よしーの世界

好きな神社仏閣巡り、音楽、本、アートイベント情報を中心にアップします。

大量廃棄社会   仲村和代 藤田さつき

2024-09-08 07:53:14 | 

私は長年アパレルに勤めていましたが、会社が商品を廃棄したことは一度もありません。勤めて

いたのが中小マンションメーカーでしたので、生産量もそこそこ、利益もそれなりだったからで

しょうか(充分な利益を得ていたと思います)。その頃にも有名ブランドでは売れ残り商品の廃

棄の噂は聞いていました。原価は有名ブランドと普通のメーカーでそれほど違う訳ではないので、

ブランド価値を守るためにしていたのかもしれません。

 

営業をしていて大きな変化は、ユニクロの拡大とファストファッションの隆盛により、その安さ

に驚いたこと。安倍政権下の消費税増税が小売りの現場に大打撃を与えたこと。当時自由が丘の

店長が「やたら値札を見て回る客が増えた」「何枚も試着しても購入に至らない」とズイブン愚

痴を聞きました。

 

アパレルに関して大量廃棄が発生したのは2000年代に入ってからではないでょしょうか、売価が

極端に低下すれば、原価を下げるしかありません。大手アパレルは安い労働力を求め、劣悪な環

境を無視し、大量製造に走ったことが原因でしょう。流行りは短サイクルすぎて、誰もキャッチ

アップできません、おしゃれは自分らしさを見直すことで、量ではない事に気づけば変化するは

ずです。

 

本書の帯の裏に「知っていますか?あなたも毎日、お茶碗一杯のご飯を捨てているということを」

とあります。個人の気づきも大事ですが、関わる人全員が責任を負うことを強調しすぎるのはど

うかと思います。日本では責任の所在を曖昧にする傾向があります。大手アパレルも大手食品メ

ーカーもあまりに利益追求が過ぎる、地球環境に対する配慮が必要でしょう。

 

   大量廃棄社会   仲村和代 藤田さつき            光文社新書

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