京都walker

「京都」の街を歩いて、歴史・文化を楽しむBLOGです。

studio Eitoku

2007-10-31 01:02:19 | ART
狩野一派・・・永徳の祖父元信時代からプロフッショナルの絵師集団を
率いて、天下人、寺社仏閣、有力大名からの作画要請に対応していたようです。
スタジオジブリの桃山時代版でしょうか^^;
その中心の永徳は、現代ビジネスマン同様、膨大な仕事をこなし、48歳で没する
直前まで東福寺法堂の天井画(蟠龍図{ばんりゅうず})を制作していたとのこと。
怪物絵師として他の追随を許さない、圧倒的な才能で画壇の頂点に君臨しつつ
たいへんなストレスも感じていたのでしょう?何となく気持ち分かります・・。

そんな永徳がその前半生に描いた山水、花鳥、人物画はほとんどが精緻を究めた
「細画」でした。その代表作が、これです。

・・・「洛中洛外図屏風」 国宝 米沢市上杉博物館蔵・・・

信長が上杉謙信に送ったと言われています。
凄いですよ!この絵・・・。上の写真は屏風の2枚分ですが、実物はこれが
6連になっていて、さらに左右一対の大作。
金雲たなびく京の街の中の建築、町衆の様子が細かく細かく描かれていて
人々のさんざめきまで聞こえそうな模写です。人物は計2485人だそうです。
上の写真の右下には祇園祭の山や鉾まで描かれているのが分かりますね。
この絵、先まで行ってまた戻ったりして、3回ほどじっくり観ました。
雪の積もった金閣寺や、清水寺、五条大橋や室町通り・・・発見しては
喜んだりして・・・
 この絵は永徳さん、きっと義務だけで描いたのと違って作品を楽しみながら
描いてたのと違うかなぁ~?永徳20代の青春時代の作品です。

永徳の後半生は前回の記事のトップの写真「唐獅子図屏風」のように風格雄大
な大型作品(絵の対象も、巨大な樹、枝とかが多かったです)の「大画」です。
こちらは戦国武将の覇気を画筆に乗せて現した作品群でした。
また、その間、天下人の人物画も描いていて(描かされていて??)、教科書で
見るようなこんなのもありました。

・・・「織田信長像」 京都 大徳寺蔵・・・
神経質で怖そうな信長が描かれています。この仕事は永徳さん手が震えたこと
でしょう。実際、安土城の障壁画を描きに安土まで長期出張する際は、信長に
気に入られるかのリスクを考えて、弟に家督を譲ったとさえ言われています。

素晴らしい桃山時代のアートの寵児:狩野永徳・・・戦国の時代を突っ走り
狩野一派の盤石な基礎を造り、日本画のパイオニアの絵が今京都に集結してます!

拝啓 狩野永徳様

2007-10-28 00:53:04 | ART
   
信長さま、秀吉さま、ご推奨!!天下をとった絵師、京都に見参。
 ~ 30日間の奇跡。-その迫力にかなうものなし ~
 特別展覧会「狩野永徳」 2007年10/16-11/18 @京都国立博物館

こんなコピーを見たら、勝手に足が京都に向かいました・・・^^;
雨の週末。午後には小降りになり、いざ上洛です。

京都東山七条。三十三間堂の向かいの、この明治建築が今回の展覧会の舞台。
私のお気に入りの京都建築のひとつ・・・もう嬉しくて^^;
(人気の展覧会で、入場に1時間待ち。ご注意を!)

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少し解説
 障壁画の黄金時代となった桃山画壇の寵児、狩野永徳(1543-90)。
安土城、大坂城、聚楽第などに剛腕をふるった永徳の豪壮華美な金碧濃彩の
障壁画のほとんどは戦火に遭って烏有に帰し、代表作を一同にした展覧会は
開かれたことがなかったとのこと。
 今回、史上初の大回顧展として旧御物3件、国宝5件を含む国内外の名品を
はじめ、新発見、初公開の作品を網羅し、真の天才とうたわれた永徳芸術の
神髄に迫ります。さらに父・松栄、弟・宗秀らの代表作も加え、桃山時代の
狩野派の全貌を紹介しています。
 京都出身の永徳・・・観ていてぞくっとするくらいの作品が並びます。
狩野派といえば、二条城の障壁画や南禅寺の方丈の襖絵の作者、狩野探幽くらい
しか名前が出ない私ですが、今回、永徳を始め、彼に英才教育をした祖父:元信、
父:松栄、長男:光信・・・と狩野一派のことも分かり充実した展覧会でしたよ。
また作品のことなどは後日・・・。


海遊館界隈

2007-10-27 01:38:58 | 大阪
このシリーズのラストです!

秋の夕陽はつるべ落とし・・・午後2番からの時間、美術館でのんびりと
過ごしていたら、あっという間に外はこんなん・・・
美術館から海遊館方面を眺めてみました!ブルーのライトがいいですね。


せっかくですので、海遊館のエントランスの電飾を(ジンベイザメです^^;)


もうひとつ、大観覧車のイルミネーションはいつ見ても綺麗です!
大好きなアーティストの作品をたっぷりと見られて、贅沢な時間を過ごせました。
大阪ベイエリアのアートはいかがでしたか??

ロートレック展

2007-10-24 00:24:54 | ART
ロートレック展・・・少し紹介しますね。

  
■「ディヴァン・ジャポネ」
 モンマルトルにオープンした「ディヴァン・ジャポネ」(日本の長椅子)
 という酒場のために製作されたポスターです。
 黒と黄の渋い色使いがいいですね。

       
   
■「ムーラン・ルージュ・グイユ」(左)
 ロートレックの行きつけの歓楽場「ムーラン・ルージュ」のために
 製作した、彼としては初のポスター作品。

■「アンバサドールのアリスティード・ブリュアン」(右)
 アリスティード・ブリュアンは19世紀末のパリのモンマルトルで人気のあった
 シャンソン歌手。彼のコンサートのポスターはロートレックにしか描かせ
 なかったとの事。鮮やかな色彩の大胆な構図の作品ですね・・・

ロートレック・・・パリの名門の伯爵家に生まれるが、少年時代の事故により
下半身の成長が止まってしまいあととりになれず、画家としての道を選ぶ。
キャバレー“ムーラン・ルージュ”のポスターが認められ、ポスター画家
としての地位を確立し、37年に満たない短い生涯に多くの傑作を残しました。

油絵とかもたくさん展示されていたのですが、ロートレックといえばやはり
ポスターですね。工業デザインにも通じるこの手の作品が私は好きです。
訪れた日は週末にもかかわらず空いていてゆ~っくり鑑賞することが出来ました。

サントリーミュージアム

2007-10-21 02:06:19 | ART

梅田で食事の後は、私を除いては帰宅・・・
で、私はせっかく市内まで来たんで、この秋のアート第2弾としてここへ・・・

     
春に「ダリ展」に来て以来2回目の訪問・・・
海側からの眺めもなかなか素敵な安藤建築、大阪天保山のサントリーミュージアム。


秋の楽しみだった「ロートレック展」に行ってきました。
         パリ、美しき時代を生きて
★ロートレック展  サントリーミュージアム天保山  2007年9/11~11/4

anniversary

2007-10-20 01:35:43 | My Life

10月のとある週末・・・一休家のとあるアニバーサリーを祝して・・・
梅田のここでお昼に全員現地集合(vegaを除いて^^;)・・・vega許せ・・・
大きなテニスバッグかついで来る人や、梅田の地下街で迷ってる人や^^;
ようやく集合で、行ったのはこの左側です。


ここには、「中自然の森」と呼ばれる直径70mの円形庭園があって都心ですが
静かで優雅な景観・・・庭園からのエントランスの右側がレストランです。


吹き抜けのアトリウムがすごく明るく開放的で、ガラスの壁面を通して
緑の庭園を観ながらのランチを楽しんできました。
(料理の写真は苦手(D40は接写ができません!)なのでいつものグラスだけ)

レストラン「アマデウス」@THE WESTIN OSAKA

なにわのウィンブルドン

2007-10-17 00:56:26 | My Life

なにわのウィンブルドン大会・・・世界スーパージュニアテニス選手権大会決勝


優勝は奈良くるみさん(大阪・大産大付高:15歳)
日本女子選手の優勝は2002年以来・・・元気と気迫だよ・・・


準優勝のニコラ・ホフマニバさん(オーストリア)・・こちらはレディの雰囲気!

この間の日曜日・・・
一日しかない休日をゆっくりしようとしてたら、チビから出動要請。
部活でテニスをしてる関係でこの大会のチケットを持っていて、
「行き方が分からないから~」ということで昼前から連れて行ってきました^^;
場所は、大阪の地下鉄本町駅からすぐの靭(うつぼ)公園。
昔テニス選手の私も初めてのセンターコートでの応援にエキサイト・・・
15歳で世界を転戦し、大舞台に立ってる彼女たちはホントに輝いてましたよ

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平成8年度から大阪市で開催しているこの大会は、ウインブルドンジュニア、
全米ジュニアなどとならぶジュニアテニス世界最高峰の大会のひとつで、
毎年内外のトップジュニア選手が集まり、さわやかなプレーを見せてくれます。
 大阪での過去の出場選手のうち、アンディ・ロディック、アメリー・モーレスモ
などは、現在、世界ランキングのトップを争う選手に成長しています。

続・日曜日の音楽

2007-10-14 19:35:40 | 映画・音楽
     
     Essence of life ”love 
       
前作の「Essence of life」に引き続いての・・・
のんびり日曜日、リラックスタイムに聴きたくなる極上のカヴァーアルバム第2弾

前作は、SOTTE BOSSE(ソット・ボッセ)の作品でしたが、今回のはSomaはじめ
実力派のアーティストの競演です。
今回は洋楽カヴァーも収録したコンピレーションアルバム!!
誰もが口ずさめるお馴染みの曲を、各アーティストが素晴しいアレンジで聴かせますよ。

1. 浪漫飛行    (Soma)
2. 南風      (Asa festoon)
3. 口笛      (Asa festoon)
4. 遠く遠く    (Soma)
5. ノーサイド   (MOTIVA.)
6. DANCING QUEEN (THE EMIGRANTS)
7. ROCK WITH YOU (THE EMIGRANTS&BE THE VOICE)
8. VIDEO KILLED THE RADIO STAR(THE EMIGRANTS&BE THE VOICE)
9. 青空      (MISA JOEY)
10. らいおんハート (Asa festoon)

オリジナルを気にせず、のんびり聴きましょう^^;
私は、ユーミンのノーサイドはもちろん、懐かしのABBAのDANCING QUEEN や
バグルスのVIDEO KILLED THE RADIO STAR(ラジオスターの悲劇)の
優しいアレンジに感動してしまいました!

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週末金~土に宿泊出張があったから、今日はゆっくりと思ってましたが
昼前からチビに動員され市内へスポーツ観戦・・・これはまた後日に・・・
夕方に帰宅して、↑のCDを聴きながらやっと一息の週末タイムです。
 音楽のお供は、スタバのスラウェシ。
    

インドネシアのスラウェシ島原産のストレートコーヒー。
深いコクがあって私のお気に入りになりました・・・秋の季節にぴったりです。


もっと日本建築

2007-10-13 20:07:37 | 建築(京都~)

”もっと知らないと恥ずかしい!”日本建築、デザインの基礎知識。2
   月刊 「Casa BRUTUS」特別号 2007vol.90 SEPTEMBER

先日紹介しましたCasaBRUTUSの日本建築編に続いて、刊行された続編です。
前回の京都中心の説明に対し、今回は「奈良の寺」「伊勢神宮」をクローズ
アップ。茶室や茶道具に焦点をあてた記事にも、かなりのページ数を割いてます。
この本の情報は、京都通「石庭さん」から教えていただきました。


ニッポン●美しいです。
そんなニッポンをもっと知りたいと思いませんか?
建築だけではありません、工芸だって凄いんです。・・・
・・・このコピーにひかれて、またgetしてしまいました^^;

本編の内容は・・・
STEP1 日本の歴史をもう一度おさらい。建築・デザインの1300年
STEP2 寺院建築早わかり法
STEP3 不思議の国の神社建築
STEP4 茶と茶道具に凝縮された日本人の美の感覚
STEP5 茶室デザインをじっくり観察
STEP6 日本の工芸の技と美は茶の湯の世界に結晶する
STEP7 目指せ平成の数寄者!?

と言うふうに、今回も情報が満載!
おまけの別冊付録は・・・
(1)「日本全国・古建築ガイド」
(2)「京都で抹茶を満喫41軒」・・・使える!

また前回もそうですが、STEP1~7のメイン部分は英語訳もついてます。
ちょっと勉強が必要ですが、日本の歴史・文化を英語で説明してあげられる
ようになること・・・夢ですね。






フラガール

2007-10-10 00:05:45 | 映画・音楽

映画「フラガール」 2006年/日本/カラー/120分 配給:シネカノン


主演の松雪泰子さんの迫真のダンス・・・3ヶ月間猛特訓だったそうです!

この夏に海外出張に行ったときのシンガポール~タイの飛行機の中で偶然見て
なかなか面白いなあと楽しんでいたら途中で着陸・・・消化不良でした^^;ので
先日TV放送があったので今回はしっかり観ました!
昭和の時代のノスタルジックな雰囲気と厳しい環境の中の暖かい人間模様を
たっぷり楽しめる映画です。泣かされてしまいました^^;

笑い有り、涙有り・・・ベーシックな日本映画、バンザイですね^^; 
日本アカデミー賞最優秀作品ほか5冠達成!(07/2)は、分かります!

昭和40年、閉鎖に追い込まれた炭鉱の町では、危機的状況の中、炭鉱で働く人々は
ツルハシを捨て、北国のまちを常夏の楽園に変えようと立ち上がりました・・・
40年を時を越え語られる奇跡の実話がこの作品です。

「人生には降りられない舞台がある・・・
 まちのため、家族のため、友のため、そして自分の人生のために・・・
  少女たちはフラダンスに挑む・・・」

 さて、あなたの舞台はなんでしょう??