先生は,こんな本を読んでいます

読み聞かせを15年間毎日続けているちばちゃん(先生)が
読んできた本の紹介をします

6.齋藤孝『子どもの日本語力をきたえる』文春文庫 2005年

2006年02月02日 | Weblog
▼ 齋藤孝さんは、『声に出して読みたい日本語』の著者です。みな
 さんも知っていることと思います。
  私が興味深いのは、この方が文化庁の文化審議会国語分科会の委
 員をやっていることです。文化審議会といえば、『これからの時代
 に求められる国語力について』という答申を2004年に出しています。
  国語の教師にとっては、これからの国語教育の指針となる答申で
 す。この方の意見や著書には、興味深いものがあります。

▼ まずは、齋藤氏の次の意見に全面的に賛成します。

    ●日本語力こそが全教科の基礎である。

  そして、この日本語力(国語力)が伸びるのは4年生からの国語
 力が大切であるといいます。

    特に国語力でいいますと、小学校4年生くらいに分
    水嶺があるように思うんですね。小学校4年生から
    中学校2年生くらいまでは、飛躍的に国語力が伸び
    る時期だと思います。私はこの年代を「ゴールデン
    エイジ」と呼んでいます。

  同感です。小学校の高学年にかかるこの時期に良い本に触れてい
 く必要があると思います。ですから、高学年の読書指導というのは
 とても大切なんですよね。

▼ 私が高学年ではまった本は『ドリトル先生のシリーズ』です。ド
 リトル先生の本は全て読んだと思います。そして6年生ぐらいにな
 ると、星新一さんのショーショートを読みあさりました。
  中学に入って、読みまくった本は、ヘルマン=ヘッセでした。
  中でも『デミアン』という本は、何度も読み返しました。好きな
 部分を暗唱したりもしました。
  実は、三浦綾子さんもこの本が大好きで、次のようにいっていま
 す。(違う本の紹介になってすみません)

    私はこの「デミアン」という、ヘルマン・ヘッセの
    書いた文庫本を、5度続けざまに読んだ記憶がある。
    親に本を買ってもらった覚えのない私が、一体、こ
    の本をどのようにして入手したのか、それも今は記
    憶にない。ボロボロになるほど読んだところを見る
    と、私自身の本になっていたことは確かだ。こんな
    ことは他の人にはどうでもよいことだろうが、私に
    とっては大きなことである。自分の本を心ゆくまで
    幾度も読んだ、ということが、私にとってどんなに
    幸せだったことか。

▼ 「本を読んで、幸せだった。」私は今もこう思うときが
 あります。良い本にめぐりあえた時です。
  子どもにも、そういう思いをさせてあげたい。読み聞か
 せをする目的に1つに、このこともあるのです。
  
▼ 齋藤氏も、「読書」の大切さを問いています。

    読書ができない子どもは、日本語力が低い
    からなんです。読書をするということは、
    その人の1番に言いたいことを理解すると
    いうことです。また、読書ができないとい
    うことは、文章だけでなく、人間同士のコ
    ミュニケーションにおいても、理解力が低
    いということがうかがえます。

  家庭も学校でも、子どもに読書を好きにさせる手立てが
 大切というわけです。
私のHP「すぐできる読み聞かせ・ゲーム・心の話」もご覧に
 なって下さい。