伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

保存会作業に参加

2024年02月22日 | 遠野町・地域
 今回の作業は楮の伐採からはじまって、枝を裁断し束ね、釜いれして約2時間ふかした後に楮はぎ(枝から皮をはぐ)と竿掛け、乾燥した黒皮を水で戻ししょしとり(皮から黒皮と甘皮を削ぎ落とし白い皮を残す作業)までの作業を並行して進める。今年に入って新たに作業に参加するようになった方も含めて、粛々と作業を進めた。

 枝は中山の畑で伐採した。



 けっこう太く成長しており、後に楮はぎした皮を見ると幅20cm程はある。太いと切断が難しい。使っている大型の剪定ばさみで挟み切れず、1度では切断できない。ノコギリがあれば良いのだが、あいにく現場にはなかった。四苦八苦しながら枝を裁断した。

 裁断した枝を軽トラに積み込む。



 写真とほぼ同量の枝をもう1台の軽トラで運んだ。
 学舎に運び入れた枝を卓上丸のこで一定の長さに切りそろえる。



 枝を束ねてお湯を沸かした釜に入れる。



 ほぼ2時間後、釜の周りに甘い香り、一説にはサツマイモのような香りが漂い始めたら取り出す頃合い。枝の一端に水を掛けて釜から取り出す。水はびっくり水。熱々に蒸し上がった皮を突然冷やすことで収縮させてはがしやすくする。



 普段は青空の下に、雨が降った昨日は学舎のひさしの下にシートを敷き、その上で楮の皮をはいだ。



 ビックリ水で縮んだ皮を握り、クルッとねじる。そこにできた裂け目から皮を少しむきとり、その皮を利き手でつかんで、芯は反対の手の人差し指と中指に挟み込み、むいた皮は人差し指と親指の間に軽く挟んで引っ張り出す。こうしてするするっと皮が向けていく様は、実に心地良い。先だって体験作業に訪れたミドルベリー大学の留学生達も、そのやり方かっこいい絶賛していた。

 むいた皮は少量ずつ束ねて竿に掛け、乾燥させる。
 こうして1日に、2度から3度枝を蒸す。空き時間には室内でしょしとりをする。乾燥した黒皮にして10kg程度を白皮にしているのではないだろうか。




 しょしとりの手前の桶でしている作業が、私がこの間している作業だ。みなさんがしょしとりをして白皮にした皮のごみや汚れを取り去る。
 後に、紙すきをする際には、白皮のごみや汚れ(傷やカビで出来た変色した皮等)を取り去る作業(塵取り)をするが、水の中で煮た後の皮を広げ、ごみや汚れを探してひとつひとつ取り去る手がかかる作業だ。しょしとりの作業の際には汚れも取り去るのだが、見落としもある。そのため、前シーズンから、皮に付着したごみ(はいだ黒皮など)を洗い流すとともに汚れの有無を再チェックして取り去る作業を加えて、乾燥した白皮をできるきれいな状態で保存できるようにした。

 自分で始めた作業だったこともあって、率先してこの作業にかかる。

 2日間とも午後4時頃まで作業をして今週分の作業を終えた。

 作業の合間にはナナホシテントウを見たり、




花を見たり、




楽しみもある。

 さて、雨が降った昨日は、雪に変わることを恐れてスタッドレスタイヤを装着した車で出かけた。まずワイパーを動かす。すると、ワイパーがぬぐった端っこは黄色く色づいた線となった。

 あっ花粉!

 天気情報で、花粉が増え始めると予測が流されていたが、当たっていたようだ。



 車体にたまる水滴も黄色く色づく。

 私自身は、昨年12月頃から目がゴロゴロする違和感を抱えながら、1月末頃から花粉症の薬を服用している。その効果か、目の違和感以外の症状はなかったのだが、一昨日の保存会の作業中にクシャミが出るなど、怪しい気配が漂っていた。昨日も同様にクシャミがでた。間違いない。花粉の飛散が増えている。



 今はマスクも外していることが多かったのだが、予防が必要だろうか。

 そんなことを考えていると、今日の天候は朝からの雨が雪に変わった。その頃、平にいたのだが、大粒の雪がずんずん空から落ちてきた。



 その後も降雪が続く中、お昼過ぎに自宅(遠野)に帰ってきた。内郷、常磐と降雪が続き、林の木々には湿った雪が貼り付き、雪景色が広がっていた。ところが、不思議なことに遠野に着く頃にはいっさい雪景色は見られなくなり、雪もほぼ落ちてこない。通常は逆だろうと思うのだが、珍しいこともあるものだ。

 今朝の新聞にはミドルべりー大学日本校の生徒のみなさんが遠野で和紙作りを体験したことが掲載されていた。



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