筆者が読む本はお客様なり市場などから入手した中からこれはと思って
手にするものだから、いわゆる「新刊」は殆どありえない。それでも一冊ごとに色々な知識、知見が見つかり思いを新たにすることができる、というよりさせられるというべきか。
ある短い随想を集めた本を見ていて「政治を一歩誤ると、官吏は番犬で、国民は牛馬のようになってしまう」「もし思想を取り締まるとせば、先ずこの首相の憂鬱なる思想を取り締まるべし」 という文言の有る本を知った。これは近々の政情についてまさにその通りで安部・菅政権のことを言っている昨日今日の言葉に思われるが、実は昭和16年に出た本の中の一句なのだ。こんな文句に行き当たると「歴史は繰り返す」と思わざるを得ない。
正木ひろし「近きより」である。 以前この本を扱ったことがあった(はず?)だが、正木ひろしについても漠然と戦時中に軍部・政府を批判した人だ としか認識しておらずページを繰ってみた覚えはない。
今にして「読んどけばよかった」とまさに後悔先に立たずである。先の「月と狂言師」もそう、このところこのように「知らなかった」「そんなことだったのか」と思い知らされることがこの齢にして増えてきたように思う。
もっとも、逆に「馬鹿馬鹿しい、出版社は恥をしれ」と思う本もよく行き当たる。 本は読むべしである。本を読まない人は「知らざるを知らない」自分は
これ以上知る必要なしと自得した世間・料簡の狭い、あるいは「出来上がった、頭の高い」人間だといえると思う。