Duke's Blog

~海と・・そのスピリットと~

シンクロニシティー続編

2010-02-17 | OceanLegendについて
結局、昨年の八丈島から江ノ島までの海峡横断は断念して茅ヶ崎に戻ってきた。その足ですぐにネルソンさんの小屋を訪ねて再会。

恐る恐る・・・こないだのカヌーの話覚えていますか?と尋ねたところ、『あたり前じゃないか、もうあの日から、アウトリガーカヌーやHalau の事で頭が一杯だよ』との嬉しい返事が返ってきた。
そしてナント・・・『Ocean Legend のプロジェクトを僕のNPOでサポートしたい。この小屋を事務局として使って欲しい』とまで言ってくれたのだった。 
その時始めて僕は知ったのだけど、彼はNPO法人【海の歴史と文化を明日へ】という特定非営利活動を3年ほど前からやっていて、全く活動できないでいるとの事だった。あまりにもOcean Legend そのものの名前で僕はビックリした。

それから今日まで、全てが何か宇宙の法則に合わせて時間が経つようで・・・。
過去を振り返ってみると、海と純粋な気持ちでスピリットでつながりたいと思うようになってから、アウトリガーカヌーの歴史と文化に興味を持ち始め、Hokule'aとの出合い、沖縄のサバニ、カマクラ号・・・たくさんの人々との出合い・・・そして志し。

タイミング、場所、人、文化、歴史、自然、宇宙、そんな全てがつながっていて、何一つ偶然は無いという事、全ての出合いに意味があり、自分はこの世界に生かされているという事・・・それを感じないではいられない毎日を過ごしている。これは別に僕が特別なわけでなく、だれにでも平等に、大切で特別な出合いや何かのタイミングが毎日起こっているわけで、自分の心に耳を傾け、それに気付く心の平静さと時間の余裕があるか・・・ということなんだと思う。
目まぐるしく進歩し発展する社会や世間に追われているから、そんなささやかな、それでいて人生を左右するほど大切な宇宙からのサインに気づく時間さえも与えてもらえないのだとおもう。

自然のエネルギーに満ち溢れた場所に自分の身を委ねて、瞑想するのもいいかも知れない。

自分は何者なのか・・・何のためにこの世に生を授けられたのか・・・。

自分のなすべき事は何なのか・・・。

考えないで、自分の心に目を向けてみるといいだろう。

そこには既に答えがあるはずだから・・・。

シンクロニシティー続編

2010-02-12 | OceanLegendについて
ソレイユウの丘がある荒崎をこえた時はもう既に伊豆半島に夕陽が沈んでいた。
初めての浜で、どこに上陸すればいいのだろうか・・・と漕ぎながら海か海岸を見渡していると、もうすでに薄暗くなってしまった浜辺から車のヘッドライトと思われる灯りがチカチカと光っている。その灯りに導かれて砂浜に上陸すると、目の前に大きな漁師小屋風の建物が2棟建っている。漁師小屋・・・と思ったのは砂浜の上に建っているということと、波うつトタンの外壁が目に入ったから、第一印象は漁師小屋と思ったのだった。



でもよくよく見てみると、普通の漁師小屋とは随分違う。何だか洒落たチェアーやソファーが小屋の外のデッキに無造作に置かれているし、バーカウンターまである。


小屋の中に入ると暖かな木の温もりが部屋全体を覆っている。目をみはる多数の重厚な舶来の船具の品々、遠い昔の海賊の戦利品ミュージアムのようだ。


薄暗くなった海から上半身裸でカヌーで上陸してきた不審者そのものの僕をニコニコ顔で暖かく迎え入れてくれた小屋の主がネルソンさん。
彼に僕を引き合わせてくれた弓ヶ浜のヒゲさん(彼との出会いもシンクロニシティーだったので今度紹介します)も一緒にその夜は酒を交わしながらアウトリガーカヌーの話しで盛りあがった。アウトリガーカヌーがハワイの歴史や文化を語る時には絶対に欠かせないという話し・・・や、Hulaとカヌーとのつながり、いつかはハワイまで人力で漕いで行きたい・・・等の話し・・・僕がよくしている話しだ。

ネルソンさんは、今回の台風18号でこの小屋以外は全て破損、もしくは波に持っていかれたばかりだった。20艇近くあったボート、ヨット、ジェットスキー、20年以上かけて集めたチークやマホガニーでできた高価な舟も全て失った直後だった。

築60年以上もなるこの小屋が無事だったのが奇跡のような大波、高波だったらしい。彼は途方にくれて、呆然としながら沈む夕陽を見ながらこれからの事を考えていた時に、海からオレンジ色の空をバックに僕がカヌーを漕ぎながら波にのって現れたのだった。そんなタイミングでの出会いだった。

『DukeここをHalau(カヌー小屋)にしよう。もう動力のある舟はいっさいやめた・・・ノンビリ、気持ちよく海を漕いで渡れるカヌーをこの浜にたくさんならべよう。』・・・そんなネルソンさんの言葉を半信半疑、心に温めながら、僕は数日後また八丈島に戻っていったのだった。
*長くなりそうなので、続きは続編とし次回にします。