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Round & Round The Ring I Go

よもやまブログ。

巨神ゴーグ

2007-12-22 09:27:00 | アニメぇ
巨神ゴーグ DVD-BOXネットラジオ・爽やかナッシングのパーソナリティー=水口画伯の番組中の何気ない一言、
「『巨神ゴーグ』が見たいんだよね」
にピクリとこちらも反応する。

うん、確かにあれは面白かった。
子供の頃、夢中になって見ていたものだ。
毎回30分が短く感じて、次回が待ち遠しくて待ち遠しくて。

安彦良和氏が監督から作画から全て務めた作品。
完成したものの放送枠がなかなか決まらなくて、気を揉んだ記憶がある。
大期待の中の放送第1回、前評判に違わぬスリリングな展開で、グッと息を殺して見ていたように思う。まあ、タイトルと相反して、第1話には「ゴーグ」は出てこないんだけどね。それどころか、2話も3話も出てこない。「また今週も出ないのか!」

物語は少年の冒険譚。舞台は最初ニューヨーク、それから絶海の孤島オウストラルへ。3万年ぶりに海中から隆起してきた謎に満ちた島。そこには全世界の明日を左右する大きな秘密が隠されているらしい…。

多分、「少年の冒険譚」が作りたかったんでしょうな。ある意味典型的な物語だと思うけれど、この作品独自の味わいは、巨大なロボット=ゴーグと主人公の少年との交流の機微。ゴーグはガンダムとかとは違い、意志(?)を持った自律型のロボット。しかし、黙して何も語らず、悠宇少年をひたすら一方的に守りまくる。まあ、語る機能がないようにも見えるし、単なる誤作動誤認識で守ってくれているようにも思えるんだけど、とにかく献身的に主人公のために戦う。ヘリコプターも投げ飛ばす。戦車もぶっ飛ばす。かなり破壊的だ(^_^)。
その頼もし気で、ある種いじらしい姿を少年視点で見ていると、なんだかグッと来るんだわな。「ゴーグ!ありがとう!」みたいな。

しかし、多少意地悪な大人目線で見ると、やや物足りなさも感じる。特にキャラクター造形。冒険心溢れ正義感の強い主人公。割とすぐ泣き叫んじゃうヒロイン。浮世離れして頼りない学者。名前の付け方からしていい加減ぽい原住民の少年少女。どれもステロだ。
ある程度複雑味をもっているのは、味方で頼りにはなるんだが、やたら柄の悪い「船長」と、敵役にして狂言回しのロッド・バルボア(声は池田秀一)のみ。

ここら辺、振り返ると映画「アリオン」を見た当時にも感じていたことだ。なんだか登場人物に全く感情移入できずに物語はどんどん進んでいって…。「安彦さん、一体何がやりたかったんだろう…」と考え込んで映画館を出たのを覚えている。その辺りで物語作家としての安彦氏に興味を失ってしまったのだ。
今にして思うと物語そのものよりもキャラクター造形に問題があったんだろうなぁ。(「クラッシャー・ジョー」にもそこはかとなく、その香りがする)
長年の謎が解けた気がする。

でもね、ゴーグはいい。全26話、舞台もほぼせまい島だけ。主人公とゴーグの交流、オウストラルの謎、「船長」の暴れっぷり、ロッド・バルボアの狼狽ぶりでなんとか乗り切った。
起承転結がくっきりしていて、こぢんまりしていた、愛すべき冒険譚だと思う。



ZEGAPAIN ゼーガペイン

2007-10-12 05:17:20 | アニメぇ
ゼーガペイン FILE.012006年に放送された全26話の作品だけど、割と最近に人に勧められて見てみた。

結果として、はまりまくり、一時期「♪目が覚めぇて~」というエンディング曲(名曲)が四六時中頭を流れ続け、仕事の合間にもカミナギ・リョーコの今後について気に病むのであった。後半はDVD一気借りして、睡眠時間を削り見ました。

第1話、テーマ曲は流れず、いきなり物語から始まる「宇宙漂流バイファム」を思わせるオープニング。(例えが古い)
しかも主人公(?)がいきなり敵(?)に囲まれ、月で自爆するというかなりショッキングなシーンである。
暗転→真夏の高校での日常的なやりとりが描かれていく。さっき自爆したはずの主人公なのだが、元気に水泳部の部員勧誘。時を遡って物語が始まった…?

色々な謎を孕みつつ、高校での長閑な(しかしどこかしら不穏な)生活と、別世界での巨大ロボットを駆っての戦いが描かれていく。主人公がその二つの世界を行き来しつつ、徐々に謎が明かされていくのだが…。

映画「マトリクス」は日本のアニメの影響を大きく受けているが、同時にマトリクスが日本のアニメに与えた影響も意外と大きいらしい。この物語の世界観もマトリクスなしには生まれなかっただろう。

無論、「影響を受ける」のは悪いことではない。むしろ、お互いに影響を与え・受けて延々と作られる作品群こそが「文化」というものだ。単独で優れた作品があったとしてもそれは文化とはいわない。ビートルズから始まるャbプミュージックは文化だし、手塚治虫から始まるマンガも文化だ。「源氏物語」は優れた作品ではあるが、残念ながらそういう意味での文化は形成できなかった。
また、影響の受け方に善し悪しがあるのも、作品の出来不出来があるのも無論。

この物語が良質なのは、第一に「青春もの」としてかな。私がこの物語で好きなシーンは第15話 「リインカーネーション」での、主人公と友達との公道自転車レースシーン。赤信号中の売り言葉に買い言葉、青信号で突然ガチのレースが始まる。
あるいは、第16話「復活の戦場」における夏休み最後の日の深夜に行われる水泳部リレーシーン。切ない音楽とともに、記録には残らない必死のリレーが行われる。どちらも胸がしめつけられる。

さらに「恋愛もの」としても非常に切ない。主人公の恋愛の対象カミナギは愛すべき元気いっぱいなキャラクターなだけに、切ない。
なぜ切ないのか、それは絶望的な物語の設定そのもののせいでして、詳細は書けないが、彼女が元気なら元気なほど、無垢なら無垢なほど、切ないということになっております。
エンディングでカミナギがバラバラになり鳥が飛び立っていくというコラージュが毎回流れるのだが、それを見る度に胸締め付けられる思いでした。

さらに、ただでさえ切ないカミナギが第13話「新たなるウィザード」では、なななななんと! なんつーえげつない話だ!と。
リアルタイム放送時、某巨大掲示板のゼーガペイン・スレでは「カミナギ・ショック」が駆けめぐり、ファンは一週間呆然感を共有したらしいが、さもありらん。
(ちなみに今、DVDでそのシーンをちょっと見てみたが、やはり軽くショックをうけてしまった…)

最終回周辺数話は、物語中盤までの「時間」「繰り返し」「虚無」「絶望」という感覚がやや薄れ、大決戦風な駆け足なエンディングではあった。物語上のいくつかの齟齬も感じるし、完璧な作品ではないが、やはり私はこの作品が好きだ。早瀬の男前さもルーシェンの訳のわからなさも。イエルもね。

「1ゼーガはDVD約1900枚相当」なんて単位も出来てしまって、大ヒットアニメではないようだけど、間違いなく面白いと思います。

機動戦士ガンダム 第08MS小隊

2006-02-20 04:51:00 | アニメぇ
機動戦士ガンダム MS08小隊 Vol.1GNO2を始めたせいか、「ガンダムが見たい熱」が高まる。

で、昔見た「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」をもう一度。
オリジナルのガンダムが超がいくつも付く名作なのは勿論なのだけれど、現時点であの作品が好きかどうか自分でもよく分からない。まあ、気楽に見るには重すぎるんだよな。

その点「第08MS小隊」は素直に好きだ。
わずか全11話。妙にミリタリー的リアリティーが追求され、ストーリーはロミオとジュリエットが下敷き、ニュータイプも出てこないガンダムとしは異色の作品だけど、いいんだなこれが。
特に第1話「二人だけの戦争」は名作なんじゃないかな。
ヒーロー・ヒロインの出会いまで息つく暇なくドラマが転がっていく。
宇宙船の残骸に男女敵同士のパイロットが、酸素残量の恐浮ニ闘いながら生きる為に協力し合う。多分に「ストックホルム症候群」的状況で、運命的出会いと言えるがどうか分からないが、ともかく二人はごく短い共有時間の間に不思議な結びつきを持つ。

第1話のサイドB的な第7話「再会」もなんか好きなんだよね。
まあ、かなりメロメロなメロドラマなわけだけど、結構真剣に見てしまうのはなんなんだろうな。主人公シロー・アマダの熱い性格のなす技か。ミリタリー的リアリティーがうまくバランスとして働いているのか。
多分、それ以上にこの物語の主要なモチーフは悲恋にもかかわらず、それを描いているシーンがごくごく短いせいだろうか。全11話のうち、二人がまともに会話しているのは第1話と第7話の合わせも30分たらず。そのどちらも不意に始まる戦闘シーンから思いもかけず出会うことになる。
ここら辺の凝縮感が物語り全体をあまり臭くせず、逆に味わい深くしている要因か。

あとね、ユーリ・ケラーネ、ボーン・アブスト、ノリス・パッカードと、敵役であるはずのジオンの軍人たちのいい男っぷりが印象的^^
彼らがこの物語に豊かさを与えているなぁと感じると同時に、こういったキャラクター配置をゆるす「ガンダム」という世界の懐の深さにも改めて感じる(というか、ガンダムの一番の魅力はそこなのかな…)

ところで最近知ったのだが、この作品、監督の神田武幸が途中逝去されるというアクシデントがあったそうだ。確かに後半若干テイストが違うような気もする。彼が生きていれば、更なる名作になったのだろうか…。


ところで、後日談に当たる「機動戦士ガンダム 第08MS小隊 ラスト・リゾート」は完全に蛇足だと思う。なんでこんな作品があるのかじぇんじぇん分かりません。



サムライチャンプルー

2005-11-26 15:10:25 | アニメぇ
サムライチャンプルー 巻之壱 [DVD]世間的には完全に今更という感じなのだろうが、「サムライチャンプルー」を見る。まだ最初の方を見ただけだが、面白い。

こういうチャンバラもありなんではないだろうか。
未だチャンバラは日本人以外には作ることは難しいだろうし。
黒澤の映画観ていても、刀は銃の撃ち合い以上にスリリングなものが作れることは証明済みだし。
刀のチャンバラではないけれど、映画「許されざる者」でも、クリント・イーストウッドは弾が二発しか入っていないライフルで敵のうじゃうじゃいる店に殴り込みをかけて、見事に闘って見せた(しかもライフル一発目にして不発弾)。あれなんて、モノは銃だけど、要はチャンバラなんだと思う。命の駆け引きというかね。

サムライチャンプルーはそういう息を飲むチャンバラの緊迫感とは違う方向性も見せてくれて。「マトリックス」後のチャンバラというか、「マトリックス」的なものを日本人が本気で(しかもチャンバラの世界で)描いたらどうなるか、というのを見せてくれて軽く感動。