秋は中学1年生の学力差が表面化する時期と言われています。
多くの中学校では9月から11月に定期テストがありますが、その結果が生徒さんによって大きく分かれます。
入学した春先と比べて学習内容が難しくなるということもありますが、それは大きな原因ではありません。
小学生の頃には表面化しづらい学力差ですが、中1の秋から明らかになってくるのは主に2つの原因です。
1 小学校高学年から中1の夏までの学習内容の定着度合
2 夏休みの学習量・復習量
小学校のテストは短いスパンで行われるため、定着した・しないが点数に表れません。
つまり習ったことを忘れる前にテストしていますから、本当の定着度合を調べることができません。
また中1の前期のテストに関しては、入学して新たに習い始めた内容ですから、
小学校の学習内容があいまいでも何とか対応することができます。
しかし9月以降は、小学校から中1前期の内容がある程度定着している前提での学習になります。
例えば数学では、正負の数の計算や文字式の扱いができる前提で、
また小学校の算数の文章題や比例・図形がわかっている前提で、
方程式や比例反比例、空間図形を習います。
これはテスト前に短期間で対応できるものではありません。
これまでの定着度合に不安がある生徒さんは、この夏休みに必死になって復習をする必要がありますが、
これまでのテストがその場しのぎで何とかなってきていますので、危機意識は薄いでしょう。
こういった流れで9・11月のテストで悲惨な結果を出してしまい、
取り返しのつかない状況に足を踏み入れてしまいます。
今年はやるぞ!という決意をもって、テストに臨んだ生徒さんも多いと思いますが、
テスト前に慌てて勉強を始めても成果が出なかったり、
たとえ一夜漬けがうまくいったとしても長期的には定着しません。
普段からコツコツとくり返しやっておくことが知識の定着を生みます。
そのためにはテスト前だけでなく、普段からの家庭学習時間の積み重ねが必要です。
理想的な中学生の家庭学習時間は「学年+1時間」と言われています。
しかし、
「小学生のころは家で勉強していたのに、中学に入ってからは全くしなくなった。」
多くの中学生の保護者はこのように感じているようです。
「やればできるはずなのに、勉強しないからテストの点数が下がった。」
と悩まれている中学生の保護者さまもいらっしゃるでしょう。
中学校に上がると家庭での学習時間が減る
→ 勉強時間が短いから成績が下がる
→ だから、勉強時間を元通りに増やせば成績が上がるはず
という「やればできる」の考え方は自然なように思えますが、実はこれほど単純ではありません。
たしかに家庭での学習時間と学力には相関関係があります。
参考 模試偏差値と勉強時間の関係(某首都圏模試のアンケート結果)
偏差値(首都圏模試)・勉強時間(平日)・勉強時間(土・日)の順番
偏差値65・平日3.5・土日6
偏差値60・平日3・土日5
偏差値50・平日2.5・土日4
偏差値40・平日2・土日3.5
偏差値35・平日1.5・土日3
(小5の場合は、上記の8割程度。)
(塾での時間、宿題の時間、読書の時間も含みます)
だからといって、勉強時間を増やせば良いのかというと、そうではありません。
重要なのは「中学校に入るとどうして学習時間が減るのか?」という原因の部分です。
部活が忙しいからなどの物理的な理由もあるかもしれません。
しかし多くの中学生が勉強しなくなる理由は別にあり、それは解決に時間のかかる難しい問題なのです。
(続く)
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