2005.11.11.
★年金カウンセリング → 基金って何だった?
Q 厚生年金基金って、結局、何だったのだろう?
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A えっ、そんな質問はあまり無いですよねぇ。それに、問題が大きすぎますねぇ。
それを話すには、まだ、時期尚早でしようねぇ。物事はある程度、時間の経過の波に洗われないと見えてこないのかも知れません。
とはいえ、取り敢えず、基金発足から40年ほど経過して、現状、基金解散や代行返上により、設立基金数は急激に減少しているのが現実です。そういう中で、新しい型の企業年金 → 確定拠出型年金もスタートしています。時代は大きな変革の波に晒されているのも現実です。
こういう中で、基金って何だったのだろうと問えば、当面言えることは、次の4点ほどではないでしょうか。
1.退職一時金という日本の土壌に、年金という考え方を普及させたこと。
2.日本経済の「3種の神器」というフレーム・ワークの限界、または終焉を認識させたこと。
3.日本に科学的資産運用のインフラ・ノウハウを蓄積させたこと。
4.どんぶり勘定(基金の財政)の限界認識と個人勘定への橋渡し。
と、いうことになりましょうか。
後世がどう評価するのか、若い人たちの見識を待ちましょう!
2005.11.16.
★年金カウンセリング → 最近の社会保険事務所
Q 混んでいると思って、朝早く来たのだが、最近の社会保険事務所は空いているの?
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A そうですねぇ。夏ごろからでしょうか、ガラガラです。それまではTV報道のせいでしょうか、常時、20~50人待ちが当たり前で、2~3時間待ちでしたからねぇ。
社会保険庁の努力(たとえば、58歳時点の加入記録、年金見込み額送付とか、最近始まった年金請求書の事前配布とか、各種広報努力等)も多少は混雑緩和に利しているとは思われます。
ですから、ゆっくりご相談できますので、しっかりお聞きになっていってください。
最近、若い方の訪問が多くなってきています。ご自分の過去の年金加入記録確認においでになる方が増えています。
チャンスです、若い方。それに、時間外でも、やっているときがありますので、調べてお出かけになるといいと思います社会保険庁のホームページで日本全国の社会保険事務所の混雑状況を調べることもできます。
http://www.sia.go.jp/sodan/madoguchi/nenkin/konzatu.htm
2005.11.20.
★年金カウンセリング → 基金掛金
Q 厚生年金基金の保険料って、どうなっているのですか? 毎月の給与明細書で厚生年金基金掛金というのを引かれていますが。
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A なんといっても、年金計算の元になるのは支払い保険料によって左右しますよね。払った保険料に見合った給付がなければおかしいですよね。
ここで、一点、つまらぬことですが、厚生年金や健康保険では、「保険料」と言いますが、厚生年金基金では「掛金」という言い方をします。
さて、厚生年金の保険料は標準報酬月額に保険料率(本人負担)を乗じた額が給与控除されます。これに、会社が同額を負担して毎月国庫に納付します。つまり、厚生年金保険料は本人と会社の折半負担になっています。
ところが、厚生年金基金は折半負担ではありません。通常、会社が余計に負担します。会社は、余分に負担することで、厚生年金基金設立認可が受けられ基金が運営できるのです。
その掛金負担は、各基金によって区々です。一般的に、次のようになっています。
・基金無しの会社(厚生年金)本人負担86.75/1,000 会社負担86.75/1000
・基金有りの会社(厚生年金)本人負担67.75/1,000 会社負担67.75/1000
(基金掛金)本人負担19.00/1,000 会社負担23.00/1000
(合 計)本人負担86.75/1,000 会社負担90.75/1000
この料率をよ~く、ご覧ください。
「基金無しの会社」の本人負担と会社負担は折半負担になっていますが、「基金有りの会社」の(合 計)の本人負担は、「基金無しの会社」の本人負担と同額ですが、会社負担は折半ではなく、会社が余分に負担しています。
これが、基金有りの会社に勤務した場合、会社が余分に掛金負担をして社員の老後の年金を増やそうという仕組みの基本です。
このほかに、退職一時金等の原資を基金に移して加算型年金を用意している基金もあります。
こういう、厚生年金基金制度とは別に、企業によっては退職一時金を年金化した適格年金制度というのも有ります。
2005.11.22.
★年金カウンセリング → 国民年金の死亡一時金
Q 国民年金に死亡一時金とか言うのがあるそうですが、どういう内容ですか?
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A 国民年金の第1号被保険者(自営業等)が納付した期間と平成14年4月以降の半額免除の1/2を合計した月数が36ヶ月以上ある人が、老齢基礎年金と障害基礎年金を受けないまま死亡したとき、その遺族に支給される一時金です。
つまり、国民年金3年以上納付して何も受けずに亡くなったとき、一時金で精算されると考えてもいいのかもしれません。
ただし、その方の死亡により、遺族基礎年金が受けられる遺族がいるときは支給されません。
厚生年金には死亡一時金はなく、遺族年金があります。
厚生年金基金には、代行型基金の場合、原則死亡一時金も、遺族年金もありません。死亡月で終わりです。ただし、代行分は厚生年金の遺族年金に含まれて支払われます。加算型基金の場合、原則遺族一時金があり遺族年金はありません。代行分は厚生年金の遺族年金に含まれて支払われます。
2005.11.30.
★年金カウンセリング → 資産運用は三流国
Q 厚生年金基金の掛金はどのように積み立てられているのでしょうか? 最近、基金の資産運用がうまく行ってないと聞くものですから。
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A 厚生年金基金では、毎月本人負担掛金と会社負担掛金を徴収して、通常、翌月1日に全掛金を資産運用に拠出します。
といいますのも、掛金を預貯金しといても将来の年金給付には不足が発生してしまいます。年金給付は、原則5.5%の付利をして支払うのですから。
預貯金では、不足金になりますので、もっと有利な金融商品に投資しなければならない必然があるのです。
とはいえ、むやみにハイ・リスクな金融商品に全面投資はできません。それでしたら、元本もなくしてしまう危険があります。そうなれば、「受託者責任」も果たせません。
そこで、厚生年金基金では、国際分散投資を目指すことになります。資産配分をリスク計算の上で決定して資産運用をいたします。
たとえば、株式40%・債券20%・外国株式15%・外国債券5%・不動産5%・現金5%とかの資産配分を決めて、金融業者(信託銀行・生命保険会社・投資顧問会社等)に委託します。
ここで、重要なポイントは、個人負担の掛金も会社負担の掛金も、他の加入員分の掛金も1ファンドの集合勘定として運用されるということです。あなたご自身の掛金として色をつけて資産運用されるのではないということです。
この資産運用で、不足金が発生したときは、原則会社が負担することになります。ファンド運営の責任は会社にあるからです。
最近、この資産運用がさまざまな事情で、うまく行かなくなり、会社が不足金のアナを埋められなくなってきています。ここから、基金解散とか、代行返上という事態になりました。
要するに、日本経済は、製造業の国であって、資産運用の点では三流国なのです。
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