伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

「バス無料券とは書いてない」。いわき経済報からショートメール

2017年12月09日 | 市議会
 いわき経済報からショートメールで議員だよりNo.2160の記事に関して問い合わせがきました。

 「議員だよりNo.2160に、いわき経済報が記載配布したバス無料券を交付することになったと書いたとあるが、バス無料券とは書いていない。釈明を求めます。メールでコメントをください」とありました。

 手元にNo.2160がなかったので、どの記事か分からなかったのですが、ブログ及び手元にある記事原稿データから、11月定例会の記事を紹介した記事中のものと判断をし、以下のように返信しました。



 画像では読みにくいかもしれませんので、文章化しておきます。



着信

 ●●●●(氏名)です。議員だよりNo.2160に、いわき経済報が記載配布した75歳以上のバス無料券を交付することになったと書いたとあるが、バス無料券とは書いていない。釈明を求めます。メールでコメントをください。
9日17:01


私からの返信

11月定例会一般質問の紹介記事の事ですか。手元に現物がないので、ナンバーは分からないのですが、その表記があるのはその原稿でした。

「バス無料券」の表記は、いわき経済報平成29年89号を見た方の印象からそのような表記になったもので、経済報の表記そのものは、続く文章上にそのまま「利用券」と記載しています。

ただあらためて読み直してみると、記事の初めの方で、「バス利用券」と表記していることから、記事の後半でいきなり「バス無料券」となったことで、読者が混乱したかもしれません。

ご指摘をいただいたので、該当部分を、「バス利用券、この文章を読んだ方が無料券と受け止めた報道」と近く発行される議員だよりで訂正させていただきます。ありがとうございます。



 以上のような内容でした。

 いわき経済報が配布された時、おとり寄りが「良かった」という多数の声が上がったと聞いています。その声は、バス等を無料で利用でき経済的に助かるという期待からだったことは論を待ちません。

 なぜなら、よく聞くことですが、年金の支給額が下がってきて家計が大変という思いがあるからだと思います。

 ですから、「利用券」という表現に「無料で利用できる」という期待を読み取ることは当然ありうる状況です。

 経済報が「利用券」と書いた時、どんな意味をもって「利用券」としたのか、私は知る由はありませんが、郡山市が「高齢者健康長寿サポート事業(はり・きゅう・マッサージ等、温泉等、バス、タクシー共通利用券)」という事業で、利用券を発行しているといいます。

 同市のホームページによると、この事業は70歳から74歳までの方に対して1枚500円の利用券を、年10枚(5,000円分)、75歳以上の方に1枚500円の利用券を、年16枚(8,000円分)を限度として交付する事業で、この利用券は、はり、きゅう、マッサージ等、温泉等、バス、タクシー(ただし70歳から74歳までは、路線バス及びタクシーに利用券を使用することはできない)に利用することが可能です。

 高齢者の方がどのサービスに利用券を使うかは分かりませんが、限度額の範囲内で、バスやタクシーを無料で利用できる制度です。

 本市の場合、公共交通に関する一つの検討課題として、バスやタクシーの活用があげられているものの、具体的な事業として深まった議論がされている状況ではありません。

 同紙を読んだ市民が「無料券」(郡山市の事例を見れば限度額内ならば無料なので「無料券」でも差し支えないと思いますが・・)との印象を受けた、「バスやタクシーの利用券」を「交付することになった」という事実は全くないのです。

 この問題の本質はここにあります。

 「バス無料券」と議員だよりに表記したということで、同紙が私を批判するような文章をネット版か活字版か何かにまた書くかも知れません。しかし、あらためて紹介しますが、同紙が「利用券」と書いたことは、その記事の中に引用等の形で3回紹記載されています。同紙が「利用券」と書いたことは記事の中でも十分周知していると思います。

 しかもその部分の表記はこのようなものです。

 「もう一つのバス無料券の問題は、「いわき経済報・臨時特別号」9月1日付平成29年89号が、『75歳から市民バス利用券実施』と見出しを付け、『いわき市の清水敏男市長は早ければ来年度からバスやタクシーの利用券を高齢者向けに交付することになった』(ママ)と掲載された件です。」

 この表記から見れば、「無料券」は書き手が「利用券」の内容をどのように受け止めたかの表現にすぎず、いわき経済報は「利用券」としていたことは明確なので、あえて訂正の必要はないかな・・。でも、訂正した方が文章は明確になる上に、あらためてこの問題をお知らせすることになりますね。

 この問題は、市長が11月定例会で、市長の発言と同紙の文章との違いを確認する私の質問に、「知りません」「分かりません」と答弁回避を繰り返したこともあり、12月定例会でも引き続きこの問題を取り上げる予定です。

 その質問の折にも、今回のいわき経済報からの「釈明」ショートメールも含めて、質問の意図が明確になるようにしていきたいと思います。

 なお、11月定例会の質問内容を紹介した記事を以下再掲しておきます。活字にする段でてにおはの修正があったかもしれませんが、文意は変わっていません。



磐城平城の櫓は必要か
市長の公約を質しました・11月定例会一般質問


 いわき市議会11月定例会の一般質問は6日から9日まで行われ、日本共産党いわき市議団は年間質問時間の残りが90分のため、伊藤浩之、溝口民子両議員が登壇しました。このうち7日の2番手で登壇した伊藤議員は、9月10日投票の市長選挙で2期目の当選をした清水市長の政治姿勢や公約をめぐる発言の問題点を質しました。伊藤議員が質問を紹介します。

 私が質問で取り上げたのは、①2期目に向かう市長の政治姿勢、②公約の磐城平城の櫓建設、③「75歳から市民バス利用券実施」報道、④イノシシ被害の対応の4点です。

 この質問の中で、市長が事実上答弁を拒否した場面が2度ありました。平地区に整備を述べた磐城平城の櫓(やぐら)建設にあてる費用の問題と、選挙前後に「いわき経済報」が記載し配布した、75歳以上のバス無料券を「市長が(中略)交付することになった」と書いた文章の確認を求めた場面でした。

 櫓の建設は、市長選挙の中で清水市長が③つの夢プロジェクト」の一つとして掲げた「磐城平城の再興」の一環の公約です。

 先の2月定例会に議決された本年度予算では、国の補助金を受けて「(仮称)磐城平城・城跡公園」の用地取得費用が議決されています。あくまで公園整備の予算です。その延長線上に、国の補助金の対象とならない櫓や塀の建設を建設しようというのです。

 これにかかる予算は、三階櫓が4億円、八棟(やつむね)櫓が2億円と試算されています。

 市長はこの費用を「城の再建は、賛同する市民や企業・団体から寄付を募り実現させたい」(福島民報=9月12日)としていました。

 これに対し、「一般財源は使わないのか」と質したことに、「寄付を前提に考えていく」、「市民各界各層から意見をたまわりながら進めていく」と、言を左右にしながら明確な答弁をしなかったのです。

 市長は、「磐城平城を教育に活用する」ともしていました。どのような活用をするのか質したことには、「遠足や校外学習の場」と都市建設部長が答弁しました。櫓の使用目的によっては建築物の構造が変わる可能性があり、その影響で建設費用が試算より膨らむ可能性もあります。

 市長は前日の質問で、選挙中に市民の声を肌で感じたという主旨の発言をしていました。「櫓についてはどんな声があったのか」と質すと、「ぜひやるべきだというような意見、また、議員ご指摘のような意見も承っています」と答えました。

 私が指摘したのは、「平の人でさえ、お城が必要だと思っている人はいないのではないか。今はハコモノの時代ではない。人の暮らしにこそ税金を使うべきではないか」という平住民の声です。
 私は「市民のみなさんの声に静かに耳を傾け、櫓の再興という公約は撤回をすることが市民の声に応える道」と指摘しました。

 櫓の再興ではもう一つ、不正確な情報を市民に発信した問題も指摘しました。

 7月に開かれた平地区のまちづくり懇談会で、「オリンピックが近づくと外国人観光客が増えるので、いわき駅のホームから見えた櫓を見て『オーワンダフル』と言わせたい」と、オリンピックまでに建設するかのような発言をしていたのです。

 質問では補助事業となる磐城平城の公園部分は2021(平成33)年までに建設するとされたものの、櫓部分は明確な完成時期を示すことはできませんでした。オリンピックまでの建設は絶望的と考えていいでしょう。

 「オリンピックまでの建設という発言が、選挙の投票動向に影響を与えたのではないか」という質問に市長は、「例えばの話」「有権者の皆さんがそれぞれに判断していただいた」と言を左右にするばかり、まともに答えることができませんでした。

 前日の一般質問で、市長与党会派の議員から、市長の対立陣営が正しい情報を発信しなかったと批判した上、選挙では正しい情報発信をしなければならないという主旨の発言がありました。

 ところが、市長自身が正しくない情報を発信していました。「選挙をやっているさなかの正しくない情報の発言で、選挙の投票動向に正しくない情報で影響を与えている。それを市長が率先してやっているということになったらば、これは許されるものではない」と強く注意を喚起しました。



 もう一つのバス無料券の問題は、「いわき経済報・臨時特別号」9月1日付平成29年89号が、「75歳から市民バス利用券実施」と見出しを付け、「いわき市の清水敏男市長は早ければ来年度からバスやタクシーの利用券を高齢者向けに交付することになった」(ママ)と掲載された件です。

 この文章を読んだ高齢者から、「良かったね」という声が多数聞かれました。
 ところが、質問で明らかになったのは、バス利用券を「交付することになった」という実態は全くないということです。

 質問では、「実施を決定したのはどの時期か」と問いました。

 ところ市長の答弁は、「高齢者の健康長寿をサポートする取組の一例としてお示しさせていただいたものであり、その取材活動の中で、御指摘のような表現につながったものと受け止めております」という答弁で、「決定した時期」すなわり「交付することになった」という事実は全くないことを明らかにしました。

 ところが妙なのは次の質問への答弁。「市長としては例示だったのだけれど、報道では決まったかのように報道されたということですね」と確認すると、「私の知るところではありません」と何度聞いても繰り替えすばかりです。

 市長が取材に答えた内容と、「経済報」に記載された内容を確認するだけの質問に、重ねて「私には分かりません」と答えるばかりでした。

 市長は単に例示しただけという。ところが「経済報」に記載された文章は、「交付することになった」と、すでに決定済みと報道した。この記載が選挙の投票動向に影響を与えたことは間違いありません。しかし、ここでも市長は「新聞の購読者が判断することだと思います」と、まともに答弁しませんでした。

 また、この正確ではない報道の「撤回あるいは訂正を求めるべきではないか」という質問には、「(無料券を)検討しているのは事実」と、明らかに誤った報道を放置する姿勢を示しました。

 私は「正しくない情報で有権者に判断を迫るのは、有権者を愚弄するもの。市長はそういう政治姿勢にあると認識させていただく」と、この態度を批判しました。

 日本共産党としては、高齢者や交通弱者の交通手段確保は必要で、無料券なども有効だと考えています。そこで、実現に向けた課題をただしました。

 保健福祉部長は、「(高齢者の)必要な支援の方策や程度が異なることが課題であり、公共交通機関の利用が困難な中山間地に対する検討をすすめている」としました。
 課題を解決して早期に実現することを求めました。



 市長の政治姿勢についても2点からただしました。

 1期目の初臨時会で「一党一派に偏らず」とした基本姿勢を2期目は単に「公平公正」としたこと。

 もう一つは「財界ふくしま」のインタビューで、1期目の一部自民党系会派の対応をとらえて「相手の方を応援した市議のみなさんも大人の対応をしてくれた」「1期4年間も本当に選挙直後を除いて大人の対応していただいた」とした問題です。

 1点目について市長は、言葉を違えたことに「特別な理由はございません」と答えましたが、少なくとも、市民から別々に選出される市長と議会が車の両輪として市政を支えていこうというメッセージ性が薄まったことは間違いありません。

 もう一つの「大人の対応」は大きな問題です。

 「1期4年間も本当に選挙直後を除いて」には、この時期に大人の対応がされなかったという意味が含まれています。

 では何が大人の対応でなかったのか。答弁では具体的な事実は示しませんでしたが、選挙直後、自民系会派の志帥会議員や共産党市議団も、市長選の選挙公約を問題視し追及していました。その後、志帥会は議案等には基本的に賛成する対応をとっています。

 辞書で「大人」は、「子どもが駄々をこねたりせず、おとなしいさま」などの意味があり、「大人の対応ではない」は、駄々っ子のような対応などと解することができるぶじょく的な表現です。

 市長を追及するあるいは提案する議案に反対するのは「大人の対応」ではなく、賛成するのは「大人の対応」だと考えているならば、市民の負託を受けた議員の活動、ひいては支持する市民を侮辱していることになります。

 「(議案に)反対する会派は大人の対応ではないのか」の質問に、市長は「二元代表制の市議会の是々非々の立場で、私はそれでいいと思います」としました。

 しかし、インタビューでの「大人の対応」という言葉の使用は妥当かの問いには、「解釈の違いがあると思いますので、ご理解いただきたいと思います」とするだけでした。

 私は、解釈の問題ではなく不用意な発言だったのではないかと指摘し、市長として慎重に発言することを求めました。



※画像の時間表示が昨日となっていますが、記事を書いた後に画像編集を行ったために日にちをまたいでしまい、そのような表示になったものです。


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