Cuisine WDYTO30

セックスと美味しいご飯。音楽と美味しいお酒。30過ぎてはや半年以上、食べずらい盛り付けと味付けでアナタにお届け。

二子玉川「牛舌料理 火独楽」

2005-01-12 00:46:20 | 食べる男
常々、仕事終わりの空腹時。

例えば、おいしいカレーライスが食べたいとする。
この場合まず、

「三宿の壷焼きカレーが食いてえ」

となります。

例えば、美味しいかき揚げが食べたいとする。
この場合まず、

「夢吟坊のかきあげうどんが食いてえ」

となります。

このように、現時点での思いつきで摂取する場合、
「今日の何々気分」は、得てして「何処其処の何々気分」となって
多量のドーパミンと一口目の幸せ脳内ホルモン放出準備をととのえ、
海綿体いや脳幹からジュルジュルと分泌されます。

「何食べたい?」

「ウーン。牛舌。」

ウンヌン料理、とかカンヌン風な気分、
とかならまあまだ人並みに選択肢があるものの、
料理つうか食材指定だと1件在るか無いかの場合が多い。

よもや牛の部位指定ならば、
学生時代から月に1度のペースで通う低すぎるテーブル、
地元に程近いベビーカーセレブの街、二子玉川にしかない。

シンボル高島屋の裏通り。
ウマイ店とまずい店が交互に並ぶ不思議な飲食店街の一角に、
棟方志功風のフォントで彫られた情緒ある軒先。

牛舌料理って歳とらねえんじゃねえの。と思うくらい
いつまでたっても変わらぬ店員さんと女将さんの面影、
そして、いつまでたっても常連さんにはならないね。

焼いても、焼きタン(済/まず、ウマイ)
さらに焼いても、タンステーキ(済/さらに、ウマイ)
茹でても、ゆでタン(未/なぜか未体験)
刺しても、タン刺し(済/やみつき)
コトコト煮ても、タンシチュー(済/逸品。まじで、ウマイ)
揚げたって、タンかつ(済/初体験、予想を裏切るやわらかさが衝撃)
捏ねて焼いたって、タンハンバーグ(未/次は絶対食う)
スープにだってしちゃう、タンクッパ(未/コクが大人気らしい)

いやいやいつもの調子で行けば。

季節のお通しを(ジョッキでなく)瓶ビールで味わい、
やっぱり店名を冠したゴマ油の効いたサラダ、
で始まって、胃袋の趣くままに
おつまみ料理を堪能堪能堪能してしかるべきです。

あさりやら、牡蠣のグラタンやら、ナスのはさみ揚げ、
とにかくやたらうまそうに沢山あるのですから。

ここまできてはじめて、焼きタンに赴く。

でタンシチューなどに浮気をしつつ、
(だってものすごくうまいから)
豚カルビなんか頼んでみたりして、
結構おなかは満足してるのに結局、
麦とろゴハンが食いたくなって
至高のカニの赤だしと、とろろ(しょうゆイラズ)が
うねる旨さを醸すこの店名物の定食を頼むと、

また、焼きタンをつけちゃう。

七味をつける。
付け合せのキャベツの漬物がよく合う。

ああ、、至福。

しかもやっぱり完食。
しかも、安い。

ここまで腹いっぱいくっても二人で一万円なんてとてもしない。

ああまた食いすぎた、しばらく牛舌はいいや、
と思ってられるのがせいぜい1ヶ月くらい。

なので、
またヒトツキ後にはあのひくーいイスとテーブルで
うめえうめえといってる訳です。

次に牛舌が食いたくなるのは来月の中頃か。
誰か、薄給の若造でも腹いっぱい牛の舌が味わえる、
新しい選択肢を。

でないと、また。

For All The Cows/Foo Fighters



自由が丘「居酒屋 てっぺん」

2005-01-07 13:51:12 | 食べる男
テレビはほとんど見ない。

でも土曜の夜に家にいるときは必ず、
「あなたの町の宣伝本部長」で「おまっとさんでした」を見る。

そんなタイトルに「!」のついたテレ東の真骨頂で、
ウチから程近い自由が丘が取り上げられていたとき、
元ミス日本がオススメしていた勢いのある居酒屋さん。

以下の一見時を元に、この日二度目のお伺いだった。

初めて行ったのは、仕事終わりの自由が丘集合。
店も決めずに元ミス日本を思い出してフラと入ってみた。

「ハイ いきます」
出迎えてくれたお姉さんがポツリ。

「ぅいらっしゃいませぇ!」

いきなり耳を劈く歓迎のご挨拶。

スタッフ全員の怒号でお出迎えとお見送り。
このお店、挨拶が日本一なんだそう。
聞けば有名企業が開店前の朝礼に見学にやってくる。

もっと聞けば、日経レストランの覆面調査で98点の実績。

熱い。でもとてもさわやかで礼儀正しいスタッフ達。
気の遣い方がとてもソフトで、でもなぜか熱い。

ただの声がでかい居酒屋なら、もう一回行こうとは思いません。

カウンターにならんだ大皿の角煮やお惣菜、焼酎瓶を眺めつつ
オススメに書かれたメニューを一通り頼んで見た。
一見、そこいらのオサレ居酒屋と変わらないラインナップ。

が。

ソバのフライを細かくしたタルタルソースのサラダ、
じゃがいものピューレをのせた角煮、
自慢の串揚げとおでん(特にトマトと岩海苔)、
石焼うなぎご飯、

どれも抜群にウマイ。
それに好感接客が相まって、
時流に遅れるように最近飲みだした焼酎が
クピリクピリとすすんで行く。

このときは電車だったこともあり、
一通りビール>晴耕雨読>神座ときて
カウンタ越しの元気な兄ちゃんに
オススメの芋をきいたら見たこと無いのが出てきた。
「さつま相良兵六」
おおうじゃあそれ、とこれがまたウマイ。

焼酎の話はまたにして、驚いたのは、
二度目のこの日伺ったのは1ヶ月ぶりくらいだったのに、
それを当お兄ちゃんが覚えていたこと。

「以前にご来店いただいたそうでー」
と、違うスタッフ(ケンちゃん)から声をかけられ、
その奥で前回の兄ちゃん(ショウちゃん)が
不敵な笑みを浮かべている。

「今回は僕のオススメをのんでください!」(ケンちゃん)

確認しますが、どこにでもある普通の居酒屋です。
決してこじんまりしたスナック風のゲイ店とか
カウンターしかないバーではありません。

たしかに2度ともカウンターにすわったけど
常に満席に近い店で、しかも1ヶ月以上間あいてるのに、
そんな気の利くスタッフの育て方に感心しきり。

店内には所々に「日本一」をめざす訓示。

スタッフは全員なにかの日本一、という元気ブリ。
ちなみにこの小粋な兄ちゃん(ショウちゃん)、
元気を与える男日本一」


まだまだ23位

オープン1周年も迎えないこのお店、
なんだか本当に日本一を予感させる
おもてなしと料理、笑顔が元気。
てっぺん取ったる夢を思わせる勢いがありました。

ああ角煮とトマト食いたい。

というわけで来週も、行きます。


Nice Guys Finish Last/GreenDay


たまブラーザ「simpatica<シンパティカ>」

2005-01-06 18:51:34 | 食べる男
ピンとくる店には自信がある(いや、あった)。
店構えとか立地とか一番最初に目にはいる店員とか
あと店先の看板の書き方とか、トイレとか。
所謂雰囲気でうまいかうまくないか、まあ分かる、つもりでおった。

当たらない、ねえ。本当に。

前日の焼肉暴食が祟り、オレハラヘッテナイ、とかいいながら
連れてかれるがままにフラフラとはいっていったそんなお店で、
衝撃の生ハムと出会う。

ガーン。

とてつもなく、ウマイ。まずこれを食え。

上級の生ハムなんて食いなれないけど、もう口に入れると
「甘く切なくトロケル」くらい美味しい自家製の生ハム。しかも日本産。

初めてまともに飲むシェリー酒だって、
ホフク前進から猛ダッシュでススムススムススム。

雪の降り積もる秋田に生ハム小屋があるらしいのです。
いわゆるスペインの田舎で作るハモンセラーノというスペイン風の生ハム。
ああああ、もしかして堪能したのはこ↑のハムかな。

ここは酒場であり、カフェであり、食堂です。」

見た目はどこにでもありそうなまったくフツーのカフエ。
たまプラーザの駅前にある商店街のしかも一番はじの方、
大衆居酒屋やコンビニが、新興マンションと入り混じって
軒を連ねる一角に、昨年の夏前に夫婦オーナーで開いたのだそう。

<お好みの小皿料理>
砂肝のオリーブオイルに漬けた炒め(名前がわかんないけど、長ウマイ)
オムレツ(劇ウマイ)
アンチョビのサラダ(針ウマイ)
モロッコ風豚肉の串焼き(モロッコウマイ)
海老のコロッケ(晩ウマイ)

何を頼んでも、どれから食べても、
本当に小皿。本当にウマイ。
何がいいってハズれない。
本当に何がいいって、空いてる。
まったくもって空いてる。

でもあえて宣伝したい。
何ならブランドパネルを補填扱いで出稿させて満席にしてみたい。
たまプラーザていうへんちくりんな名前の駅に
非日常に限りなく近い日常がありますよ。て。

私たちは"この街の日常"でありたいと思います。」

座ってメニューを覗いたときはまったくピンともこなかったのに。

ああこんなお店を日常にしたいと思います。

Spanish Castle Magic/The Jimi Hendrix Experience

駒場東大前(代沢)「焼肉 韓てら」

2005-01-05 23:56:38 | 食べる男
肉を食らいたくなるね。うん。なる。

おせち→カレーときたら、ジュ・ワーに決まってる。

しかも連休明けで人もまばらな会社に行ったって、
新年早々一直線に部長にゴアイサツに行ったって、
昼飯ついでにタクって明治神宮まで行ったって、
やる気なんか、でなあしない。でやしない。

スライムみたいに半液状化した正月ボケは
炭火で炙って網目をつけて、ほうばるしかない。

「手、冷たいね」

「うん。心があったかいからね」

みたいなやり取りと同じくらい当たり前のように、
淡島通り沿いのいつもの焼肉屋へイザナワれました。

店の前には相変わらず高級外車がズラリ。

まず店先で出迎える店長さん(多分)が違う。
やせたチョウ・ユンファと見紛うばかりの男前香港スター。
ママさんと思われるチャイナドレスのスラット奥方は、
決して愛想笑いを見せたりしないー。ソオオナイス。(陽水)

タレントやらミュジシャンやら芸能業界の客が多いらしいのは、
絶対この二人の過去が関係しているに違いない。知らないけど。
聞けば宇〇多一家もそろっていらっしゃるとかそうでもないとか。

広めの店内には個室もあって(部屋代だけで一万円だそう)、
見た目は叙々苑並の威圧感だけど、なぜか入って見るとそうでもないところ。

学生のころ、焼肉と言えば牛書くだったに違いない。
といってもまだまだジョジョ苑までは自腹では行きません。

そんな30手前のヤモメ財布でも十分満足、かつ程よい贅沢感が味わえる。

旨ーい焼肉なら他にも沢山あるだろうけど、
ここ4,5年、初めてのオデートでも「焼肉いこうよ」
と普通に誘える貴重なお店です。

タンからハラミ(どっちもほぼ売り切れてた)、ロースにカルビ
トントロ、地鶏まで一通り、一番上でなくても、十分にウマイです。

ビールではじめて、ユッケ、韓てらサラダ、味噌タン、地鶏、
スープをはさんでカルビ、マッコリに変えて、コムタンクッパ。
最後に小豆杏仁でマンプク、してもオヒトリ5000円ちょっと。

もうちょっと贅沢するならハラミと上のカルビでご満悦。

韓てらカルビをほうばって、
コムタンの米をすすりながら、
酸い目のマッコリをグビっとしたら、
ほうら今期も乗り切れるでしょ、と
レジ越しにユンファとスラットが微笑んでおりました。

どうですか。お客さん。

ジュ・ワーてしたくなってきた。な。


Machinehead/Bush








おせちに飽きたら。【蓮沼 お好み焼き「福竹」)】

2005-01-03 23:35:56 | 食べる男
サンガニチももう終い。
心底毎日がお正月だったらいいのに、と
真剣に悩みだす正月も3日目になると
「おせちもいいけど・・・」
素晴らしいコピーはレトルトカレーのCMだったけど、
要はカレーやらラーメンやら俗ぽいものが恋しくなるタイミングです。


口にしたヒト誰もが、「お好み焼きの概念が変わる」と。

そんなお好み焼きを出す店が鎌田のほうになるあるらしい。
某深夜番組で紹介されているのを見て、
こらあいかなと向かったのは肌寒い11月の中頃。

寂れた蓮沼駅の商店街のしかもはじのほう、
路駐もできない幹線道路沿いにひっそりと佇んでる。
一度見つけても、次はゼッタイまた迷う感じ。

オカミサンと思われるおばちゃんと、足のキレイなオネエサンがヒトリ。
お店の雰囲気から焼きまで、全てをコントロールするのはもちろん。

どんな店かはトリセツのページを見れば分かります。
「お客さんは何もさせてもらえません」が云い得て妙。
とにかくよくしゃべる。

「もしかしてあんたたち、はじめて? はあああああ。」(おでこに手)

初対面とは思えない、竜ちゃん並のリアクション。

テーブルの手前に瓶ビールが置いてあったひにゃあ
「ちょっとアタシの戦場になにおいてんのよ。邪魔よ邪魔。ここはねえええ」

「あんた一人っ子でしょう。あ、妹がいるの?そらよっぽどあまやかされたね。」

「そのタバコの吸い方、あんたA型でしょう」

隣のテーブルで焼かれる砂肝を尻目に(次はゼッタイ食おう)
空腹をビールでガマンすることしばし、つまみのナス焼きと
はんぺん(これはウマイ)をいためてもらいながら
ようやく豚天の種が登場。

「ちょっと。あんたいつものとおりにやってみて」

どうやら一見さん相手には、これがこの店の流儀の様子。

連れがおっかなびっくり種をまぜていると、ものの数秒で
ダメ、次あんた。と。かなり大胆にまぜたつもりが

「あんただちいままでなにたべてきたのよ」

当然ですが、繁盛店なので全く悪意は感じられません。
悪気がなく、笑えるところを上手にいじってきます。
とても某占い師とは比べ物にならない、好感毒舌。

「こうやって混ぜんのよ」(鉄板の上にキャベツもアゲもとびまくり)

「うちはねえ―あんた。この味に10年かかってんのよ」

「あの時計が15になったら、もう一回呼んで。裏返すから。」

本当に何もする必要がない。
ビールではんぺんを味わいながら、聞いてるだけ。

ここまでいじり倒されて、
(しかも一枚焼くのに20分以上かかる)
たいしたシロモノじゃあなかったら
そら太田区の消費者生活センターに連絡だ、と。

絶品、です。

本当に食べたことのない、お好み焼き。
外はぱりぱり、なかはふわふわ、種も野菜も
甘くてトロっとしててアツアツのポワンポワン。

しかもなんでそんなに美味しいのか、よくわからない。
月島にはよく行ったけど、お好み焼きって、云ったって
まずいのは置いておいても、普通に美味しければ
それ以上はどうやったって大体一緒な気がする。

素材がいいのか、焼き方が絶妙なのか、それともオカミサンの非凡な才能なのか。

あ、というまに豚天と福竹天(お好み焼き)2枚、それに
焼きそば(これがまた、ウマイ)を平らげ、お会計の際にはしっかり、

「うるさいお店ですみません。マタ来てくださいね」

と足のキレイなオネエサンから手渡されたお店の名刺にはしっかり

「テレビ雑誌で評判のお好み焼き」

と書いて有りました。

そんな(こんなに)、お好み焼きが食べたいのに、
自宅でコンビニのカレーを食して
あすのシゴト初めに備える3が日の夜、です。


Are you ready?/Creed