
曲やメロディーがいいというだけではなく、重層的なアレンジでさらに底上げしてある。
ブー・ラドリーズのアルバムというと、出世作"Wake Up!"やその対(つい)ともいえるような"C'mon Kids"が思い出されるけど、どちらのアルバムも、良くも悪くも表題曲にして冒頭曲の"Wake Up Boo!"、"C'mon Kids"の印象があまりに強烈。あまりに強烈すぎて、他の曲が完全におまけ状態のようにも見えた。
このアルバムでは当初の予想が的中。神懸かった一曲というのはない代わりに、息切れすることなく一定の高いクオリティーがアルバム全体に行き渡っている。楽曲の展開も、こちらの予想よりも常に一枚上手を行く感じ。同じタイプのアルバムとして、オアシス"(What's the Story) Morning Glory?"や、メ[ル・マッカートニー"Memory Almost Full"なんかを想起させる。
楽曲のバラエディーは富んでいる。格調高いビートルズ系ャbプ、ハードなエレャbプ、オアシス風ロック・バラード、半分冗談のようなブー流ロネッツ、完全に冗談のようなブー流ソウル。それら楽曲が、躁状態の"Wake Up!"とも鬱状態の"C'mon Kids"とも違って、ある種淡々と全力投球状態で並んでいる。
このアルバムでバンドは解散してしまったのだが、解散すべきクオリティーではない。本人達からしたら全てを出し切ったと思ったのかも知れないが、端から見ているとむしろ「初めてブー・ラドリーズが作ったまともなアルバム」という気がする。終わりというより、ようやく始まりと思えるのだが。
もっとも、メイン・メンバーのマーティン・カーは音楽を続けていて、地味にソロやBrave Captainというユニットでアルバムも出しているらしい。今度聴いてみようと思う。
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