テープレコーダーを見ると必ず思い出す出来事がある。。。
はっきり言って、あの時は恐怖を感じた。
忘れもしない、12年前のこと。。。私とDaddyの出会いは
以前、ブログで書いたので省きますが、付き合い始めて、すぐに
倦怠期が襲ってきました。
私、血液型がB型なんだけど、だからっていうわけじゃないけど、
マンネリが嫌いなんです。
奴とのデートってベース内でDinnerして、その後、ビデオ屋で
ビデオを借りて彼の独身寮の部屋でビデオ鑑賞するっていうのが
定番だったの。
そんなの週3日も続けば、私は飽きてくる。
なので、
「ねぇ、外に飲みに行こうよ。」
「ドライブに行こうよ。」
「たまにはオフベースで食事しようよ。」
とか言ってたの。でも彼の行動守備範囲がベースなのよね。
毎日、違うメニュー頼んでもいい加減、飽きるでしょ。
「わかった。外でご飯食べよう。でも店を決めるのは
オレだからな!オレが払うんだから、オレが決めるのが当然だろ。」
が奴の口癖だった。自分が行きたい店の場合、私が奴の分まで
払わなきゃいけない。昼間にフツーのカップルのように、ショッピング
に出かけたり、公園でのんびりしたり、ピクニックしたり、
映画館で映画を観たりしたかったんだけど、昼間には会ってくれな
かったんだよね。それに映画館は大嫌いなんだって。
土日だって休みのはずなのに、
「ちょっと仕事が残ってるから。。。」
と言って、朝には彼の部屋から追い出された。
仕事というのはウソで、他の女の子と会ってたのかもね。
夜だけしか会わない、マンネリデートにうんざりしてきた私は
奴を変えたくてしかたなかった。
ある日、仲の良い友達に相談した。
「じゃぁさ、Bonitaがお弁当を作って彼の部屋で食べるのって
どう?彼の部屋で手料理を作ってもいいんじゃない?」
うん、これは趣向が変わってていいかも
ピクニックに行きたくないって奴がいうなら、私がお弁当を作って
きて、奴の部屋で食べてもいいな~。(ベースの食事も飽きたしね)
早速、彼女の意見を参考に、頑張って和洋折衷の料理を作って3段の
重箱に詰めて、奴の部屋に行った。
「Bonita。。。食事に行くぞ~」といつもの奴のセリフ。
「ちょっと待って~!私ね、お弁当作ってきたから、今晩は
ピクニック気分で部屋で食べようよ。
ベッドの上で食べるのはどう?」
私は大きなテーブルクロスも持参してきたのだ。
「え????」
と奴の反応はイマイチ。。。。
「。。。。別にいいけど、でもベッドの上は嫌だからな!」
3段重箱を開けたけど、野菜がキライな奴は手とつけず、唐揚げと
ピラフしか手をつけなかった。
「どう?おいしい???」
「。。。オレあんまり腹へってないから、お前食えば?」
と好反応ではなかった。後でわかったんだけど、日本食はあまり
好きではなかったんだよね。
そっか、お弁当もダメなら、と思って今度は彼の部屋のキッチンで
料理することにした。私はパスタが好きなので、材料を買ってきて
奴の好きな“カルボナーラ”を作った。これはウケたんだけど、
手料理作戦もあまり長くは続かなかった。やっぱり奴はいつもの
とこで、食事をしたいの。
マンネリが長く続くと、イライラしてくる。こっちは何とか打開策
を考えてたのに、奴にとってはマンネリとは思ってない。
ベッドの上でもそうだった。。。マンネリなセックスって大嫌い!
どうにも相性が合わない。。。
それでもお互い努力すれば、何とかなると思ってた。
自分さえ満足する体位ばかりなんだな。苦痛でしょうがない。
同じ手順で同じ体位で同じ終わり方をする。。。苦痛で顔をしかめ
たくなって、不機嫌な顔をよくみせた。
「何か不満があるわけ?」と聞かれた。
アメリカ男にはハッキリ言わなきゃいけない。
「マンネリに飽きたよ。食事もデートもセックスもいつも同じじゃん。
マンネリしすぎて飽きない?変わったことしようよ。」
「マンネリ????何それ?どういう意味?オレは飽きてないよ。」
この男、マンネリの意味さえわからなかったんだよね。
お互い、いつまでも新鮮な気持ちでいたかった。
それにはお互い、努力しなければならないんだよ。
とことん話し合ったの。でも奴は私の気持ちがよく理解できずで、
「お前、オレに飽きたのか?オレがお前を満足させてないのか?
オレとのセックスが嫌なのか?やっぱ若い男がいいのか?」
と不機嫌に言ってきた。私が言いたかったのは長く続かせるなら
お互い努力をしてみようということだけだったの。
全て、奴のことを否定してはいなかったし、奴には奴の良いとこだって
あったから、努力しようと提案したの。相手の気持ちもわかる努力を
してほしい。。。
でも奴は何を勘違いしたのか。。。ここからが本題です。。。
ある日、
「今週末、オレの友人と交えて食事&飲みに行こうや!」
と言い出した。私は断る理由もないので
「いいよ。」と奴と一緒に行った。
レストラン&Barに行ったら、奴の友達、確か。。。私より3つ上
くらいのアメリカ人男性が待ってた。
「どうだ?まぁまぁイイ男だろ?お前好みじゃないか?」
「。。。まぁ悪くはないよね。」可でもなく不可でもなく。。。
そこでたわいもない話をしながら食事して1~2杯飲んだ。
その彼が私にスキンシップしてきたり、じゃれあってきた。
それをみて、奴はご満悦。
こういうのを見てこの男はエキサイトするの?
なるほどね~。私が楽しいと思ってるんだ?
「お前たち、なかなかイイ雰囲気だったじゃん!」とニコニコ顔。
その後、その彼は帰っていったんだけど、
また次の週に
「この間のオレの友人が飲もうっていうから飲もうや!」
と言ってきた。なんか変な胸騒ぎしながらまた3人で、今度は
ベースのBarで飲んだの。
3人で飲んでると、奴の同僚が
「今、連絡あってトラブってるってさ!至急来てくれってことだ!」
と奴に血相かえて言ってきた。
「仕事でトラブったみたいだ。オレ、ちょっと行かなきゃなら
ねぇからお前ら、オレの部屋で飲んでてくれよ。」
「え?だって。。。」
って躊躇したよ。
「すぐに戻ってくるからリラックスして飲んでてくれよ。」
と言って強引に私とその彼を奴の部屋に連れていった。
「すぐ戻るから!オレが戻るまで待っててくれ!」
と言って、部屋をでた。。。。
仕方ないので、私達はたわいもない話をしながら飲んでたんだけど、
一向に奴は帰ってこない。。。段々と私のお酒がすすむ。。。
「Daddyってば遅いね~」
と言いながら、ひたすら飲んでた。けっこう私達は酔っ払ってきて
ケラケラ笑いながらじゃれてしまった。
お互いの洋服も乱れてくる。でもまぁ、この間、私達がじゃれあって
たのを見て、Daddyはご満悦だったよね~。ちょっとくらいかまわないでしょ。
私がこの彼と遊んでもらいたいと思ってたのは事実だった。
それが奴の望みでもあった。
その彼が、「Daddyが、あまりにも遅いから僕は帰るね」
と帰ってしまった。その彼が帰った直後に奴が帰ってきたの。
「何かあったのか?」とちょっと様子が変。
「いや、別に。。。二人で飲んでたんだよ。でもアンタが
遅いからさっき帰ったよ。」
そしたらいきなり奴は
豹変した。。。
「ウソつくな!!オレはお前らをずっと窓の外で
監視してたんだ!」
え?どういうこと?
私は状況が読めなかった。
「窓が少し開いての気がつかなかったのか?」
「え???え???」私はパニックになっていた。
「それにカウチの下にテープレコーダー置いて、
お前たちの会話を録音してたのも知らねぇだろ!」
と言って、小型のカセットテープレコーダーを取り出した。
「お前たちの楽しそうな会話なんて聞きたかなかったよ!」
と言って、目の前でカセットを取り出し、テープを全て引っ張って
引き出した。
「オレは寒い中、震えながらお前らがじゃれあってたのを
見てたんだ!
何で、“私にはDaddyがいるからヤメテって言えねぇんだよ!」
私は愕然とした。

これは計画的に仕掛けられた罠だったんだ。
奴の同僚も奴に頼まれて、「トラブった」なんて芝居させられ、
仕事場に行ったと見せかけて、実は部屋の庭で一部始終、私達を
覗き見してたんだ。
「この~!お前ってやつは!!オレはお前を信じたかったのに!
お前と結婚してもいいかとテストしたけど。。。
お前はオレを裏切りやがって。。。」
と激怒して、私の顔を思い切り何度も殴った。
あまりの痛さに失神寸前。顔は腫れあがり、ショックと痛さで
うずくまった。
「じゃ。。。なんで、アンタの友達とじゃれあわせたの。。。?
なんで?お前が楽しければいいって言ったのは何なの?」
と痛いのを我慢しながらかすれ声で聞いた。
「バカか?
オレがお前のために連れてきた男だ。
オレと一緒の時は奴と何してもいいよ。
だがな、オレがいない時にいちゃつくのは許せねぇ!」
確かにそうかもしれないけど、こういうやり方ってある?
私が悪かったと思うよ。何度も土下座して謝ったけど、
余計奴は罵倒し続けた。ここで私はこのサイコな男の本性に
気がつけばよかったんだ。だけど、私は自分を責めつづけたんだよね。
私は腫れあがった顔を冷凍庫にあったウォッカのビンで冷やした。
そして
この男と別れよう
と決めた。自分の私物を片付けて、一睡もせずにリビングにたたずみ
次の朝、家に戻った。
私の顔は誰がみてもわかるくらい腫れてた。
亡くなった私の義父が朝方帰ってきて、私の顔をみるなり
「Bonita!どうしたんだ?その顔!男に殴られたか?」
顔をひたすら冷やしながら、
「。。。違う。電信柱にぶつけた。私、ドジだから。。。」
というしかできなかった。あまりにも下手のウソだ。
その後、奴に
「お前が反省してくれさえすればいい。オレはお前が好き
なんだよ。。。」
と言ってきて、何とか私をつなぎとめようとしてた。
私は自分をとことん責めつづけて、誰にもこんなこと相談もできずに
奴に言いくるめられた気がする。
あまりにもショックでその後、どうやって元のさやに収まったのか
覚えてない。。。
しかし、テープレコーダーをどこかで見かけると、未だにあの
奴の計画的犯行を思い出す。あの時点で奴の異常さに気づき、
別れてたら、私の人生は違ったものになってた。
あの異常な行動は私に対する「愛情」だと勘違いしていた。
なんて無知な私だったんでしょう。。。
あれが序章だったのかもね。。。