伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

議員だよりで議会での留意してきた議会活動について記事を書きました

2020年09月15日 | 市議会



市民の願い実現の力となる会派の垣根を超えた一致点見い出す努力
ーー会派活動の視点に据えたもの



 いわき市議会議員選挙が終わり、新しい議員が決まりました。日本共産党・市民共同の所属議員4人は、9月いっぱいの任期を持って、議会を後にすることになりました。これまでのみな様のご支援ありがとうございます。本紙では、前号まで3回にわたって会派のこの間の政策活動の一端を紹介してきました。今号では、この間、会派として重視した議会活動への対応の一端をご紹介します。


一致点探る努力

 古典的な言葉ですが、「何でも反対の共産党」といいます。現実には反対している議案は少数なので、「何でも反対」はあたらないのですが、一般的になぜかこの言葉が流通する事態がありました。

 当会派はかつては共産党市議団として活動し、現在、誤りを指摘しても是正しない共産党地区常任委員等の姿勢を批判した私の離党にともない共産党・市民共同と名称を変更して活動しています。

 連続する活動の中で会派が到達してきたのは、「何でも反対」のイメージを払拭するために大切なのは、立場が異なる会派とも、理を尽くして一致点を探るために努力するということでした。

議会の一致が実現の力に

 もちろん、会派独自に実現を目指すことは重要です。会派は、定例会の質問で様々な問題を取り上げ、意見書もほぼ毎議会提案するなど、市民の声を政治に活かす努力を続けてきました。

 しかし、提案するだけでは、市民の声を政治に活かすことにはなりません。現実に、これらの提案を議決等につなげ、議会の意思としていくことが市民の声を活かす力になります。

 また、予算編成は市長の権限で、議員にはありません。予算修正も、市長の予算編成権を犯さない範囲で行使できるとされています。

 このような条件の中で、予算が関わる施策を実現するためにも、取り上げた問題を議会の大勢の声とすること、できれば一致して求めることが実現の力になっていきます。

 実際、体験型教育施設を利用する際の交通費の市の補助も、私が質問で2度取り上げた後、保護者の声もあり志帥会の議員が取り上げました。こうした経過を受け、右から左まで、いわば基本的に議会内の意見が一致した結果、市長が予算に組み入れることになりました。

 6月定例会に提出された原発の処理水の対応をめぐる請願も、志帥会議員と私が対応を協議しながら、求められたアドバイスを請願提出者に伝える経過を受けながら、各会派が一致して採択にいたりました。

 採択を受け市は、①国が国民の理解と納得を広げ、いわば風評被害が起きない国民的な土壌を作ること、②それまでの間は処理水を放出しない、などの内容の要望書を、国に提出しています。

家賃軽減でも一致点広げる努力

 これらには、要望に道理があり、話しあいで議会内の合意を広げることができれば、その要望の実現に向けて大きく前進を作ることができると示されています。

 このため会派は、様々な問題で他会派に呼びかけ、その問題を共通認識にしながら、実現を目指す道も探ってきました。

 災害公営住宅の家賃軽減もこうした中で実現に道が開かれて行きました。渡辺議員が、活動の中でつかんだ被災者の声を、党派を超えた共通認識にするため、各会派に呼びかけて住民集会を開くなどの活動をすすめ、実現に道筋をつけていったのです。

議会改革でも役割果たす

 議会改革の取り組みは、このような取り組みを、議会全体に広げる上で有効な取り組みになります。

 議会の報告をする、市民の声を聞く、市民の声を政策化する、議員同士が活発に議論する。当たり前のことですが、これが過去の議会では十分にできていませんでした。

 このため、議員1人ひとりにとどまらず、議会という組織が市民の役に立つと実感していただける議会活動をすすめるために、改革の取り組みが進められてきました。

 ここでも会派は必要な役割を果たしてきました。伊藤、渡辺議員は議会改革推進特別委員会の委員長をつとめ、改革の話し合いをまとめてきたのです。

 前号までの3回にわたり紹介した会派の政策的対応も、各会派の理解を得られるよう道理をもって準備がすすめられたものです。

 こうした取り組みを、4人で議論をしながら進めることができたことは、会派の宝となるものです。

文章=伊藤浩之


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