翠さんの父親の日記の続き
「大いに気をよくして○○病院へ行く
僕が着いて間もなく○○のお母さん [注:義母]も見えた。
ひっそりと清潔な病院の廊下、通りかかった看護婦さんに連絡すると新生児室をガラス越しに見せて呉れた。
哺育器に入っている期待の赤ちゃん、自分の目で初めて生れた自分の子供、を見る。
どうして生れて来たのか不思議な気持につつまれる。
すやすや寝ているのか殆ど動かない、それにガラス越しなのではっきり細かいところは判らない。
先程
病院の前に車で着いたとき○○のお父さんに会って
“女の子です。完全です”
と言われた言葉を聞いたとき本当にヤレヤレという気がした。
今その言葉を噛みしめて赤ちゃんを見ている。
本当によかったという心のやすらぎを感じた。
○○ [注:妻の名] は疲れたのか身動きもせず眠っていた。
○○[妻]には一言もかけずに病院を出た。
病院の前庭の中を道をくだって行くとあたりにパッとばかりに咲き開いた梅と桃の花の美しさ、
このすばらしい朝は三月三日のおひな祭の朝、桃の花も梅の花も緑の木立の中で僕の目をうばわせてこよなく清楚に美しかった。
赤ちゃん ○○年 三月三日 午前○時○○分誕生」
いかがですか
どのお父さんも、赤ちゃんにはこうした気持ちを抱くのではないでしょうか
あなた方も生まれた時、こうして喜んでいただけた人がほとんどかと思います
そして、神さまはすべての赤ちゃんとお母さん達をねぎらい包まれます



