goo blog サービス終了のお知らせ 

Round & Round The Ring I Go

よもやまブログ。

エスパー魔美 その1

2014-06-29 13:58:00 | アニメぇ
アニメ「エスパー魔美」を改めて通して見てみた。

119話にも及ぶ長期放送なので、各話の完成度はかなり玉石混交。F先生の原作がついていたものの方が、やはり平均的には完成度が高い傾向にあると思う。しょーもない話はかなりしょーもないが、人気を維持したのはやはり魔美ちゃんのヌードなど、ソフトなお色気要素に支えられてのことだったのかな。

児童ャ泣m禁止法案に絡んで、「エスパー魔美などF先生の作品にも規制がかかるのか?」というような声をたまに見かける。まさかと思っていたが、今回魔美を見なおしてみると、アニメ・マンガとも大らかというにはやや行き過ぎかとも思う魔美のヌードの多さにやや驚く。「絵画のモデルとしてのヌードはやらしくない」という建前を利用した、F先生の手口といえば手口。

エスパー魔美はF先生の作品の中でも比較的高い年齢層を意識した作品。そのコンセプトは…

・超能力も持つ少女を主人公として一話完結の物語。
・超能力以外の怪奇現象は物語の導入としては取り入れられるが、必ず合理的に解決・解明される。
・人間の欲・正義・愛など、正邪とりまぜた人間物語を基本とする。
・適度なお色気。

といったところが推察される。
やや高い年齢層向けということから本格的な人間ドラマが志向され、F作品にはあまり登場しない悪も登場する。無論児童向けF作品にも悪人は登場するだろうが、単なる「悪い人」として描かれ、やっつけられたり改心したりする。魔美の場合の悪とはかなり普通の人の心に潜む悪(アニメ第21話「電話魔は誰?」)や、世間一般では完全な悪ながらそれなりの葛藤を抱えた人間(同第99話「狼になりたい」)、単なる悪人というより虚無を抱えたような話し合い不能の悪(同第19話「弾丸よりも早く」)など様々な悪が登場する。悪人の描写が各話の肝とさえなっている。

かなりドス黒い人間の心を描くことも躊躇しないF先生の覚悟が原作では見られるが、アニメ版は一話を30分で描く時間があること、より低い年齢層も見ることが想定されることからか、ややソフトなまとめ方に話が改変されていたりもする。
例えば「魔女・魔美?」はマンガ版では最後魔美のクラスメイトの悪事が露呈された瞬間で話が終わっていて、かなりエグい読後感を残したが、アニメ版は高畑の提案により悪事そのものは除去されたのだから、あえて犯人探しはしないでいようという提案がなされる。「リアリズム殺人事件」マンガ版では芥川「地獄変」の絵師さながら、本当に人を焼き殺して映画を撮ろうとする監督が登場するが、アニメ版では「焼き殺されてしまうのはないか」と役者を怯えさせすことまでもが実は映画監督の作戦だった、と変更されている。
この改変がお子様向けで生ぬるい結果につながっているかというと、必ずしもそうでもなく、フィクションというものはどういうものかという掘り下げにもなっていて、個人的にはアニメ版の方がより深い作品に仕上がっていると思う。この「リアリズム殺人事件」、原作にありながらアニメ版では91話目でようやく登場していることから推察するに、あまりに激しい原作だったので当初はアニメ化が見送られたのではないか。その後のアニメ化では相当慎重な脚本化がなされ、結果的に原作も超える深い作品になったのかもしれない。



ガンダムUC

2010-03-13 05:03:00 | アニメぇ
機動戦士ガンダムUC(ユニコーン) 1 [DVD]ファースト系の本格派ガンダム小説としてヒットしたガンダムUC(ユニコーン)の映像化作品「機動戦士ガンダムUC 1」を見た。一時間作品。全6話で、第2話のリリースは大分先。私は小説は未読。

CG技術取り入れが一般化してからの(多分)初めてのファースト系ガンダム。原作の評判も非常に良かったのでこれは見たいなと。

最初の数分の戦闘シーンで、お、こりゃいいねと。サイコミュを使った攻撃が非常に事細かに描かれる。なんとなく、テレビ版「超時空要塞マクロス」のスタッフとかが当時やりたかった映像はこういうのだったのかな、なんて思いながら見ていた。ファースト・ガンダムを見てプロになったスタッフ達が思い描いていながら、お金も時間も技術もなくて出来なかった映像。そんなようなものが、今ようやく普通に見れる。

物語の雰囲気はファースト/ゼータのオマージュっぽい。スペース・コロニーが舞台で、アムロ/カミーユっぽい主人公とフラウ/ファーっぽい女の子。安彦さんのオリジナル・デザインが生きていてうれしい。そういえば、安彦さんは「いかにもアムロ/カミーユっぽい主人公とフラウ/ファーっぽい女の子が、何の物語も生まずにそのまま冷たくなる悲しい話」をガンダム THE ORIGINで描いていたなぁ、この子達は大丈夫だろうな?なんて思ったりして。

カミーユっぽい主人公(=バナージ。ガンダムっぽい名前だ)は例によってファーっぽい女の子(=ミコット)には目もくれず、オードリー・バーンという何やら高貴な雰囲気の謎の女の子にこだわりまくる。いきなりバナージとオードリーの運命の出会い的大冒険が描かれ、そこら辺は何となく第08MS小隊っぽい。ただ、「ロミオとジュリエット」が下敷きだった第08MS小隊に対して、本作品はオードリー・バーンという名前が示しているように「戦場のローマの休日」的展開なのかも知れない。08MS小隊のヒロイン=アイナが今一深味に欠けるキャラクターだったのに対して、オードリーはかなり自分を持った強い女性のようだ。まだ出自は語られていないが、その容姿・髪型で大体察しは付くけどね。

物語の中盤以降は何となく醒めて見てしまったが、どうしてだろうな。一般人を巻き込んだ宇宙コロニー内の戦闘が延々続く。私は小説を読んでいないから、世界観がよく分かってないのかな? 戦闘への展開が早すぎて、何となく、凄惨というよりリアリティーの無さを感じてしまった。数話見てから見返したら、もしかしたら感想は変わるかも知れないが。

バナージの出自の謎やガンダムUCの変身(?)はガンダムというよりライディーンっぽかったかな。変身して角が割れちゃうことについて以前水口画伯が「それってスャ塔Tーの意向かね?」と言っていたことも思い出したり。

どうでもいいっちゃ、どうでもいいけど、このつまらなそうなDVDのパッケージ、デザインやったやつ誰よ。廊下に立たせるぞ。

いずれにしても、私のようなファンがじっと見ている中でファースト系ガンダムを作るのは大変だろうな。ゼロから宝塚系ガンダム作った方がなんぼか楽で、お金にもなるのだろう。なんだかんだ言って、こういう作品を作って頂いて、感謝しています。



アニメ版プレイボール

2009-07-11 07:04:00 | アニメぇ
アニメ版プレイボールを何話かネットで見た。

Yahoo!動画 - アニメ - プレイボール
Yahoo!動画 - アニメ - プレイボール 2nd

ただし、上の動画サービス、プレイヤーには大分問題ある。私の環境では早送りや巻き戻しがロクに出来ない。連続してみるとき、オープニング・ソングを省けないのは苦痛だ。その他色々不満はある。

アニメ自体は結構面白い。それぞれ第1話を無料で見ることが出来て、2ndシーズンの第1話を見たら結構気なる終わり方。続きが気になって、つい購入してしまった。2005年以降作られたものなので、マンガ版とかなり変えてあるところもある。以下、目立った変更点。

・谷口が下手にも優しい、心の広いキャプテンとして描かれている。
・谷口の指の手術が大きなエピソードとなっている。
・倉橋がトラブルメーカーとして描かれている。
・中山だけ現代的な顔立ちにデザインされている。
・半田の描き方なんかは、マンガ版以上にちばあきお的?(というか、こせきこうじっぽい?)
・全体的に青春のさわやかさが強調されたお涙路線となっている。

マンガ版谷口は礼儀正しくおとなし気はあるが、特に心が広いわけではない。どちらかというと、妥協ということが全く出来ず、ある意味心は狭い。また、下手にも非常に厳しい。
マンガ版倉橋は逆に、口は悪いが棘のない人物である。私はこの(マンガ版)倉橋がお気に入りで、特に登場から初練習試合くらいまでの、谷口との腹の探り合いの描写が好きだ。
中山は現代的デザインになってもう少し活躍するのかと思ったら、相変わらずカッカしているだけだった…。
また、全体的にお涙路線に仕上がったアニメを見て、原作の「変さ」が逆に再認識できた。やはりアニメは一般受けする作りになっているのだろうが、ある意味ありきたりで一回見ればいいかな、という気になる。
マンガ版はというと、ドラマチックで描けそうな場面を、単なる文字ナレーション処理ですっ飛ばすことが多々ある。逆に一見どうでもいい日常生活的シーンは延々と描かれたりする。やはり、ここら辺がキャプテン/プレイボールに特異な、飽きない味わいなんじゃないかなと思うのだが。

<form action="http://webclap.simplecgi.com/clap.php?id=hillsigo" method="post">
<input type="submit" value="web拍手ボタン" style="color:#52525;background:#ffffff;border:solid 1px #C8A46E;">
</form>



鉄腕バーディー DECODE

2008-10-15 02:09:00 | アニメぇ
鉄腕バーディー DECODE 1 【通常版】ゆうきまさみという人は月刊OUT時代、すなわちアニパロマンガ家としてくすぶっていた時代からの読者ではある。当時のOUT執筆陣の中では異色且つ頭一つ抜けた存在だったように思う。みんながガンダムやらカリ城やらイデオンのアニパロを描く中、ライディーンやコンバトラーVの美形悪役を主人公にした作品(「ど貴族物語」)を堂々描いていた。銀河万丈(声優ではなくダイターン3の主人公)に対する思い入れがなぜか強く、よく作品の中にチョロチョロと出てきた。また作品の中でよく作者本人が登場し、「オリジナルやりましょうよぉ」とT編集長に泣いて懇願するというのもパターンだった。

その後、オリジナル作品の「究極超人あーる」で一応ブレイクしたが、私はこの作品はそれ程好きではなかった。何だか素人臭さが紛々としているように感じた。OUT誌上では抜きんでた実力と思われた彼でも、いわゆるメジャー誌では中々難しいんだなと思ったものだ。

しかし、世間の評価は意外に高く、その後「機動警察パトレイバー」「じゃじゃ馬グルーミン★UP!」と一応のヒットを重ねてきた。この頃私はマンガやアニメから完全に離れていたので、あまり事情は知らない。
事情は知らないので、今更になって「機動警察パトレイバー」というのは面白いのかどうか気になり始めた。で、マンガ、アニメとも見てみたのだが、つまらなくて驚いた。

そんな時にたまたま「鉄腕バーディー」がヤンサンからスピリッツに移籍。私はスピリッツの準読者なので、それを機会に一巻から読んでみた。
流石にキャリヤを重ねて、素人臭い感じはない。でも、相変わらず読んでいて気恥ずかしいのは何なんだろう。やはりこの人の原点あたりを知っている(ような気がする)ので、照れちゃうんだよね。ああ、全然変わってないなぁと思って。巻末の自身による鉄腕バーディー・パロマンガが一番面白い辺りも、嬉しいような、トホホなような。

アニメ版の「鉄腕バーディー DECODE」をやっていることをコミックス上で知り、観てみた。これはかなり面白い。野暮ったいゆうきまさみ臭はかなり消え(まあ、それが味なんだろうが)、かなりシャキシャキとしたエンターテイメント作品に仕上がっている。
ちょっと前まで連日パトレイバーを見ていたせいか、日本アニメの表現の進歩に素直に驚く。パトレイバーと鉄腕バーディー DECODEでちょうど20年の開きがあるのだが、きちんと質的に数段階ステップアップしているのだなぁとちょっと感動。ロケハンを多用した背景一つとっても、CGの効果的な使い方にしても、主人公達の動きにしてもレベルが全然違う。マンガにおける石ノ森章太郎と浦沢直樹くらい違う。これだけレベルが上がれば表現できるもの自体変わってくるよなぁ。動きに関してはゲームの影響をきちんと取り入れているのも素晴らしいと思いました。アクション・シーンを単純に見ているだけで面白い。ゆうきまさみの原作が世界中に末ウれる様は想像できないが、このアニメ版なら十分に世界中で通用するんではないでしょうか。

バーディー扮するアイドル=有田しおんと、テュートが擬態するオカマのマネージャーというアイディアは、とてもゆうきまさみからは出てこない感じですが、気に入りました。続編が作られるということですが、この二つのキャラクターにはまた登場してもらいたいものです。ゆうきまさみの一つの味として、しつこい程一貫したストーリーの軸が存在することがあるようですが、この際そんなことは無視してルパン三世のようなお気楽な作品になることを望みます。



ヤッターマン

2008-01-30 08:19:06 | アニメぇ
ヤッターマン Vol.1 出動!ヤッターマンだコロン一時期スタパ斉藤氏が「ヤッターマン・コーヒーライター」を連呼していたことでもお馴染みの、ヤッターマンが帰ってきたらしい。

第二話を見てみました。
第一話分で、私の数少ないアンテナではやや否定的な意見が聞こえてきていたのだけど、私は結構楽しめました。というか、ナツカシ楽しいというか。
アニメのリメイクも大分歴史を重ねてきたこともあって、80年代版ゲゲゲの鬼太郎のような、旧ファンがショックを受けるような手法は減ったのかもしれない。

ただし、80年代版ゲゲゲはブームといえるほどのヒットをしたし、新ルパン三世も熱心なファンには不評だったと思うけれど、子供達には大ブレイクしたわけだし、オールドファンを満足させることが正しいのかどうかはよく分からない…。まあ、子供人口減もあって、旧ファンの市場価値が大きくなった側面はあるのかな。

でもまあ、そんなこと抜きにして楽しかったですわ。
構成的にも旧作と何ら変わらず、
「ガンちゃん達の日常風景、機械いじり」→「ドクロベイからの指令」→「ドロンジョ達のインチキ商売」→「中略」→「格闘戦(シビレスッキ等)」→「ドロンジョ『メカを呼ぶんだよ~』」→「ヤッターワン、ピンチ」→「メカの素」→「今週のびっくりどっきりメカ」→「ア~ン」→「ハリセン、ハリセン、ハリセン、ハリセン…」→「爆発大破」→「三人乗り自転車で脱出」→「お仕置き」
と、判でついたような展開をしっかりやっていて笑いました。まあ、そのまんまなリメイクぶりに笑ったというか、「お前らまだこんなことやっていたのか(あるいはやっていてくれたのか…)」と懐かしく楽しく少し切ないような。
ストーリーのいい加減さとか、細かいギャグとか本当に昔のまま。

多分旧作は笹川ひろし氏の独特のぬるいギャグ世界観をベースに(「いなかっぺ大将」も笹川ひろし氏)、天野嘉孝・大河原邦男ら後に有名になる才能あるスタッフ達がとにかく思いついたギャグは何でもぶち込むという、非常な突貫工事で^^制作されたのだろうと想像します。調子に乗った時のやっつけ仕事の凄さというか、声優陣も含めて勢いがあり、且つオリジナルな作品になっているよね。当時のタツノコは、マンガ原作なしに「ハクション大魔王」「ガッチャマン」「タイムボカン・シリーズ」等々を作り続けていたわけで、現在から考えると驚異的。というか、現在の基準からしたら「そりゃ無茶だ!」てなもんだよね。

悪役三人の声優が旧陣通りというのは素晴らしいが、ドクロベェも昔と同じ滝口順平なのが嬉しい驚き。富山敬がいないのは仕方ありません…。

まあ、物足りない面といえば、

「ヤッターワン、ピンチ。ドロンジョ側大攻勢」→「ドロンジョ:『ボヤッキー、アンタやるねぇ、天才だねぇ、男前だねぇ』」→「ボヤッキー(急に美形キャラになって):俺に惚れんじゃねぇぜ、ドロンジョ』」

というのが欲しかったかな。今後に期待。