閑寂肆独白

ひまでさびしい本屋のひとりごと

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2016-03-13 08:08:08 | 日記
数日前 ある人に吾店への来店をお断りする事態があった。小生より十数歳年上、見知ってから思えば40年にもなろうかという人である。そう親しくしてきたわけではなし、もともと多少狷介な人で、お付き合いについては距離を置いていた。音楽好きだということもわかっていたし美術にも一家言ありで、当方のお付き合い範囲とあちこちで重なりがあってお互いに意識しあう関係。当然ながら本は好きで吾店にもそう頻繁というわけではないけれど、大牟田在の人としてはある意味「良いお客様」だったかもしれない。しかし・しかし、もともと、とは先にいったけれどその狷介ぶりが歳と共にひどくなってきたように見えた。 そして吾店の都合から言えば、高価な本はまず買わない、均一と特価台の品をひっくり返しもっ繰り返し「点検」をし、数冊買うという人で、高価な本はよその町の有名店でしか買わない(以前、吾店で公言した)。その本の扱いの乱暴なことも吾店としては面白くないわけで、帯が切れるのも「どうせ大した本じゃないではないか、いちいち言うな」と。あるいは包装について、またこのたびのきっかけは
挨拶の仕方が悪いということだった。 古本屋の挨拶は難しいのだ、人によっては「いらっしゃいませ」さえ嫌がる。ただ黙っているのが一番と吾店では思っていて、入ってこられたときは挨拶なし。出てゆくときに「またどうぞ」というくらい。買っていただけたときは当然「ありがとうございます」 黙っているからと言って無視しているわけではない。どんな本を手にするか「観察」はしていて、何も買わずに出て行こうという方には「何をお探しでしたか」と聞くことはよくある。そこで対話が芽生えることは多い。本の扱いが乱暴とか、はなはだしいのは書き写そうか、という類を見張っているのは当然。このたびの事件も特価台の端でこちらに背を向けてモゾモゾやっているので、「何をしてるんですか」と聞いたことがきっかけであった。即刻「何が悪いんだ!」と怒気を含んだ返答である。手帖に書き写していたのだが、当方はわかっていても一応「何をしてるんですか」と聞いたのだが、その返答は自分のしていることが悪いこととわかっているから発せられた違いない。「俺はよその店でもやっている、なんだお前は俺がやってはいけないというのか」 「それではあんたは盗人だ」というと本当に怒ったようだった。図星だったということだ。そこで「そもそもお前の態度は・・・」と、先の挨拶のことから始まってあれこれ「ご不満」と雑言。 「そんなに気に入らない店なら来ていただかなくっても結構、即刻お帰りください二度と来ないで」「いやこれはもらっていく、買っていく」「いや買っていただかなくて好いです、お帰りください」「いや買う、お金を払うから客だろうが」「あなたには売らない、お金ももらわない」千円札を放って「釣は要らん」「こんなはしたがねで大きな顔をされてたまるか(3冊の本を離さない)その本くらいくれてやる、手切れ品だ」 という。  大人げないねえ、といわれそうな「売り言葉に買い言葉の」一幕でした。ああ清々した。
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1 コメント

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少しわかるるような気がします。 (ATSU)
2016-03-16 06:47:36
ある博物館の本のコーナーで月2回ですが,ボランティアをしています。
このコーナーは,本の貸し出し,コピーはできません。
でも,なかには,カメラを出してきて,写真を撮ろうとする人がいます。
「お隣の図書館なら,コピーができますよ。」とお伝えするのですが・・・。

数ヶ月前,なぜかこのブログにたどり着き,いつも楽しく読んでおります。ありがとうございます。

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