伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

紙作り体験、ご苦労様でした

2024年03月03日 | 遠野町・地域
 ハタチ酒プロジェクト(以下PJ)・・どこかで聞いた名前・・新聞で読んだのかもしれないが、最初に聞いた印象はその程度だった。
 同PJは、2018(平成年度30)年度に活動をはじめ今年で6期目の活動になる。そのめざすところは、市内産の酒米を市内の醸造所で酒とする「純いわき産日本酒」の拡大し、次世代の「飲み手」に日本酒親しんでもらうことを目的に、20歳前後の若者を対象に酒米の栽培から仕込みまでを体験してもらい、「完成した日本酒で大人の仲間入りを祝う」ことにあるという。 

 お酒をいただいてみた。うまかった。というか私好みなのか分からないが、くせがなく、舌から喉を下り落ちていく程よい甘みが心地良かった。

 このPJの中から、お酒のラベルに遠野和紙を使えないかと意見が出され、できれば製造過程を体験したいと、相談にきた。昨夏には地域おこし協力隊の発案で、実施されていた毎月1度の土曜日畑作業に参加してくださり、楮の芽かきなどをしてくれていた。その上での今回の和紙作り体験となった。

 体験は、遠野和紙・楮保存会がこの間実施している、楮の伐採から、楮のふかし、楮はぎ(枝から皮をはぎとる)と皮の竿掛け、しょしとり(楮の皮から黒皮と甘皮を削ぎ落とす作業)、塵取り、打解、紙漉き(溜め漉き)の作業を体験してもらう。

 それぞれの作業を気持ち良く実施してもらったが、打解(塵取りを終えた白皮を木槌で叩き繊維をほぐす作業)では、樫の木製の四角形の棒を使って皮を叩く作業を代わる代わる実施し、作業の大変さを実感していたようだ。また、紙漉きは紙料(楮とネリを加えた水)の汲み方で戸惑う方はいたものの、それぞれの方が、それぞれの方なりの紙を漉いていた。紙漉きは難しいと感じていらっしゃるようだが、同時にその楽しさも感じているようにも見えた。


楮の枝の裁断(釜で蒸すため一定の長さに切りそろえる)

 和紙作り体験は、昨秋のミドルベリー大学日本校の体験事業から始めたもので、これ以降、大東大学生や再度のミドルベリー大学日本校などに提供してきた。今回は受け入れ人数では最大規模の約20人(小中高の紙漉き体験はのぞく)だったが、狭い施設(遠野和紙工房「学舎」)の中だったが、それぞれ真剣に作業に取り組んでくれたようだ。

 どんな形にせよ、市民(関係者以外の意味でいわき市民に限定せず)が和紙に親しんでくれる機会があった。このふれあいを大切にしたいと思う。


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