて、私の背をなでながら、眠りにつくまで、話を
    聞かせてくれたものだ。

  私が読み聞かせを始めたのは、新卒2年目のことです。当時、ク
 ラスの子どもたちは騒がしく、私の話を聞かない状態でした。
  そんな中、子どもたちは「こわい話を読んで!」と言います。私
 は、自宅にあった古い『世界のこわい話』という本を読みました。
  すると、あれほど騒がしかった教室が「シーン・・・。」となりまし
 た。真剣にしかも楽しそうに私の話を聞いているのです。
  この子どもたちの姿には大きな衝撃を受けました。
  「読み聞かせって、すごいんだな。」そう実感してはじめた読み
 聞かせも、もう15年目になりました。

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