繁盛店の彼女は臆面もなく私のことを「アサワコ」と呼ぶ。夫婦でもなんでもない間柄なのにそう呼ぶということは、「これはゴッコだよ」と言っているのと同じ意味だ。
本当に夫婦(アサワ)になるという事は彼女の親兄弟を自分の身内にし、自分の親兄弟を彼女の身内にするということだから、本人達だけで決めることができる代物ではない。
「私の愛する人」という意味の「マハルコ」はある意味正しいが、それも約束されたものではない。彼女たちにとっては約束は神様とするものであって人とするものではないから、ニキビをつぶすように簡単に人を裏切ることができる。
「ハニーコ」も「スウィート」も同様に意味を持たない。
かつて「エッグパイコ」というのもあったが、こういう特殊なものは単にバカにしているとしか思えない。