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氷月神示 銀雫の17

国之常立神より皆様へ

それからメッテッヤは泣いてごねることもなく、広目天達になつき出し、親交を深めていった
庭を散歩して遊んでもらったり、時には父母代わりのお釈迦様と観音様が様子を見に訪ねて来られることもあった
ある時御所風の木の床の部屋に置かれた畳の上で、メッテッヤが布団で眠っていると、お釈迦様が来られて、どうだねこの頃は、とそばにいる広目天達に尋ねられたこともあった
よくなじんで来られました、というような返答だった
ただその後初期に一度だけ、メッテッヤは野原で父のことを思い出し、ものすごく悲しくなったことがあった
すると彼の幽体の内面に圧縮してある気の力がゆるんで爆発的に働き、彼は突如ロケットのように空高く飛び上がった
そして急上昇しながら仰向いて目を閉じ、力いっぱい大声で叫んだ
「お父さまあーーっ!!!」
このままずっと空へ上がって行けば、きっと兜率天のてっぺんを通り抜けて、お父さまのいらっしゃる所へ帰れるかもしれない…、そんな考えが、彼の頭をよぎった
しかし、この異変にいち早く広目天と増長天が気づき、飛んで追いかけてきた
「外へ出すんじゃないぞ!」
(実際は結界で囲まれているので出ることはできない)
…そして、もう少しでてっぺん?という手前の空中で、二人は取り乱すメッテッヤを引き止めた
広目天が彼を抱きかかえて連れ帰ったが、メッテッヤは腕の中で諦めたのか、目を閉じ、涙を流していた…
それ以来、2度と彼は脱走しようとすることはなかった
大きすぎる彼の力はお釈迦様たちにより抑えられた
…そして、日々広目天達と遊び過ごす内に、半年、1年(人間の50年)も経つと、すっかり天界と父のことを忘れさせられていた
ここでは仏尊になり切るためだ

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