今日の「恋風」総評。

１話を見た時点での評価は高かった。

タイトルや展開（特に２人が兄妹と知らぬまま
であったコト）からして兄妹の「禁断の恋」を
描くであろうコトは想像できたが、穏やか且つ
丁寧な演出、全体的に淡く落ち着いた雰囲気の作画・
キャラデから「純愛」モノとして纏めるのだろうな、
と思った。

耕四郎についても第一印象は「不器用なオトコ」であり、
初対面の少女（言うまでもないが七夏）の前で
泣き出す件も、今ではダメ人間であるコトの振りとも
思えるが、リアル視聴時には「不器用な男がふとした
弾みで内に込めていたモノがこみ上げた」と好意的に
解釈し、「そりゃ、泣きたくなる時だってあるさ」と
共感すら覚えていた。


そして同居がはじまって２話・３話と純粋に兄を慕う
七夏と１話を引き摺ったまま七夏を意識し、戸惑い、
その反動で辛く当たったりもする耕四郎の不器用さ、
というある種王道ラブコメな展開を見せ
（後、耕四郎に怒られてしょんぼり、とならずに
ムッとなる七夏のキャラ設定は良い、と思いました）、
序盤はこの微妙な関係のまま引っ張っていき、中盤以降で
「恋」へと変わるイベントでも起こすのかな、と思ってました。


しかしその予想はあっけなく覆されたワケで。
しかもかなりイヤな方向に。


そう、４話です。この「下着クンクン」がやはり
最初の大きな分岐だったでしょう。


この前の彼女とのやりとりで自分勝手にとは言え
盛り上がった気持ちのやり場に困るトコロではありますし、
この兄妹が（特に耕四郎の立場からだと）フツーのソレとは
ちょっと違う関係であるワケですから「魔がさした」
ともいえなくもない・・んだけど、言いたくないよね（苦笑）

やっぱりどんな理由があったとしても、アレは引くよ。
しかもナニするんですよ。サイアクだ。

まだ自己嫌悪に陥る理性が残っているだけマシとはいえ、
（まあ、後で「妹でヌいても良いじゃん」と開き直る
ワケですが）
ココで耕四郎は「ダメ人間」だと確信。

いつタガが外れて七夏を押し倒したりしてもおかしくない、
とドキドキするコトに。

一方七夏は耕四郎に対して未だ「兄妹」以上の
感情を抱いておらず・・と思っていたら
いつの間にかマジ惚れ。

・・ココが１番大きいポイントだったのでは、
と思います。

「クンクン」でダメ人間（バッドエンド）ルートに
入ったものの、「戻れる」分岐は存在しており
（戻らなかったワケですが）、このままの状態が
続いたならどこかで奇跡的に「戻れた」可能性も
あったワケで（まあ、理性を抑えきれなくなり
七夏に拒絶され耕四郎一人バッドエンド、の方が
高いですが）。

しかし七夏が耕四郎を好きになってしまったコトにより、
ソレを知ってしまったコトにより、もう耕四郎の
脆弱な意思では完全に「戻れなく」なったワケで。
コレ以降の家を出るとか葛藤とかも全てポーズにしか
見えないワケで。


そうなると「春雷」から「陽炎」に至るあのラストも
必然、と言えるよーになるワケで。

・・まあ、コレは全話見た後だから言えるコトでも
ありますが、兎に角それだけ「七夏が耕四郎に惚れる」
というのは重要なコトですから、やはりもっと納得できる
描写が欲しかった、と思います。そうすればこの後の
話の印象も変わった、と思うのですが。


・・なんだか総評だか考察だかわかんなくなってきたよ（汗）

とりあえず、ここら辺から後の話は過去ログにあるので
纏めをすると。


こうなるとは思わなかった、というのが正直な気持ちです。
こうなってしまったのか、とも思います。

どーしても耕四郎と七夏、２人の行動に共感できない、
千鳥さんの言葉を借りるなら「キモイ。てゆーか気持ち悪い」
ので、個人的には高い評価をするコトはできません。


その一方で、そういう評価をされるコトを承知の上で
こういう展開、結末にした覚悟、そして良くも悪くも
これだけイロイロと考えさせられる作品に仕上げた、
つーコトは評価して良いと思います。


最終評価・・・「Ｃ＋」


参考：「恋風」過去ログ（話数は地上波版）

7話「初嵐」8話「風花」9話「寒月」
10話「余寒」
11話「春雷」
最終話「陽炎」