昔、爺さんに「どうして我が家は椎茸を竹藪の中で作るんだい?」と聞いたことがあった。
「椎茸を山で育てると雷様に弱く、突然パット開いて落ちたり、ヘソを盗られたりするから、雷や地震に強い竹藪の中に原木を積んで育てるんだよ。
「だから春になると筍と椎茸の煮物が凄く旨いのじゃあ、寿命も天高く伸びて長生きできるしのう」って話してくれたっけ。
そんなヘソなし爺さんは、今年96歳を迎える。
孔子のことばに「六十にして耳従う」があります。
60歳を過ぎてやっと、人の話に耳を傾けられるようになるという表現ですが、これには深い意味があり実は誰でも簡単に到達できる領域ではないと思っています。
孔子が言う「耳従う」とは、人の話に耳ではなく心を傾けられる謙虚な姿勢にあるのだと、やっとその深い意味を自覚するに至りました。
難易度が高い心の領域だということを自覚して、日々謙虚な姿勢を保つ努力を忘れないように心がけたいと思います。
おおやすみなさい。