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歯科の分野3 ~歯周治療~

2010-01-06 02:03:29 | 歯科臨床
久々にこっちの記事も更新してみようと思います。

・歯周治療

実は歯科の分野で最も奥が深い分野だと思います。
それは、この分野の習得が最も難しいと私は考えているからです。
とにかく奥が深い。
この分野は幅広い科学的論拠に基づいた知識の習得と、オールマイティーな技術の習得が不可欠だからです。
補綴は、経験論が多いのに対し、歯周病の治療はランダム化された多数のデータによる科学的論拠が重要だからです。
全てを語ると本が1冊書けるくらいの大容量なので、治療内容について簡単に記載してみようと思います。

まず、歯科治療の内容の基本は以下の3本柱です。
①一次医療(予防)・・Sc、PMTC、等
②二次医療(治療)・・むし歯、歯周病等の処置(悪いものを取る、簡単な修復)
③三次医療(機能回復)・・・・入れ歯、ブリッジ等の歯を入れる処置
ここに審美を入れ、4本柱で考える方法もあります。

簡略にまとめると
・一次医療は予防
・二次医療は補綴前処置
・三次医療は補綴です。

歯周治療をこの分野でどこに属するのか??
というと、一次医療の分野も、二次医療の分野にも属すると思っています。
それは、予防であり、かつ、補綴前処置である。ということです
歯周補綴なんて用語も使われていますので、補綴にも属するのでは?
とも思っています。

歯科の分野で比較的独立している、矯正治療も歯周治療の一環で行われることは非常に多いのです。
実際に歯周病の患者さんで、矯正治療が必要な方は多数です。
歯周治療は総合的な歯科治療そのものと言っても過言ではないと思っています。

歯周治療を簡単に分類すると、検査、基本治療、外科治療となります。
・歯周検査
歯周ポケット、出血、動揺度、PCR、細菌検査、CAL、分岐部病変の分類、付着歯肉の幅、など、多くのデータを採取します。

・歯周基本治療
ここがとても範囲が広く、動機付け、ブラッシング指導、スケーリング、ルートプレーニングの他にも、むし歯処置、歯内療法、咬合調整、保存不可能歯の抜歯、矯正治療、不良補綴物の除去、バイトアップ、急性炎症の除去、など。
とにかくここで歯科全体に及ぶ分野が登場します。
歯周基本治療はとても奥が深いのです。
つまり、ここでは歯科の全ての分野の知識、技術が必要不可欠なのです。

・歯周外科治療
歯周基本治療で治癒しない時、あるいは治癒が見込めない時でかつ、抜歯を行わない歯に適応する治療方法です。
①切除療法
②再生療法
③形成外科
と分けています。ここは後ほど詳しく記載したいと思います。

私の中でむし歯の治療や、予防、補綴治療は、ある程度の結論が出ているのに対し、歯周病の治療に関しては技術も知識もまだ習得中で完全な結論はまだ先になりそうです。ひたすら論文で良いデータの出た治療法を選択して行っていき、結果が悪い時はその原因を考察する。そして修正する。
歯医者さんに一生勉強が必要なのは、この歯周病の治療があるからだと思います。いかにして歯を保存させるか??機能させるか??長く持たせるか??
は、論文による科学的論拠と実際の経験をふまえ、仕事を続ける限り研究していかなくてはいけないのだと思います。
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