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ローコストの家

ローコストの家という言葉はもう一般的になりました。メディアの影響もあって、建築家に頼めば、すばらしい(?)ローコスト住宅が完成する、みたいに思われています。
でも・・
ローコストで家をつくりたいと考えている人は、ローコスト、ということをどのように考えているのでしょうか。。。
ローコスト、ってスタイルではありません。なんとなく、予算はすくないから、豪華な家はできないけれど、希望の床面積、希望の設備器機はだいたいかなう、みたいに思われている気がします。
ローコストなのだから、床面積を優先するなら、こまごまとした間取りや、床暖房や、高気密高断熱、ガラス全部がペアガラスなどなど、あまりできないのです。そうゆう設備や機能が欲しいのなら、家を小さく作るしかないのです。
TVでやっているような金額では、実際できません。雑誌に出ている金額は、全てのものが同じ基準で判断できません(対象にしている金額がまちまちだから)。当然中には、いろいろな手をつくし、すばらしいコスト(?)でできている家もあります(そのために設計者や施工者が多大な労力を使っているのです)。

きのう、他の人と話しをしていて、「ローコストの家」をつくるにはどうするか、というと、依頼者に『あきらめてもらう』ことなのかな、と、ふと、思いました。
「あきらめる」というのは、商品住宅のようなものをイメージしていることをあきらめてもらう、ということで、ちゃんとした家がつくれない、というふうに思っていただくことではありません。
安い材料(=簡単に作れる)ならいくらでもあります。それを使えば、みてくれがそこいらの家と同じようなものは作れるでしょう。。でも、作ったら終りで、あとは、家がボロボロになっていきます。少し大袈裟に言ってしまいました。

ローコストでもハイコストでも同じなのですが、そもそも、なぜ家を必要とするのか、なぜ建て替えるのか、、そこのところをキチンと自覚しなければいけないのです。その上で、本当に必要とするものはなんなのか、それを、設計者と共に考えることが必要なのです。

たとえば、家族がいっしょにいる時間を大切にしたいから、食事を大切にしたいから、キッチンを中心した家にしたい。・・・だったら、そこにお金を使いましょう。その分、全体の面積を少し小さくしましょう。個室も小さくていいですね。
・・そんな具合に。。

とにかく広いスペースが欲しい。・・・だったら、サッシも普通のガラスにします(あとで、ペアガラス・・今は真空ガラスもありますが・・それに交換できます)。流しも既製品の安いものにしましょう(シンクとガスだけの流し台を作ることも可能)。壁も合板かもしれない(あとで塗装することも、塗壁にすることも可能)。(でも、床だけはちゃんとしておきたい・・確実に身体が触れる部分だから。ささえてくれる部分だから。。)
・・そんな具合にあとで変えられることが可能なようにつくり、今必要なものだけつくるということもあります。

一番必要なことをまず実現することが、ローコストの家、です。時間とともに成長できる家です。最初から実のなる木を植えるのではなく、苗から育てていくという感覚です。

あきらめる・・とは、夢をあきらめことではありません。一度、植え付けられたイメージを取り除くことです。土地を耕すように・・

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