佐賀県に綾部八幡神社というのがある。「風の神様」を祀る神社として、県内外から多くの参拝者があるが、「日本最古の気象台」といわれていて、旗のなびき具合で風雨の襲来や農作物の豊凶を占うものだ。
7月15日に綾部八幡社、社前の樹齢 700年の銀杏の樹の天辺に麻で作った神旗を立てる。
神旗は幅1尺、長さ1尺2寸。
秋分の日の翌日の旗降しの日まで旗のなびき具合をみて風雨の襲来や農作物の豊凶を占うという。
毎年9月23日に、祈願成就のために浮立を奉納。参道には多数の出店が並び、多くの観光客や参拝者でにぎわうらしいが、わが集落では毎年8月20日この神社に参る。
台風、大風が来ないようお参りに行くのだけれど、大昔からの行事だ。
ここ、綾部神社の参道には昔から茶店で名物のぼたもちが売られていた。その歴史は古く、鎌倉時代に源頼朝に従った綾部の地頭が奥州征伐の凱旋の際に兵士たちにふるまった祝いの餅が起源とある。
やわらかいひとくち大の餅に、たっぷりとまぶしたこし餡の甘さ、この餅は幸福を招くということで、参った折にはうちの集落の皆さんも大量にお土産として購入する。日頃お世話になっている人たちにお礼としても配る人もいる。
さて、ここまでは通常の話だけど、私が知らないお話があったらしい。
私が知ってる集落の話では、この綾部神社まではけっこうな距離があるので昔は汽車に乗っていったらしい。そしてその駅からは歩いて向かった。もちろんお参りしただろうが、そのあとは女性のおもてなしでお酒が入って、食事もして、もちろん、ぼたもちも食ったでしょうが、そのほかもあったのではないでしょうか。泊りがけだったらしい。
今と違って、昔は何かのお祭りでないとお酒は飲めなかっただろうし、ましてや泊りがけなどは、ほとんどなかったろうから。
お祭りと言ったらやっぱり収穫のお祭りか、田植えなどの重労働の後の、さなぼりしかなかったろう。あとは神様のおまつり。
神様にお祈りする、お酒と農産物を奉納する、そのお祝いをする。それにあやかりながら、自分たちもお酒を戴く。こういうことだったのではないかと思う。そしてこれに付随した、何かのいいことがあったのではないだろうか。
このなにかは集落の大先輩からずっと以前に聞いたので、具体的には何かは私も知らないけれど。
さて、今は。
8月20日早朝6時に希望者だけが、現地集合で神社に参って、帰りに牡丹餅を食って、お土産に買って帰って。もちろん日帰りというか、みんな自家用車で行って通常は直接職場へ出勤だ。
そして、次の週の土日にお神酒を呑みながら公民館で家を呑むぐらいだ。でもこれもコロナの影響でここ4年は中止のまま。
さびいしいなあ…。
この記録はだいぶん以下の記事を使わせていただきました。